第144回
モバイルバッテリ
Panasonic QE-PL201
(2012年3月30日購入・2012年11月6日著)


モバイルバッテリを購入する

 最近、持ち歩く機器が多くなってきたことに加え、USB充電ができる機器が増えてきた。従来型の携帯電話を持っているが、インターネット接続を行うとバッテリの減りが早い。ロードテスト132回で購入したデジタルオーディオプレイヤー「NW-A855」も動画を再生すると数時間でバッテリ切れだ。ロードテスト125回で購入したモバイルルータ「Pocket Wifi GP01」もUSB充電可能だ。また、ロードテスト143回で購入したデジタルカメラ「DSC-HX30V」も、この時点で価格が下がるのを待っていてこの後購入したデジタルビデオカメラ「HDR-CX720V」(ロードテスト146回)も、これまで使ってきた機種ではUSB充電不可だったが、今回の機種から可能になった。このように携帯する製品が増え、しかも使い方によってはバッテリの持ちはそれほど良くない。その上、常にフル充電とは限らず、いざ使おうとすると自然放電によりバッテリ残量が少ないと言うこともある。今後携帯電話をスマートフォンに買い換えると、ますますバッテリ切れの心配が増えることになる。そして、これらの機種がUSB充電できるなら、モバイルバッテリを購入するという結論に行き着くわけである。
 モバイルバッテリは、小型の本体にバッテリを内蔵しており、USBから機器に給電できる製品だ。当然本体が大きく・重くなればバッテリ容量が増えるが、携帯性は悪くなる。この点はバランスが重要である。また、出力できる電流の大きさにも差がある。通常パソコンのUSB2.0ポートなら500mA、USB3.0ポートなら900mAだが、スマートフォンなどでは1Aや1.5Aの電流がないと充電ができない物や、充電時間が長くなる物がある。USBポートが複数ある製品もあり、1ポートあたり何Aが出力でき、全ポート合計で何A出力できるのかよく見ないと、せっかく買っても機器が充電できないと言うことになりかねない。充電方法の差もある。バッテリ自体をUSB充電するものからAC電源から充電する物、内部に乾電池型充電池が入っていて、取り出して充電器で充電する物など様々だ。充電時間も製品間で差が大きい。それ以外に、本体に残量表示があるかといった違いもある。
 実は乾電池型充電池2本を入れるタイプのSANYO「eneloop stick booster」を持っているが、USB1ポートから500mAの出力しかできず、しかも90分しか出力しないので、従来型携帯電話をフル充電できるかできないかといった所がせいぜいだ。今回は、旅行などでもしっかり充電できるように、携帯電話+もう1機器くらいがフル充電できるくらいの容量がほしいところだ。そうなると乾電池型充電池を内蔵するタイプでは不可能なので、充電池を内蔵した製品となる。このほうが充電時間も短めというメリットもある。
 このことから、以下のような条件を出してみた。
●充電時間などを考え充電池内蔵式のタイプである事
●USB機器を同時に充電できるよう、2ポートある事
●1ポートからの出力は最低でも1A、できれば1.5A程度あること
●重量とサイズは、常時持ち歩いても苦にならないサイズであること
●出力時間は1ポート出力の場合で3時間以上あること
この条件から、いくつか候補を出してみた。それが以下の表である。

メーカー
Panasonic
SONY
バッファロー
型番
QE-PL201
CP-A2L
BSMPA04
店頭価格
3,810円
3,680円
3.440円
バッテリ容量
3.7V
5400mAh
3.6V
4000mAh
3.7V
5200mAh
充電回数
N/A
500回
500回
USBポート
2ポート
2ポート
2ポート
出力
1.5A(2ポート合計)
1.0A(2ポート合計)
1.6A(2ポート合計)
出力時間
(メーカー公称)
1端子出力:5.0時間
2端子出力:2.5時間
2端子出力:2.0時間
DC5V・500mA出力:6.7時間
DC5V・1A出力:3.3時間
残量表示
3段階
4段階
なし
充電方法
●ACアダプタ(付属)
●USBポート
●qi充電パッド(別売り)
●AC入力部をジョイント
●USBポート
入力
DC5V・1A
N/A
DC5V・500mA
充電時間
AC電源
7時間
5時間
13時間
USB
14時間
13時間
本体サイズ
63×70×24mm
AC入力部:58×56×21.5mm
USB出力部:58×84.5×26.4mm
42.4×100.7×23.9mm
本体重量
150g
AC入力部:45g
USB出力部:145g
140g
メーカー
Panasonic
SONY
バッファロー

