第176回
USB3.0対応 32GB USBメモリ
サンディスク SanDiskExtreme SDCZ80-032G-G46
(2014年2月21日購入・2017年6月30日著)
ロードテスト第162回で、高速なUSBメモリを購入し、その早さに驚き、非常に便利に使ってきた。しかし、使っていると16GBでは微妙に足りない事が多くなってきたのだ。また、ロードテスト第173回で128GBのUSBメモリを購入しているが、こちらは価格を抑えるために書き込み速度が遅く、またそもそもSSD化したことによりストレージ容量が減ってしまったモバイルノートの容量を補うために購入したので流用はできない。そこで、32GBの高速なUSBメモリを購入することとした。
以前購入して気に入っているのは、サンディスクのSanDisk Extremeシリーズの「SDCZ80-016G-X46」である。サンディスク自体は日本ではUSBメモリを販売しておらず(この後に販売を開始した)、こちらは並行輸入品である。とはいえ、使用上問題は無く、逆に国内販売の製品があったとしても、こちらの方が安く手に入るというメリットもある。書き込みが最大55MB/sで、読み込みが最大190MB/sと高速で、ベンチマークテストでも読み込みはこの通りの速度を、書き込みに関してはやや上回る速度であった。またスライド式のコネクタを採用しているのだが、これが非常に良く作られており、品質の高さも気に入ったのである。そこで、今回は同じものの32GB版を購入しようと考えた。32GB版ではメモリチップにアクセスできるチャンネルが増えるため、書き込み速度が倍の110MB/sになるのも楽しみである。ところが、残念ながらこの製品製造が終了しており購入することはできないようだ。
そこで調べていると、よく似た製品が後継機種として販売されているのが分かった。「SDCZ80-032G-G46」である。同じSanDiskExtremeシリーズであり、外見上は同じように見え、価格的にも上がっていない。ただ、若干読み書き速度に違いがある。それが以下の通りである。
容量 |
SDCZ80-0xxG-X46 (xには容量が入る) |
SDCZ80-0xxG-G46 (xには容量が入る) |
読み込み速度 |
書き込み速度 |
読み込み速度 |
書き込み速度 |
16GB |
最大190MB/s |
最大55MB/s |
最大245MB/s |
最大50MB/s |
32GB |
最大190MB/s |
最大110MB/s |
最大245MB/s |
最大100MB/s |
64GB |
最大190MB/s |
最大170MB/s |
最大245MB/s |
最大190MB/s |
左が以前購入したシリーズ、右が後継機種として見つけた製品である。読み込み速度が190MB/sから245MB/sにさらに高速化されている一方、書き込み速度は16GB版で5MB/s、32GB版で10MB/s遅くなっている。読み込み速度の向上から考えれば書き込み速度の低下は少ないと言えるが、元々遅い書き込み速度の方が低下してしまったのは残念だ。だだし64GB版では書き込み速度も向上しており、何らかの改良が施されたようだ。しかし、こちらの方しか手には入らないのだし、これまでは16GB版で書き込み速度が55MB/sだったため、32GB版を買えば100MB/sには向上するわけで、問題ないとも言える。パソコンパーツショップなどでの取り扱いも多く、比較的手に入りやすいため、これを購入することとした。日本橋でんでんタウンを見て回り、最も安価だったBEST DO!日本橋店で3,770円で購入した。
それでは早速「SDCZ80-032G-G46」を見ていこう。パッケージはプラスチックの型で製品を挟み、紙の板で更に挟んだ形だ。「SDCZ80-016G-X46」が紙箱の中に入っていた事を考えると、やや安物のっぽくなったとも言えるが、製品に問題は無い。金色で「SanDisk Extreme USB3,0 Flashi Drive」の文字が化か焼いており、READが245MB/s、Writeが100MB/sという表記もある。書き込みが遅い製品には、書き込み速度を書かず読み込み速度だけをアピールしている製品も多いが、「SDCZ80-032G-G46」は書き込み速度も書かれており、こちらにも自信がある現れだ。
 |
