富良野岳〜十勝岳〜美瑛岳〜美瑛富士・縦走・・・2日目(1/2)

2016年7月1日(金)

上ホロ避難小屋〜十勝岳〜美瑛岳〜美瑛富士〜美瑛富士避難小屋(泊)


(上ホロの下りから見た十勝岳)

上ホロ避難小屋450〜508大砲岩〜615十勝岳635〜955美瑛岳分岐〜1021美瑛岳(昼食)1040〜1052美瑛岳分岐1055〜1140美瑛富士分岐1150〜1223美瑛富士1235〜1256美瑛富士分岐1303〜1350美瑛富士避難小屋

 朝3時起床。北海道はもう薄明るい。

 4時10分に外へ出てみると、上ホロの山頂が昇ったばかりの朝日に照らされてオレンジ色に輝いていた。今日も良い天気だ!

 
 朝日に輝く上ホロ。

 4時50分小屋を出発。
 稜線へ出ると十勝岳の右手から眩しい朝日を浴びた。朝のひんやりした大気が清々しい。

     
 20分ほど歩くと大砲岩らしいモノがあった。前に登った時はガスで見えなかったが、砲台に見えなくもない。一番奥の岩はスフィンクスに似ているではないか!

 ここからガレをわずかに下ると、また歩きやすくなった。
 振り向けば、上ホロから富良野岳までズラリと並んで見えた。昨日、アップアップしながら歩いて来た道だ。


(手前から上ホロ、上富良野、三峰山、富良野岳)

 今日は荷物が少し軽くなった分、楽に感じる。水も酒もビールも半分になった。

 いよいよ十勝岳の登りにかかる。富士山のような岩礫の山。ロープに導かれながら、ジグがほとんどない真っ直ぐの道を登って行く。
 そして、6時15分、久し振りに十勝岳の山頂へ立った。誰もいない、たった一人の山頂。

 前に来た時はガスで何も見えなかったが、今日は素晴らしい展望だ。わずかに朝もやが掛かっているが、目指す美瑛岳の奥にオプタテシケ(日本300名山)、その奥にトムラウシが見え、その左手には大雪山が見える。あの時一緒に登ったSさんにこの展望を見せてやりたいと思った。


(正面に美瑛岳、ピョコンと見えるのがオプタテシケ、その後方がトムラウシ)

 早く美瑛岳へ行こう。
 山頂を後に美瑛岳へ行こうとしたが道が分からず、ウロウロしている時、望岳台から一人の青年が登って来た。お互いに大きな声で挨拶を交わす。ここは大きな岩ばかりなので道が分かりにくかった。

 山頂部の岩場を下るとガレになった。火山独特の岩礫と砂礫。まるで砂漠のような道をテクテクと歩いて行く。振り向けば山頂で先ほどの青年が手を振っていた。
 ボッテリした平ケ岳へ登ると、正面にギザギザした尾根が見えた。「何だ!あれは!」と思わず声を張り上げた。あのギザギザした山が鋸岳だろうが、あんな尾根を下らされてはたまらない。

 しかし、縦走路は右の雪渓をトラバース。鋸岳を巻いて行くことが分かりヤレヤレ。
 雪渓の手前で小休止。


 雪渓を慎重にトラバース。そして夏道を10mほど行くと、一気の下りになった。富士山の宝永火口のような砂礫の下り。足を出す度に、ズズーと滑ってしまう。

 美瑛岳は左(最高点)側から登ると思っていたが、実際は右側から登るようだ。


 鋸岳を巻いて美瑛岳近くのピークまで来た時、やっと植物が現れて来た。今まで砂漠のような殺風景だったので、ホッとするものがあった。

 そして、やっと高山植物がお出迎え。昨日、富良野岳で見ることが出来なかったメアカンキンバイやミネズオウ、キバナシャクナゲがいたる所に咲いている。それにコメバツガザクラがあり、エゾノツガザクラもあった。紅白のツガザクラのコラボが良い。


(メアカンキンバイ)

(コメバツガザクラ)

(エゾノツガザクラ)

 美瑛岳の前鋭鋒のようなピークを巻くと、美瑛岳が凄い迫力で迫って来た(写真左)。

 そして、ついに美瑛富士も姿を出した(写真右)。一番心配な美瑛富士避難小屋へ行く道もハッキリと見える。実は小屋へ行く途中にある、あの雪渓トラバースが今回一番厄介なのだ!

 鞍部からドンドン下って行く。「?」何で山頂へ行くのにこんなに下るのだろうと、心配になった時、「美瑛岳分岐」の標識があった。
 ここへ大きな荷物を置いて、サブザックに弁当と水だけを入れて山頂を目指して登って行く。

 そして5、6分も登った時、十勝岳との分岐があった。「何に!騙された〜!」。さっき稜線に登る道があったが、標識は無く、「×」のペンキマークがあったので下ってしまったのだ。

 ついに憧れの美瑛岳へ立った。山頂には3人の先客がいた。

 しかし、到着早々ガスが流れ出し、眼の前にある美瑛富士が見えない。昼食を摂りながらガスが切れるのを待つことにした。

 近くにいた先客に、明日の天気予報を尋ねると、「明日は雨で、今日の午後からヤバイですよ!」と言われ、しばし思案にくれる。
 予定では、今日はこのまま美瑛富士避難小屋へ行って泊まり、明日、美瑛富士へ登って望岳台へ下るつもりなのだが・・・。

 雨の中を美瑛富士へ登るのもシンドイ。このまま避難小屋へ行くには時間が早い。「よし!これから美瑛富士を登ってしまおう!」