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朝、3時半起床。外へ出て見ると満天の星だった。そして、目の前に槍ケ岳が、まるで真っ黒い怪獣の様にそそり立っていた。
よく見ると、その怪獣に点々とヘッドライトの明かりが見える。もう登っている人がいるようだ。
4時になるのを待ってAさんを起こし、談話室で軽く食事を済ませ、4時45分に出発。
小屋の情報によると、 「穂先へ行く方は往復2時間位の渋滞があります」 とのことだったが、今は小屋の朝食の時間なので空いている。後ろからあおられることもなく、スイスイ(?)登って行った。 |
その行列に並んでいる時、朝日が昇る。何とラッキーなことか。槍の穂先でご来光が見られるなんて最高だ。 |
(穂高方面) |
(西鎌尾根) |
(槍山頂NOW) |
15分ほど待って祠の前で記念写真を撮り、サテ下ろうとした時、ブロッケン現象が現れた。
ご来光といいブロッケン現象といい、本当にラッキーだった。 |
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小屋へ戻り、ゆっくりとコーヒータイム。 天気が良い時に槍の穂先へ立てて本当に嬉しい。感無量である。 さて、飛騨沢を下ろう。 「槍よありがとう!」と感謝の意を表し、別れを告げる。 |
テント場を下っている時、大分県から来たという高校生達と会った。アルプスは初めてで、昨日は西鎌を登って来たという。
私は彼らに、
「槍を登ったら次は穂高と劔を登って下さい!」と言っておいた。アルプスの3大サミットだからである。
もし、彼らが九州の山ばかり歩いていたとしたら、初めて西鎌から見たあの「地獄の針の山」に圧倒され、震えるほどの感激と感動を覚えたに違いない。
飛騨乗越から一気に下って行く。ここを下るのは初めてて、今回の目的の一つでもあった。 ここは急斜面でありながらお花が多い。写真を撮りながら下って行った。 |
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穂高平小屋でかき氷を食べ、女将さんから近道を教えてもらう。 この先、林道経由と近道があるが、標識がないので分かりづらい。 小屋の左手にあるトイレの脇(左側)に、ロープが張ってあり、踏み跡がある。ただし、歩きにくい登山道である。 登りの場合は林道に入口の印がある。 |
【エピローグ】
今回はまずまずの天気で、念願だった西鎌から槍へ登れたので大満足である。これを書いている今も、まだ興奮が覚めない。
ただ足が遅く、コースタイムよりはるかに時間がかかってしまったが、それも想定内のこと。
かつて恵那山へ行った時、80歳になるという単独のご婦人が、
「私は時速1Kmで歩いています」と言ったことや、
プロスキヤーの三浦雄一郎さんが、エベレストへ行かれた時、
「年寄り半日仕事」と言われ、半日しか行動しなかったことなどを参考に、ゆっくり、のんびり山旅を楽しみたいと思っている。
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