頭骨の変異

Skull
トウホクサンショウウオの頭骨の形状の地理的変異(下を見よ*)。これらの試料は、アリザリンレッドで染色されている(アリザリン染色)。

群馬県水上町の個体群では、全ての試料の頭骨の形状が、調べられた他の18地域のものとは明らかに異なっている(左下: n = 60)。また上顎骨幅/頭骨長は、調べられた全ての個体群のなかで最大の値を示す。この個体群では、骨化していない第1中央ふ骨(54/120)と骨化していない脛ふ骨(78/120)を持つ後肢が異常なまでに多く見られ、これはハクバサンショウウオの後肢と似ている(後肢骨の構成)。同様に、第5蹠骨を支える、第5基底ふ骨の非骨化が20の試料で生じている(この標徴は他では滅多に見ることができない)。トウホクサンショウウオの分布の南限に相当する、この個体群は、本種の骨学的形質の種内変異からは外れているようである。

*不幸なことに、日本語で書かれた講演要旨だけが、現在は利用できる。様々な測定値のデータを詳細に採る前に、試料は全て私の知らないうちに(1994年3月頃)、捨てられてしまった(捨てられたサンプル)。


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