西鎌尾根〜槍ヶ岳〜飛騨沢・・2/4

 1日目:自宅ー新穂高温泉〜わさび平小屋
 2日目:わさび平小屋〜双六小屋
 3日目:双六小屋〜槍ケ岳山荘
 4日目:槍ケ岳山荘〜槍・往復〜(飛騨沢)〜新穂高温泉


2日目:2023年8月22日(火)

わさび平小屋〜鏡平〜双六小屋(泊)

わさび平小屋505〜645秩父沢〜845シシウドケ原〜945クマの踊り場〜1027鏡池〜1034鏡平山荘(昼食)1100〜1250弓折分岐1300〜1400くろゆりベンチ〜1601双六小屋

 4時半からの朝食を頂き、Aさんから4、5分遅れて5時5分に出発。

 今日もいい天気だ。今日は双六小屋まで標高差1200m登ることになる。

 30分ほど歩いて薄手の長袖シャツを脱いだ。Tシャツ一枚になると朝の大気がさわやかで心地よい。

 気が付けば右手後方に、奥穂から西穂の稜線がシルエットになって見えるではないか。
 最初に目を惹くのはやはりジャンダルムとロバノ耳、そして天狗岩だろう。



 やがて樹木の間から待望の大槍、小槍が姿を見せた。バンザ〜イ!
 しかし、まだまだ遠く、迫力がない。


 秩父沢を越え、急登を登って行くと、背後に朝日に映えた焼岳と乗鞍岳が見えた。
(左:秩父沢。右:手前が焼岳、奥が乗鞍岳)

 さらに西穂の岩稜が迫力を増して来た。たまらず写真を何枚も撮った。あのジャンダルムをSさんに見せてやりたいと思った。


 シシウドケ原にはベンチがあり3,4人が休んでいた。座る場所はあったが、ガンガン照りで暑いので素通り。少し先の樹林帯で休憩。日陰で風が心地よい。

 ここから右手の尾根へ回り込むように入って行く。


 私の前を歩いていた単独のご婦人が登山道から離れ、左手の涸沢を登って行くではないか。張ったロープがたるんでいたのを跨いで行ったようだ。
 私は大きな声でオバさんにコースが違うことを知らせる。

 もうすぐ鏡池へ着くだろうと思っていると、突然、平坦になり木道が現れ、「クマの踊り場」という標識があった。
「熊の踊り場」とはブッソウな名前だ。ここで熊が踊るということだろうか?

 いずれにしても鏡池までは先が長いようだ。

 その鏡池へやっと着いた。槍穂連峰が素晴らしい! バンザ〜イ! 槍にちょっと雲がかかっているのが残念だが、写真を何枚も撮った。


(左端が槍ケ岳)

 鏡平山荘まで行くと、Aさんが待っていてくれた。

 ここで昼食にしたが、食がなく小屋で作って貰った弁当はほとんど食べられなかった。

 小屋から10分も歩いた時、槍が雲から顔を出した。西鎌尾根も迫力を増してきた。

 弓折分岐までコースタイムの倍もかかって着いた。しかし、もうここからは急登はないだろう。

 私は花の写真を撮りながら歩いて行く。


 クロユリベンチで休んでいると、後から来た単独の青年が、
「そこにクロユリが咲いてましたよ・・!」という。見に行こうと思ったが10分位戻った所だというので諦めた。

 そもそもクロユリベンチというほどだから、クロユリが咲いているに違いないと思い探したが、見つからなかった。

 この青年の「クロユリが咲いていた」という一言が、これからの2日間惑わされることになる。つまりクロユリを探しながら歩いていたのだが、結局見つけることは出来なかった。
 そもそもクロユリは初夏に咲き、もう終わっているのではないか?

 正面にドドーンと鷲羽わしば岳(百名山)が見えて来た。その手前に今宵の宿、双六小屋が見る。
 小屋の手前にあるテント場は、あふれるほどテントが張ってあった。そのテントを見送ってやっと双六小屋へ到着。やっと着いた。

 早速、生ビールで乾杯。明日への鋭気を養う。