美瑛岳分岐を目指して下って行くと、サーとガスが切れ、再び美瑛富士が姿を見せた。
(再び姿を見せた美瑛富士。右奥はオプタテシケ) |
(美瑛富士分岐が近くなって来た) |
美瑛岳分岐から、今度は美瑛富士分岐を目指して下って行く。大きな岩や石がゴロゴロした道で、本当に下りにくい。
美瑛岳と美瑛富士の鞍部にある分岐へ到着。ここへ重い荷物を置いて、アタックザックで美瑛富士を登って行く。ここは美瑛岳よりもはるかに歩きやすい。 ここは何と高山植物が多いことか。ミネズオウやイワウメ、キバナシャクナゲが一面に咲き、まるで栽培している畑のようだ。 |
(ミネズオウ) |
(イワウメとキバナシャクナゲ) |
(エゾノツガザクラ) |
そんな花々を愛でながら登って行くと、突然、右手から登山者が現れて驚いた。ご夫婦のようだった。
旦那さんが、「コマクサが咲き出していましたよ」と言い、「雪渓を登って来れば近いと思ってねぇ・・」と言った。
私は、とっさに”雪渓を登って来たということは、避難小屋泊まりだろう”と思った。そして、あの”魔の雪渓を登って来た”ということは、きっと雪に慣れた道内の方に違いない、と思った。
3人同時に美瑛富士の山頂へ立った。私は、「これで全部登ったぞ〜!」と雄叫びを上げた。
ここから見るオプタテシケ山がいい。計画段階ではオプタテまで行くことも考えたが、体力のない身を考え諦めた。
(美瑛富士山頂からのオプタテシケ山) |
(美瑛富士山頂からの美瑛岳) |
ここは広い山頂部の一角だが、良く見れば奥のピークの方が少し高いようだ。ご夫婦は奥のピークへ向かって行ったが、私はもうここで充分だ。
これから向かう避難小屋を眼下に眺め、小屋の上に小さな雪渓があるのを見て、”あの雪渓でビールが冷やせる”と思った。
早く小屋へ行ってビールを飲もう! 分岐へ戻り、「トムラウシ」方面へ向かって行く。すると、道の両側がキバナシャクナゲだらけになって来た。 |
そして、ついに現れた「雪渓トラバース」。 ここはネットによれば、「急斜面のトラバースで、終わった後のルーハイが難しい」とのこと。 そのためアイゼンを持って来たが、アイゼンを着けるほどでもない。 踏み跡を辿って行くと、途中で踏み跡が消え、真っ直ぐ尻セードで下った跡があった。美瑛岳から見た時は、”真横にトラバースすれば良い”と思ったが、そうではないようだ。 今度は尻セードの跡を頼りに真っ直ぐ下って行く。重い荷物を背負って急斜面の雪渓を真っ直ぐ下るのがどれほど大変なことか。 |
私がビグビグしながら下っている時、先ほどのご夫婦が来て、「これは尻セードではなく、間違えて滑り落ちた跡ですよ!」と言って先に行ってくれた。
しかし、対岸に夏道がない。今度は雪渓を登って3人で夏道を探す。
あった。小さなピンクテープを見つけてホッとした。私一人だったら、かなり難儀したことだろう。ご夫婦に感謝!
美瑛富士避難小屋には、このご夫婦を含めて4人の先客がいた。 私は、早速、荷物を置いて、小屋の前の細い流れでビールを冷やす。この流れは上部の小さい雪渓がなくなれば消えてしまうだろう。 |
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天気が崩れる気配は全くない。 石がゴロゴロした石垣山を仰ぎながら、冷えたビールで乾杯! |
ここでナキウサギの声を初めて聞いた。
4時を過ぎてから女性3人のパーティーと単独の青年がやって来た。これで今宵の宿泊者は計9人となった。
明日は天気が怪しそうなので、白金温泉へ下ることにする。
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