 条件に合うもので、有名メーカの物はPanasonic「QE-PL201」、ソニー「CP-A2L」、バッファローの「BSMPA04」である。これを見ると、まず、ソニー「CP-A2L」の容量が少ないことがわかる。出力も2端子出力で2時間と、他の2機種より短めだ。出力は1ポートから1Aとギリギリ条件を満たすが、2ポート合計でも1Aなのは不安だ。充電するときは「AC入力部」をジョイントすることで、コンセントから充電でき、持ち出すときは本体(USB出力部)だけ持ち出せばよいと言うコンセプトだが、その割にUSB出力部だけでもそれほど軽量・コンパクトというわけではない。そしてUSB充電ができないので、旅行などでは「AC入力部」も一緒に持ち歩く必要があるなど、不便だ。ソニー「CP-A2L」はまず候補から外れる。Panasonicの「QE-PL201」とバッファローの「BSMPA04」は似ている部分がある。バッテリ容量もほぼ同等で、出力も2ポート合計で1.5Aと1.6Aと似ている。その割に出力可能時間がずいぶん違うのが気になるが、計測方法の違いによるものかもしれない。USB充電が可能でその際の充電時間も近い。形状はPanasonic「QE-PL201」よりバッファロー「BSMPA04」の方が細長いが、重量は近い。違いは、Panasonic「QE-PL201」は充電時に1A入力が可能なため、付属のACアダプタを使うと高速充電ができることと、残量表示があるかどうかだ。悩んだ結果、 USB充電では10時間以上かかる事からACアダプタからの高速充電ができるのは便利である事、そして今使っている SANYO「eneloop stick booster」では残量表示が無く苦労した経験から、残量表示のあるPanasonic「QE-PL201」を選んだ。ヨドバシカメラマルチメディア梅田で3,810円(10%ポイント還元)であった。

「QE-PL201」を使用する。

 それでは早速「QE-PL201」を使用してみるとしよう。箱から取り出した感想は、思ったより小さく、思ったより重い事だ。5400mAhという容量から想像していたよりも、かなり小さい。63×70×24mmという大きさで、カバンに入れて持ち歩いても邪魔にならなさそうだ。一方で大きさから想像するよりズッシリしている。中身のほとんどがバッテリなので当然と言えば当然だが、この大きさで150gである。バッテリは重い物だと改めて実感した。
 さて、本体だが、上から見ると正方形に近く、横から見ると半円と直線で構成された形状をしている。上面には一見すると電源ボタンだけがあるように見える。しかし、その左側に残量表示LEDが埋め込まれ、表面のプラスチックが透けて光るような印象となる。LEDは1つで3色に光るようになっている。右側面は「QE-PL201」に充電する際に使用する入力用USBポートと、ストラップ用の穴らしきものがある。一見穴が2つ開いているように見えてしまい、一瞬わかりにくい事と、この重さでストラップをつけるのかという疑問はある。 USBポートはmicroUSB形状となっており、スマートフォンなどの充電ケーブルがそのまま使えるようになっている。反対の左側面は機器への給電用の出力USBポートが2つ並んでいる。合わせて1.5Aまでなので、例えば1Aとスマートフォンと500mAのデジタルオーディオプレイヤーというような組み合わせは問題ないが、1Aの機器が2つだと充電できないか、遅くなってしまう。2ポートのUSBポートは非常に接近しているので、USBケーブルを2本つなぐのは問題ないだろうが、直接USBポートに挿し込んで充電するような機器の場合、もう1つのポートが使用できなくなる可能性がある。場合によってはUSB延長ケーブルが必要になるだろう。

