『ヒメサユリ紀行 浅草岳・守門岳』   
守門岳 2/2

 存分に展望を楽しみ、守門岳を正面に見ながら下って行くと、今度はヒメサユリの群落になった。今まではポツン、ポツンという感じだったが、ここからはまさに群落をなしていた。
 中にはアズキ色をしたヒメサユリもあった。さらにニッコウキスケまで咲いていた。ピンクと黄色のコントラストが見事だ。

〔写真を拡大してご覧下さい〕

 とにかくすばらしいお花畑である。皆んな思い思いに花を観賞したり匂いを嗅いだり、写真を撮ったりしている。こんな所を急いで歩くのはアホというものだ。とにかくのんびり楽しみながら行こう。
 たっぷり花を愛でて皆んな満足そうだ。花紀行はこうでなくてはいけない。私も大満足だった。

 大岳と青雲岳の鞍部(網張という)に雪渓があった。そこでも「カキ氷タイム」と称して大休止。雪渓の小さな割れ目に手を突っ込んで、きれいな雪を取り出してパクつく。これがまた最高! このクソ暑い時のカキ氷はたまらない。顔や頭にも塗りつけた。

 この雪渓は、栃尾市のHPによると『大岳と袴岳の間、数百メートルにわたる大雪庇は東洋一といわれています』と書いてある。つまり、我々は東洋一の大雪庇(せっぴ)を食ったことになる。


 ここからの登りは、今までの遅れを少しでも挽回すべくピッチを上げた。二口との分岐を9時43分に通過。ここからは登山者も多くなってきた。花は網張からはほとんど無かった。シラネアオイが少し咲いている程度だった。

(写真右は青雲岳の登りから返り見た大岳)


 草原になった青雲岳へ10時10分ごろ着いた。団体さんが休んでいた。
(写真左は青雲岳。バックは袴岳)

 ここで小休止をした後、水筒やカメラなど最小限の荷物だけを持って最高峰である袴岳へと向かった。
 袴岳の狭い山頂には、溢れるほどの登山者がいた。今日は守門岳の「山開き」だそうで、大半がその関係者らしかった。写真を撮るのも順番待ち。やっと山頂の写真が撮れてヤレヤレである。

(山開きで賑わう守門岳の山頂)

 青雲岳へ戻って昼食にした。缶ビールが最高にうまかった。山開きの関係者もゾクゾクと集まって来た。

 下りはD子さんが先頭に立ち気合を入れた。「気合だ!気合だ!気合だ!・・」と5連発。周りの人が微笑んでいた。

 二口への下りは、灼熱の世界だった。とにかく暑くてたまらない。登山道はパサパサ。登山靴はもう埃だらけ。拭っても拭っても噴出す汗。山は最高だったがこの暑さだけは勘弁だ。

 脱水症状や熱射病にならないように、20分ごとに休憩を入れ、やっとブナ林に入った所で大休止。日陰に入ると生き返る思いだった。ここで体温を正常に戻してから出発。D子さんの気合5連発に、近くで休んでいた人から「元気ですねぇ・・!」と声を掛けられたが、もうカラ元気でしかない。

 やっとの思いで「護人清水」へ着いた。冷たい湧き水で、とにかくうまかった。大きなヒシャクで3杯も飲んでしまった。まさに命の水だった。600mlぐらい飲んだ後に、頭から水を被り、やっと生き返ったような気がした。この有難い命の水を、今回のお土産としてペットボトルに入れた。

 帰りは昨夜泊まった「守門温泉」で汗を流してから帰路についた。

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