アリザリンレッド染色法


標本の筋肉を透明にし、骨格をアリザリンレッドで赤紫色に染め出す方法である(軟骨は染まらない; 前鋤骨歯列の形状; 頭骨の変異)。以下の操作は、全て室温(24℃前後)でおこなう。作製にあたっては、絶対に標本を振盪させてはいけない(骨格がバラバラになる)

(1) 死亡した個体、または麻酔で安楽死させた個体を10%ホルマリンで形よく固定する(1日以上)。70%エタノールでの保存が可能である。
(2) 固定した個体をアセトンにいれ、脂肪を抜く(5日以上)
(3) 水道水を流し、脂肪を抜いた個体を充分に水洗いする(1日以上)
(4) 個体の表皮をピンセットなどで剥ぐ。
(5) 表皮を剥いだ個体を2〜4%水酸化カリウム溶液に入れ、筋肉を透して中の骨格が僅かに見える程度まで放置する(1〜3週間)。室温が低いと時間が掛かる。
(6) 2〜4%水酸化カリウム溶液(6)、染色溶液*(1)の割合で混ぜた溶液に移す(1日)
(7) 2〜4%水酸化カリウム溶液に移し、弁色する(2〜3日)
(8) 2〜4%水酸化カリウム溶液(3)、グリセリン(1)の割合で混ぜた溶液に移し、筋肉を透して中の骨格がはっきりと見える程度まで放置する(1〜3週間)
(9) 2〜4%水酸化カリウム溶液(1)、グリセリン(3)の割合で混ぜた溶液に移し、透明骨格標本が容器の底に沈むまで放置する(2〜3日)
(10) 粉末状のチモール(防腐剤)を少量(耳かき1杯程度)加えたグリセリン溶液に移し、そのまま保存する。

[*染色溶液(150ml)の作り方]
1%抱水クロラール溶液120mlにアリザリンレッド100mgを溶かし、グリセリン20ml、氷酢酸10mlを加える。


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