「QE-PL201」を上から見たところである。電源ボタンがあるだけに見えるが、その左側に残量表示LEDが埋め込まれている。

「QE-PL201」の右側面である。「QE-PL201」の充電用のmicroUSBポートと、ストラップ用の穴がある。

「QE-PL201」の左側面である。機器への給電用のUSBポートが2ポート並んでいる。2ポート合計で1.5Aまで出力可能だ。

 付属品はmicroUSBケーブルと、ACアダプタである。USB充電の機器の場合よくあるパターンとしては、ACアダプタはアダプタ部分だけで、アダプタにUSBケーブルを挿せるようになっていて、USB充電とケーブルを兼用する場合が多いが、「QE-PL201」の場合は、ケーブルの先がmicroUSB形状になったACアダプタが付属している。USB端子の形状でありながら専用のACアダプタなのは珍しいところだ。ちなみに、付属のACアダプタを使用した場合の充電時間はカタログスペックで7時間となっている。これは1A入力が可能なためで、パソコンのUSBポートなどからでも充電は可能だが、USB2.0の場合500mAとなるため倍の14時間となっている。そのほか無接点充電パッドの「qi」に対応しているため、対応充電台を持っている場合は、上に乗せるだけで充電できる。その場合もACアダプタ使用時と同じく7時間で充電できる。

「QE-PL201」の付属品である。パソコン等のUSBポートからの充電とmicroUSBの機器への給電の両方に使用できるmicroUSBケーブルの他、ACアダプタが付属する。ケーブルの先がmicroUSB形状の変わったACアダプタだ。

 さて、それでは早速使用してみよう。充電したいそれぞれの機器にあったUSBケーブルを準備する。最近ではスマートフォンやモバイルルータだけでなく、従来型携帯電話でも専用ケーブルを用意すればUSB充電できるし、デジタルオーディオプレイヤーもUSB充電である。デジタルカメラやデジタルビデオカメラもUSB充電が可能な機種がある。これらをUSBケーブルで出力のUSBポートに接続する。あとは電源ボタンを押すと機器の充電が始まる。機器によっては手動でUSB充電を開始しないといけない場合もあるが、たいていはこれだけで充電できる。電源ボタンを押すと同時に残量表示LEDが点灯する。赤なら0〜40%、オレンジなら40〜70%、緑なら70〜100%で、残量が全くない場合は点灯しない。3段階だが残量がわかるため、どのくらい給電が可能かわかり、また充電が必要なほど残量が減っているかどうかも把握でき非常に便利だ。
 ちなみに機器が接続していない状態で電源ボタンを押しても残量表示LEDが点灯して、残量を確認できる。この場合は10分ほどたつと自動的にLEDは消灯する。ボタンは多少へ込んでいるため、カバンなどに入れていても勝手に押されることは少ないようになっている上、万が一機器をつないでいないのに電源ボタンが押されてしまっても、残量表示だけ行って自動的にLEDが消灯するので安心だ。USBポートから給電してしまい残量が勝手に減ってしまう事はない。また、充電先の機器が充電完了すると、自動的に給電がストップしLEDが消灯するようになっている(すべての機種で動作するかは不明)。
 逆に「QE-PL201」に充電する場合は、ACアダプタを接続しコンセントにつなぐか、USBケーブルを使用してパソコンなどのUSBポートに接続する。つなぐと自動的に充電となるため、特別操作は必要ない。充電が始まると、残量表示LEDが点灯する。赤なら0〜40%、オレンジなら40〜70%、緑なら70〜99%である。充電が完了するとLEDは消灯する。充電しているかどうかだけでなく、充電状態がわかるため、3色に色が変わるのは残り時間を予想しやすく非常に便利だ。やはり残量表示のある製品を選んで良かったと感じた。ただ、充電完了を表すのが「消灯」というのは少し不安がある。ケーブルを接続して点灯しない場合、充電が必要ないのか、正常の給電されていないのかわからない。少しでも使用した後や、しばらく放っておいた後で充電する場合は点灯しないのはおかしいので、給電されていないことがわかるが、それでも充電させておいて、しばらくして消灯した場合、本当に充電が完了したのか確信が持てない。給電するパソコンなどの電源を切ってしまい給電が止まったのかもしれないし、ACアダプタのケーブルが抜けかかっているのかもしれない。LEDが消灯したので満充電と思って持ち出したら全然充電されてなかったのでは悲しい。充電完了用に別の色のLEDというのは難しくても、例えば緑の点滅であるなど、何かしら「完了」を知らせてほしかったところだ。


「QE-PL201」残量表示LEDである。残量が70%以上で緑(左)、40〜70%でオレンジ(中央)、40%以下で赤(右)に光る。給電時、充電時共に残量が表示されるので便利だ。

