大町市の宿550−558信濃大町615−655扇沢−〈立山黒部アルペンルート〉−925室堂935〜1016雷鳥荘〜1037奥大日岳との分岐〜1232剣御前小屋1257〜1410剣山荘 |
今年の夏山の最大のイベントは、剣岳を登り、仙人池から裏剣を眺め、欅(けやき)平までの縦走である。特に長年の夢だったのは、
@仙人池から裏剣を見てみたい。
A水平歩道を歩いてみたい。
Bトロッコ電車に乗ってみたい。
というものだった。
実際は、天気の都合で剣岳のピストンを断念したが、剣岳は若い頃に2回登っているので諦めもつく。念願だった仙人池では、登った翌朝が快晴で、豪快な裏剣の景観に感激!
また、、昨年(2007)開通したという「雲切(くもきり)新道」を通って阿曽原温泉で露天風呂に浸かり、絶壁をくり抜いた「水平歩道」を歩き、 欅平から宇奈月温泉までトロッコ電車に乗ることも出来た。まさに長年の夢が叶った山行だった。
当初は夜行バスで富山から室堂へ入るつもりでいたが、乗車券が購入できず、やむなく昨日(30日)、信濃大町に宿をとった。
その宿を5時50分に出発。信濃大町駅の扇沢行きバス停には、すでに10人ほどが並んでいた。
空は雲が多いが、所々に青空も見える。このまま今日1日何とか持ってほしいと願う。
扇沢へ近づくにつれ、青空が一層広がって来た。今日は絶好の登山日和になるかも知れない、と期待が膨らむ。関東や西日本では3日前から猛烈な雨が降っているが、日本海に近いこの辺は余り影響がないようだ。
扇沢に張り出された天気予報では、「室堂は晴れ、気温11度」となっていた。11度ではちょっと寒いかも知れない。
黒部ダムへ着くと、夏空が広がっていた。黒部ダムはこれで5回目になるが、こんないい天気があっただろうか。
(黒部ダム) |
(黒部ダムからの赤牛岳) |
(黒部平からの針ノ木岳(右側)、左側はスバリ岳・・・【拡大可】 |
(黒部平からの立山・富士ノ折立。右側手前はロープウェイ駅の屋根。)・・・【拡大可】 |
剣岳と大日三山の間から、遠くに見えるのは毛勝(けかち)三山に違いない。あの山も2、3年の間に登ってしまいたい。
奥大日岳 | 剣岳(右奥)と毛勝三山(中央やや左奥) →剣岳ズーム | 立山 |
道端にオヤマノリンドウが咲いていた。山はもう秋の装いである。
雷鳥荘の前に立つと、これから登る「雷鳥坂」の急斜面が迫って来た。こんな急登が本当に登れるのだろうか。
ここから見る奥大日岳が、ピラミダルな山容で格好いい。「う〜ん、これなら登ってもいいかな〜?!」
キャンプ場まで下り、さらに沢に架かった木の橋を渡って沢沿いに歩いて行くと、すぐに奥大日岳との分岐があった。10時37分。
ここから少し登って行くと、暑くてたまらず薄手の長袖シャツを脱いだ。ついでに1本立てていると、近くにクルマユリが咲いていた。花はもう諦めていたので感激!
ピラミダルな奥大日岳 | クルマユリ | 雷鳥坂(中央の尾根) |
身軽な格好をした団体さんが下って来た。剣岳を登って来たにしては早過ぎると思ったが、聞けば立山を周って来たという。昨日は土砂降りの雨だったという。
いつの間にかガスが流れ出した。
剣御前小屋へバテバテで到着。12時32分。ガスは到着と同時に切れ出した。
ほぼ同時に到着した、埼玉の消防署員という若いKさんと、もう一人の御仁の3人で剣岳が見える場所で休憩。剣岳の山頂はガスって見えない。
私は宿で作ってくれたオニギリを頬ばる。
彼らはテント泊だというので、「明日、剣岳のどこかで会いましょう」と言って別れ、私はキャンプ場を通らず直接、剣山(けんざん)荘へ行く道を下った。
(剣岳と剣山荘) |
(別山と剣沢小屋、手前の小屋は新築中) |
剣山荘は予想通り空いていた。私は小屋が混雑する夏山シーズンと紅葉の季節を外し、あえてこんな中途半端な時期を選んで来たのである。多分、定員の半分ぐらいだろう。
夕方の天気予報で、明日は晴れるが明後日から崩れるというので、しばし思案にくれた。すでに明日は剣岳アタックに必要な荷物をアタックザックに入れ、準備万端整っているが、明後日の剣沢雪渓を下る時に雨では不安だ。それよりも、今回最大の目的である仙人池から裏剣の雄姿が見られなければ来た意味がない。
剣岳は30数年前とはいえ2回登っている。剣を諦めて仙人池へ行くべきか・・・・?
結局は剣岳の登頂を諦め、明日は仙人池ヒュッテへ向かうことにした。