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遠藤賢司最近資産
遠藤賢司/CD/幾つになっても甘かあネエ
 ワールドカップ期間中に発売になった、入魂の新作。

 夢よ叫べ以降のアルバムは、発売日もしくは前日に必ず入手して聞いていた私であったが、実はこのアルバムは購入するのがちょっと遅れた。

 というのは、このアルバムを買った瞬間に私のワールドカップは終わる、という強迫観念があったからである(笑)。いや、この大宇宙はそういうパワーのバランスの上に成り立っているのだ。そして、エンケンさんの持っているカリスマ性がオリー・カーンより偉大である以上、それは極めて正しい考え方であるのだ。

 そして、必死に我慢してひたすらインターネットで馬鹿バイロム社のページにアクセスを続け、6月28日の9時ごろ本当に決勝戦のチケットをゲットして、29日に横浜のJAWOCで発券できたのを確認してから、その足でタワーレコードに移動して購入した(笑)。

 それはともかく、このアルバムでは、宇宙防衛軍のコンセプトを踏襲したような、さまざまなアイデアが詰まった宝箱的なアルバムとなった。ブロンソンズの田口トモロヲがナレーションで参加し、奇才岸野雄一が効果音を担当した問題作「ネコラ」など、聞き手を呆然とさせる要素に事欠かない。

 しかし圧巻は魂の咆哮、「男のブルース」が素晴らしすぎるのだ。私は「12小節ブルース」が実はあまり好きではなかった。ブルースセッションなどではさも自由の象徴のような感じで使われるのだが、どういうわけか、私には非常に窮屈な感じに思えるのだ。不自由にさえ思えるのだ。しかし、この恐るべきインプロビゼーションを聴くがよい。これこそが自由であり、ブルースだったのだ。これこそがエンケンバンドなのである。まるでロビーキーンのようではないか!

 因みに、とーべんさんに伺ったのだが、この男のブルース。エンケンさんがギターソロであまりにも入り込んでしまい、一拍タイミングがずれたらしい。まあエンケンさんにはよくあることで、また、我々の内なるリズムは4/4で割り切れるとは限らないのだから、それは当然のことなのだが、さすがにライヴではなく、レコーディング中である。

 とーべんさん曰く「エンケンのギターソロが凄くよかったからさ、あんなの二度と弾けないだろうから、俺がベースを一部収録しなおしたんだ。」
 私「でも、トシさんはどうしたんですか?」
 と「トシはなんか知らないけど、勝手について行っちゃったんだよ。まるで俺だけ間違ったみたいに聞こえるんだよ。」

 恐るべし石塚俊明(笑)。因みにとーべんさんは2小節ぶんオーバーダブしたらしい。ということは、次の瞬間エンケンさんに合わせていたということである。恐るべし湯川とーべん。ああ恐るべしエンケンバンド。
 
2002/06/26