「QE-PL201」で機器を充電する

 それでは実際の充電を行い、様々な機器で充電できるかどうか検証してみよう。我が家にはスマートフォンはないが、以下のような機器がある。

●従来型携帯電話 Softbank「004SH」と「932SH」
●モバイルルータ イー・モバイル「Pocket Wi-Fi GP01」
●デジタルオーディオプレイヤー ソニー「Walkman NW-A855」
●デジタルカメラ ソニー「DSC-HX30V」
●デジタルビデオカメラ ソニー「HDR-CX720V」」
●Androidタブレット 東芝「REGZA Tablet A570/36F」
●Bluetoothトランスミッター ロジテック「LBT-AT100C2」

 これらの機種で充電を行ったが、問題なく充電が行えた。特にデジタルカメラとデジタルビデオカメラは、モバイルバッテリからの充電は不安だったが、全く問題がなかった。また、いずれの機器も充電完了時に自動的に給電が止まっていた。さらに、シグマA・P・Oシステム販売のUSB扇風機「UMF02WH」と、エレコムのUSB接続LEDライト「LEC-USB1N01BK」も問題なく使用できた。さすがに1.5Aまで出力が可能なだけあって、対応機器は幅広そうだ。

「QE-PL201」の給電・充電時間を計る

 それでは、「QE-PL201」をフル充電すると、実際にどの程度機器の充電か可能かを検証してみた。充電にはSoftbankの携帯電話「004SH」、イーモバイルのモバイルルータ「Pocket Wi-Fi GP01」、ソニーのデジタルカメラ「DSC-HX30V」を順に充電していき、どの段階で充電できなくなるかを調べた。途中残量表示LEDもどの時点で色が変わるかも調べている。いずれの機器も、電源が入らない状態まで使い切った状態から充電している。


 まず、Softbankの携帯電話「004SH」の充電を行ったが、1時間51分53秒で充電が完了した。この間残量表示LEDは緑のままだった。続いてイーモバイルのモバイルルータ「Pocket Wi-Fi GP01」の充電を行うと、充電開始後25分14秒後に残量表示LEDがオレンジに変わった。そのまま充電を続け、2時間2分29秒で充電が完了した。続いてソニーのデジタルカメラ「DSC-HX30V」の充電を行うと21分24秒後に残量表示LEDが赤に変わった。残量が少なく最後まで充電できないかと思ったが、2時間35分44秒で充電が完了した。そこで、デジタルカメラ「DSC-HX30V」のバッテリを空のバッテリに交換し充電すると、53分48秒の時点で「QE-PL201」の残量が無くなり充電が止まった。この時点で「DSC-HX30V」の残り撮影可能時間の表示から、約38%まで充電できたようである。
 これを見ると、なんと携帯電話1台、モバイルルータ1台、デジタルカメラが1台と38%の充電ができたことになる。これだけ多くの製品に充電できるとなると、旅行などの際にも心強い。ちなみに、オレンジ色の時間が短いが、これはちょうどその間に充電していた機器が「Pocket Wi-Fi GP01」だったためと思われる。「Pocket Wi-Fi GP01」はバッテリ容量が1500mAhと、他の2つの機器よりバッテリ容量が大きいにもかかわらず、充電時間が変わらないことから、入力電流が大きいようだ。そのためバッテリの消費が早かったのだろう。
 ちなみに、すべての充電できたバッテリ容量を計算すると、3625mAhとなる。本来はバッテリは完全にはゼロにはなっていなかっただろうから、もう少し少ないと思われるが、雑に計算すればこういう事になる。「QE-PL201」のバッテリ容量が5400mAhで、充電に使用するとどうしてもロスが出ることから、この結果はなかなかといえるだろう。


 ちなみに、これまで使っていたSANYOの「eneloop stick booster」でもテストを行ってみた。「eneloop stick booster」の場合1900mAhの単三型充電池を2本入れて使用する。出力が500mAという事もあってか、携帯電話「004SH」以外では正常に充電できなかったため、携帯電話「004SH」のみでテストを行った。携帯電話「004SH」の充電は2時間24分06秒で完了した。「QE-PL201」を使う場合より時間がかかっているが、とりあえずフル充電が可能であった。続いて、もう一度携帯電話「004SH」を充電したところ、わずか4分36秒後に充電が停止した。4%充電できただけだった。「eneloop stick booster」では容量800mAhの携帯電話1台を充電するのがやっとという所だ。「QE-PL201」のすごさが分かる結果である。


