毛無岩−2/2

 巻道分岐へ9時29分着。展望岩から15分の所を44分も掛かってしまった。展望岩は最初にあった大きな岩ではなかったのかも知れない。

 ここの標識は倒れているが、かろうじて標識と分かる。ここでも一服。
 ここから毛無岩を巻いて、相沢越へ向かって行く。グングン下らされて損しているようだ。しかし、道は歩きやすい。
  
 しばらくすると、天から続く滑り台のようなルンゼがあった。クライマーはここから取り付くようだ。

 歩きやすかった道もここまで。ここからは道が荒れて来た。

 下りが終わって登りになると、丸太の階段があった。その階段を登り、大きな岩を巻き、急登を登って、やっと相沢越分岐へ着いた。


 標識には、「荒船山、黒滝山」とあるが、毛無岩がない。後ろへ回ってみると毛無岩(上級者コース)と書いてあった。

 ここから見るイデミのアカヤシオが綺麗だった。山がピンクに染まっていた。

 我々は、毛無岩の「上級者コース」を進んで行く。

 アカヤシオが綺麗になって来た。アカヤシオのトンネルを潜って行く。


 2つ目のピークへ立つと正面に待望の毛無岩が見えた。「ヤッター!」と思わず歓声を上げた。(10時58分着)


 ここでランチタイムにしよう。毛無岩とアカヤシオを見ながらの昼食なんて最高だ!
 食後はゆっくりとコーヒータイム。

 さて、ここからが最難関だ。注意して行こう。岩場を下って行くとアカヤシオの群落になった。

 毛無岩のヤセ尾根の登りは、思っていたより楽だった。木や根っこに掴まりながら登って行くと、あっけなく山頂へ着いた。そこには「1290m」の標識があり、奥に本当の山頂があった。

 そこから、なだらかに登った所が本当の山頂で、1300mである。
 絶壁を見下ろすと、目がくらむようだった。
 展望も抜群で、立岩や荒船、妙義はもとより、西上州の山々が見えた。


(あれが山頂)

(荒船山方面)

(立岩)

 さて、ぼちぼち下ることにしよう。
 山は登りよりも下る方が怖いが、ここはまさにその通り。足元がガレ、いやザレているので岩や木、根っこに掴まりながら、なりふり構わず必死で下って行く。

 やっと「黒滝分岐」(毛無岩東のコル)へ降り立ってホッとした。ここは雨の日や雪がある時は絶対に下りたくないと思った。

 ここからは、標識の「荒船山」方面へ、右へ戻るように下って行く。道幅が広くルンルンの下りだ。
 次第に落ち葉が多くなり、フカフカの道になった。

 倒れた標識がある、「巻道分岐」へ13時3分着。ここからは今朝来た道を下るだけなので、もう安全圏だろう。

 赤松の休み場までもガレで、シンドイ下りだったが、ここからは、さらにザレの急坂で苦戦する。やっと杉林に入って安堵した。

 赤い橋まで来ると、また犬に吠えられた。神社の脇で畑仕事をしている老夫婦と犬がいた。

 結局、今日は登山者には一人も会わず、会ったのは、登る時に吠えられた犬とオバさん、そして畑仕事をしていた老夫婦と犬だけだった。

 老夫婦に、この集落は「どうじょう」か「どうば」かを尋ねてみると、「どうじょうですよ・・」と言い、さらに、
「昔、ここに修験者の道場でもあったんですか、と訊かれることがあるんですよ。でも、そんな昔のことは分からんけどねぇ・・!」
 とのことだった。
昨日登った天狗岩〜シラケ山〜烏帽子岳もどうぞ!