白 山 2/2

8月5日(土)

室堂400〜440御前峰〜お池巡りコース〜625室堂〜(観光新道)〜別当出合−金沢−福井−勝原(泊)

 3時起床。外へ出てみると満天の星だった。廊下で湯を沸かしパンとコーヒーで朝食。4時に小屋を出た。
 外は真っ暗だったが、登山者のヘッドランプの明かりが山頂まで続き、いかにも幻想的だった。私もヘッドランプを点けて登って行った。

 途中で神社の太鼓の音が聞こえて来た。ここはご来光の1時間前に太鼓が打たれるらしい。しばらくすると、ゲタを履いた神主さんが猛スピードで登って来た。アッという間に追い越されてしまった。

 山頂へ4時40分着。頭上には一片の雲もなかったが、肝心な東の空にわずに雲があった。すでに朝焼けで一部明るくなっているが、これではご来光は期待できそうもない。遠くに槍や穂高が見えた。

 神主さんがご来光までの時間を利用して白山について説法した。そして、ご来光は見られなかったが、ご来光の時間に合わせて神主さんの音頭で万歳三唱をした。山へ登って神主さんの説法を聞いたり、万歳三唱をしたのは初めてだった。さすがは白山だと思った。

(山頂からの展望−1)

(室堂と別山)

(山頂からの展望−2)

(右:剣ケ峰、左:大汝峰)

 下りはお池巡りコースを廻った。予定では大汝峰を登るつもりでいたが、昨夜、同部屋だった人が、山頂からお池巡りをするのに2時間もかかったというので、時間がないので諦めた。
 しかし、剣ケ峰を正面に見ながら下って行くと、すでに数人のパーティーが登っているのが見えた。「せめて1時間余裕があれば登れたんだがなあ・・・」とボヤキが出た。


剣ケ峰

御前峰(左)を振り返る

ハクサンコザクラ

 お池巡りコースでは、池の近くにイワギキョウやリンドウなどが多かったが、小屋近くまで来るとハクサンコザクラの群落があった。私は初めてハクサンコザクラを見て感激した。シナノキンバイやハクサンイチゲなども群落をなして咲いていた。

 室堂へ6時25分着。山頂からゆっくり写真を撮りながら下っても1時間ほどだった。昨日、同部屋の人から2時間かかったと聞かされたので剣ケ峰を登るのを諦めたが、こんなに早く着くなら登って来れば良かったと悔しがった。

 室堂からの下りは「観光新道」を下った。黒ボコ岩から右へ曲がって尾根沿いに行くと、高山植物のオンパレードになった。ハクサンフウロやニッコウキスゲ、タカネナデシコ、シモツケソウなどが咲き誇り、まさにお花のジュウタンだった。こんなに花が多いのは初めてだった。花の種類も数も多かった。

 さらに下って行くと、マツムシソウやハクサンコザクラ、タカネシオガマ、ハクサンシャジンなどが群落をなしていた。私はマツムシソウを初めて見て嬉しかった。


ハクサンシャジン

ヤマハハコ

ハクサンフウロ

逆光で見えにくいですがお花畑です

タテヤマウツボグサ

ダイモンジソウ


(マツムシソウ)

 山頂で神主さんが、「今年は雪解けが遅く、7月に咲く花と8月に咲く花が一緒に咲いた」と言っていたが、本当にラッキーだと思った。

 花の写真を撮っていると前へ進まない。見渡す限り花、花、花。尾根の南斜面がすべてお花畑だった。まるでどこかの園芸店がヘリコプターで花の種を蒔いて栽培しているのではないかと思うほどだった。

 花が多いといわれる早池峰や伊吹山も比べものにならないと思った。花の見頃は一週間違うだけで大きく変わってしまうので、一度見ただけで決める訳にはいかないが、少なくても私が見た限りでは日本一だと思った。

 別当出合へ11時前に着いた。予定していたバスより一本早いのに乗れた。金沢から今度は荒島岳を登るため、福井へ出て、勝原(かどはら)へ向かった。

荒島岳へ続く