パッケージはシンプルだが、メーカー名と製品名が金色で書かれており目立つ。また、読み込み速度だけで無く書き込み速度も書かれているのが、どちらも高速である事の表れだ。 |
製品自体は、「SDCZ80-016G-X46」と何ら違いが無く、裏の型番や容量表記を見ないと区別ができないほどだ。改めて説明すると、高速モデルとはいえそれほど大きいというわけではない。もちろんパソコンに差し込むと飛び出すのは数mmしかないような超小型USBメモリもあるが、一般的なUSBメモリと比べると全体的に1まわり大きい程度だ。持ち運びの面でも便利だが、この程度の大きさなら隣接するUSBポートと干渉しにくいという点でもうれしい点だ。幅21mm×長さ71mm×厚み11mmとなる。USB端子がスライド式なのは非常に便利だ。使用時にフタを外すよりも手早いし、フタをなくす心配も無い。USB端子は前面にあるスライドレーバーで出したり収納ができる。スライドレバーが大きい上に、軽くバネの力が加わるような感覚があるため、スライドは非常に軽くて心地よいのは、「SDCZ80-016G-X46」と変わりない。USBコネクタを出すときはスライドさせていくと、最後の方だけ勢いよく飛び出す様になっており、収納時もスライドさせていく最後にカチャッと勢いよく収納される独特の感覚がある。作りがしっかりしているのは、さすがに高性能な製品だけあると言えるだろう。
コネクタを出すと、コネクタ無いが青く塗られているのがUSB3.0対応である証である。とはいえ、USB3.0に対応していて高速である以外は、普通のUSBメモリと変わらないため、USB端子にさせば自動的にドライバが組み込まれて使えるようになる。速度は遅くなるがUSB2.0ポートでも使用できる。
 |
「SDCZ80-032G-G46」を上から見たところである。ブラックの本体と大きなスライドレバーが見える。大きさはUSBメモリの中ではやや大きい程度だ。 |
 |
「SDCZ80-032G-G46」を横から見たところである。低速な物と比べると厚みがあるが、問題になるほどではない。 |

 |
「SDCZ80-032G-G46」のUSB端子を出したところである。スライドレバーでUSB端子を出し入れできるため便利だ。 |
 |
「SDCZ80-032G-G46」(上)と、前モデルの「SDCZ80-016G-X46」(下)である。裏の型番シールを見ないと、違いは分からない。 |
「SDCZ80-032G-G46」の速度をテストする
|
それでは、肝心の転送速度ををベンチマークテストを利用して比較してみよう。今回購入したUSBメモリSanDisk Extreme「SDCZ80-032G-G46」の他に、同じくサンディスクのSanDisk Extreme「SDCZ80-016G-X46」、グリーンハウスのPicoDrive J3「GH-UFD3-128GJ」、さらにpqiの「TravelingDisk U230」もテストした。SanDisk Extreme「SDCZ80-016G-X46」は前述の様に、今回大容量の物を購入するきっかけになった製品で、1世代前の製品だ。容量が半分の16GBなので書き込み速度に差があるほか、新旧で公称値通り読み込み速度にも差があるのかが検証できる。PicoDrive J3「GH-UFD3-128GJ」はSSDに換装したことで容量が不足したモバイルノートパソコンの容量を補うために購入した物で、128GBと大容量ながら安価な製品だ。USB3.0には対応するものの、安価であるためそれほど高速では無く、どういった差が出るかを確認する。「TravelingDisk U230」はUSB2.0時代の購入したもので、当時としては安価な製品だった。容量も8GBと小さい。
使用したベンチマークテストは、CrystalDiskMark3.0で、テストデータ1000MB、テスト回数5回としてテストを実行した物をさらに3回行った平均値としている。いずれのテストも、マウスコンピュータの「MB-W800S-SH」(CPU:Core i7-4710MQ(2.50GHz・TuboBoost時3.50GHz・4コア8スレッド)/チップセット:Intel HM87 Express/メモリ:16GB/OS:Windows 10 Home)に接続している。「MB-W800S-SH」標準搭載のUSB3.0ポートに接続した。
|