 続いて、容量の大きな機器として、東芝のAndroidタブレット「REGZA Tablet AT570」も充電を行った。カタログではバッテリ容量は公表されていないが、3940mAhだという話がある。「REGZA Tablet AT570」に充電を行うと、付属のACアダプタが2A出力であることもあって、「QE-PL201」の1.5A出力がフルに生かされているのか、バッテリの残量表示がどんどん変わっていく。41分46秒後には残量表示がオレンジに、1時間22分10秒後には赤に、2時間15分43秒後には給電が停止した。「QE-PL201」はカタログ値で2ポート給電は2時間30分となっているので、これに近い結果となっている。このとき「REGZA Tablet AT570」は82%まで充電できていた。給電時間は短かったが、その割にはかなり充電できているという印象だ。タブレット端末をここまで充電できれば、予備バッテリとしても安心だろう。また出力が1.5Aと大きいためか、かなり高速に充電できたのもうれしいところだ。


 つづいては、単純にUSB接続のLEDライトを点灯し続けた時間を計測した。使用したのはELECOMの「LEC-USB1N01BK」である。1.3WのLEDを使用し、明るさは400luxと、USB給電のLEDライトとしてはかなり明るい方の製品だ。カタログのスペックでは消費電流は260mAとなっている。
 結果を見ると、4時間12分31秒で残量表示LEDがオレンジに、8時間5分42秒で赤になり、12時間36分41秒でライトが付かなくなった。思った以上に長時間使用することができた。これならば、夜間や停電時などの照明として十分に使用できる時間だ。「QE-PL201」と共にUSB接続のLEDライトも携帯しておくと何かと便利かもしれない。ちなみに筆者は、夏場に8cmファン内蔵のUSB扇風機を携帯し、うちわで扇ぐ代わりにこれで涼んでいたが、自分で仰がなくて良い分、非常に便利であった。機器への充電以外の使い方もいろいろとあるわけである。


 最後に充電時間を見てみよう。「QE-PL201」の残量表示LEDが付かなくなる(付いてもすぐに消え、機器への充電はできない)状態まで放電してからの充電時間である。付属のACアダプタの他に、パソコンのUSB2.0ポートとUSB3.0ポートに接続してテストしてみた。「Qi」対応の充電台は所持していないため、テストできていない。
 さて結果を見ると付属のACアダプタでは5時間32分21秒で充電が完了した。カタログには約7時間とあったため、実際よりかなり早く充電できたことになる。続いてUSB接続だが、どちらの場合もほとんど変わらず、USB2.0で12時間26分45秒、USB3.0で12時間24分39秒である。ほぼ誤差と言える範囲だ。カタログには14時間と書かれていたので、これよりは高速だが、付属のACアダプタと比べると倍以上の時間がかかっている事になる。非常に長い時間がかかることがわかる。そして驚きだったのがUSB2.0とUSB3.0で充電時間が変わらないことだ。付属のACアダプタの出力は1000mAである。USB2.0の出力は500mAなので、倍の時間がかかるのも納得と言える。ところがUSB3.0は900mAまで出力できるはずで、実際にこのUSB3.0ポートで消費電流が700mAを超える機器を使用できている。この数値通りなら、付属のACアダプタよりは遅くても、USB2.0よりはかなり短時間で充電できるはずだ。しかし、実際には同じだったことを考えると、入力電流は500mAと1000mAの2種類しか認識せず、1000mA未満の場合はすべて500mAでの充電になっているようだ。最近ではUSB3.0ポートを備えたパソコンも多いため、そこに接続することで少しでも充電時間を短くすると行った事ができないのは残念だ。ちなみに、USB出力付きの電源タップであるバッファロー「BSTA22AUBK」では、USBポートから1000mAの出力が可能であるが、こちらからの充電の場合、付属のACアダプタと変わらない時間で充電できた。



 今回はモバイルバッテリを購入したが、1回の充電で、予想以上に様々な機器へ給電が可能であった。これならば旅行などでバッテリが心配な場合でも、それぞれの機器のバッテリの予備を持つよりも便利である。また、充電後の自然放電も少ないように感じたため、常にカバンに入れておけば、急なバッテリ切れにも対応できて便利だ。重量は多少あるが、カバンに入れれば気にならないレベルだし、本体サイズも小さめだ。価格もそれほど高くないため、これまでバッテリ切れで困ったことがあるという人には、ぜひ1台持ってもらいたい製品だ。


(H.Intel)


■今回の関係メーカー・ショップ
Panasonic http://panasonic.jp/
Panasonicのモバイルバッテリのページ http://panasonic.jp/battery/m_charge/