Eついに登った・阿弥陀岳(あみだだけ 2805m)


赤岳山頂から見た阿弥陀岳(手前のピークは中岳)



行者小屋〜(中岳道)〜阿弥陀岳〜赤岳〜(地蔵尾根)〜行者小屋


(地図は赤岳鉱泉様より借用)
【プロローグ】
   
 八ケ岳の阿弥陀岳は、私にとって「何が何でも登らねばならない山」なのである。

 それはもう30年以上も前になるが、正月に阿弥陀と赤岳へ登る予定で出掛けて行き、文三郎道と中岳道の分岐が分からず、中岳道付近の急斜面をラッセルしながら登り詰めて稜線へ出たが、吹雪で視界が利かず立って歩くことも困難な程の強風にあおられ、阿弥陀岳を断念したことがあった。(その時の記録は→こちら

 その時の悔しさを晴らそうと、5年前のゴールデンウイークにテントを担いで出掛けて行ったが、またもや季節外れの降雪にあって登れなかった。(この時の記録は→こちら

 そんな訳でこの阿弥陀岳は、たとえ雪山とはいえ唯一青春時代に登りそこなった山であり、心残りの山なのである。出来ることなら冬山で再チャレンジしたいが、もうそんな元気はない。

 そこで雪のない時にのんびり歩くのも悪くはないだろうと、一泊二日で来くことにした。

2013年9月23日(月・祝)

美濃戸〜行者小屋〜(中岳道)〜阿弥陀岳〜中岳〜赤岳〜赤岳頂上小屋(泊)

自宅500−高尾IC−諏訪南IC−美濃戸−725赤岳山荘・駐車場740〜(柳川南沢)〜958行者小屋1015〜(中岳道)〜1125中岳ノコル1133〜1208阿弥陀岳(昼食)1235〜1306中岳ノコル〜1325中岳1336〜1405文三郎分岐〜1441赤岳〜1446赤岳頂上小屋(泊)

 朝5時に家を出た。高尾ICから圏央道に乗り八王子JCTまで行くと、何と雨が降っているではないか。「まいったなあ・・・」とグチが出た。
 こんな天気では再リベンジの阿弥陀岳へ登っても意味がない。途中で引き返そうかと思ったが、笹子トンネルを抜けると雨が止んだ。そして、甲府を過ぎると雲の合間から晴れ間が見えるようになって来た。これなら何とか登れそうだ。

 諏訪南ICで降り、美濃戸口を目指して行く。八ケ岳山荘からは細い林道を登って行き、赤岳山荘の駐車場へ車を止めた(1日1000円)。さすがは3連休だけあって満車状態だった。

 美濃戸山荘の前から南沢へ入って行く。

 歩き出してすぐに私の目の前を大きな動物が横切った。一瞬、熊かと思って飛びのいた。しかしそれは熊ではなく大きな鹿だった。鹿は人間を恐れる気配はなく、5、6m先で飛びのいた私をあざ笑っているようだった。
 それにしてもデカい鹿だ。まるで牛のようだ。

 ここは針葉樹林帯ということもあるが、Tシャツと薄手の長袖でちょうど良い。暑くもなく寒くもなく登山には最高の季節になった。
 しばらくすると木漏れ日を浴びた。心配した天気も大丈夫のようだ。

 真新しい木の橋を渡り、ロープで仕切られた登山道を登って行く。右手の沢から遠ざかり、グングン高度を上げて行く。岩や石がゴロゴロした道で、けして歩きやすいとは言えない。雪がある時はこんな道は歩かずに沢沿いを歩いたような気がするのだが・・・。

 続々と下山者とすれ違う。八ケ岳は日本百名山だけあってさすがに入山者が多い。40人ぐらいの団体さんまで下って来た。

 大きな岩の間に祠があった。何を祀っているのだろうか。ここで一本立てて行く。

 広い河原へ出ると横岳が見え、わずかに回り込むと大同心、小同心がそそり立って見えた。

 再び針葉樹林帯へ入り、河原へ出るとさらに展望が開け、横岳から赤岳天望荘、赤岳までバッチリ見えた。(写真は横岳)

 行者小屋の周りは大勢の人で賑わっていた。前回来たGWには考えられない賑わいだ。ここへ来るまでに会った下山者も100人以上だろう。

 空はカンパレだ。

 ここから見る阿弥陀岳は余り魅力を感じない。赤岳も逆光で岩肌が見えないのが残念だが、横岳がアルペン的で恰好いい。

 (写真左:横岳)
 (写真右:右が阿弥陀岳)
 いよいよ阿弥陀岳へ向かって行く。今日は時間がたっぷりあるのでのんびり行こう。
 12、3分で文三郎道と中岳道の分岐へ着いた。「あの時はこの分岐を見落としたのだろうか。それとも雪に埋もれていたのだろうか」と30数年も前のことを思い出しながら、しみじみと眺める。

 そしてあの時、道が分からずにガムシャラにラッセルしながら登り詰めた急斜面を、今、「これが中岳道なのか」と、ジグを切りながら一歩一歩噛み締めるように登って行った。

 針葉樹林を抜け出すと阿弥陀岳の頂部が見え、右手後方に横岳と硫黄岳がバッチリ見えた。
 ここはジグが切ってあるので余り急登とは感じないが、斜面はかなり急になって来た。ここは冬は雪崩の巣といわれるのも頷ける。

 左へ回り込むと左手に赤岳がドーンと見えた。ここから見ると涸沢から見上げる奥穂のようだ。

 ついにコルへ到着。素晴らしい展望だ。正面(南)には権現岳、左手(東)には赤岳、そして右手(西)には当然、阿弥陀岳がドーンと横たわっている。ここから見る阿弥陀岳は余りにも近すぎて高度感はないが、急な岩場や梯子が見える。



(中岳ノコル、左奥は赤岳)

(権現岳)

(そして、これから登る阿弥陀岳)

 いよいよ阿弥陀岳を登って行く。これから阿弥陀岳へ登るのだ!と思うだけで嬉しく、気合が入る。何しろ30数年越しの山頂なのだ。

 梯子を登り、岩場を登って行く。岩場にはガレも多く、石を落とさないように気を使う。
 振り向けばコルは真下になり、中岳の小さなピークの奥に堂々とした赤岳がそそり立って見える。

 連続した鎖場を登りながら、「ここは雪が着いたら登りたくない」と思った。若い頃ならガムシャラに登っただろうが・・・。


(2連梯子)

(岩場−1)

(岩場−2)

 鎖場を過ぎると一旦なだらかになり、テッペンに尖った岩峰が見えて来た。あれが阿弥陀岳の山頂のようだ。(写真左:中央のピーク)

 途中から右へ回り込んでガレ場を登って行く。(写真右)

 そして、山頂直下のちょっとした岩場を登ると標識が見て来た。

 12時8分、阿弥陀岳山頂へ到着。「ついにやったぞー!」と思わず叫んでしまった。まさに感無量だった。30数年前に吹雪の中で必死にラッセルした相棒のテルさんに、ここからの展望を見せてやりたいと思った。

 山頂には標識や石仏などが沢山あった。いかにも山岳信仰の山だと思った。


(阿弥陀如来像?、バックは赤岳)

(横岳と硫黄岳)

(権現岳と編笠山)