浅草岳 2/2

 前岳の分岐へ12時40分着。ここから上は雪渓が広がっていた。左手には草原状の山頂らしいピークが見えた。

 コースは雪渓を直登するようについており、そこを登って行くと二人が待っていてくれた。
 雪渓を過ぎると、「浅草」という山名の由来にふさわしい草原状となり、木道の周りにはイワカガミなどがいっぱい咲いていた。

 休憩所(木道の広い所)では弁当を広げている団体さんもいた。

 山頂近くまで来ると、上で手を振っている人がいた。何とMさんだった。やっぱり来ていたのだ。
 13時00分、ふらふらになって山頂へ座り込んだ。私が持っている地図では、駐車場から2時間10分となっているが、3時間もかかってやっと着いた。

 山頂からは、晴れていれば佐渡まで見えるらしいが、残念ながら守門岳も越後三山もピンボケだった。かろうじて眼下の田子倉ダムが見えた。

 Mさんも昼食前だというので、一緒に昼食にした。冷たいビールが最高だった。涙が出るほどうまかった。極楽極楽。

 隣で食事をしていた中年のご夫婦が、「ヒメサユリは1本もなかった」と言った。どのコースを登って来たのだろうか。私達が登って来たコースには沢山咲いていたことを伝えると、旦那が「あの急登を登って来たんですか・・・。」と言って、驚いたような呆れたような顔をした。

 そして、「あんな所は下りたくない」という顔をしていたが、奥さんはすでに下る覚悟をしているようだった。やはりここへ来たらヒメサユリを見ずには帰れまい。私もぜひ下ることをお勧めした。

 13時45分、下山。

(写真は前岳付近からのカヘヨノボッチ)

 カヘヨノポッチの登りにもヒメサユリが沢山咲いていた。蕾が多かったが開いているものもあった。こんなにあるのに気づかない人がいたとは驚いた。

 (写真はカヘヨノボッチから見た山頂)

 カヘヨノボッチからもコブシやドウダンツツジ、さらにはウツギなどの花木が多く、足元にはイワカガミが沢山咲いていた。

 イワカガミにはオオイワカガミとコイワカガミなどがあるらしいが、私にはその区別はつかない。

 ブナ林で、初めて「ギンリョウソウ」(写真左下)を見た。別名「幽霊草」ともいうそうだ。ネットでは何度か見ているが、この目で見たのは初めてだった。

 八海山大神へ15時55分着。鐘を鳴らして安全登山を祈願した。

(写真右は、桜ソネからネズモチの林道。雪庇を越える)

 桜ソネ登山口へ出て、駐車場へ戻りながら、我々だけ「抜け駆け」で浅草岳を登ってしまい、声を掛けなかった仲間に申し訳ないと思った。何と言い訳したらいいのだろう。せめて明日登る守門岳にもヒメサユリが咲いていることを願った。

 その願いが叶い、浅草岳よりもヒメサユリが多く、ニッコウキスゲまで咲いていた守門岳へどうぞ!

守門岳へ続く