西鎌尾根〜槍ヶ岳〜飛騨沢・・4/4

 1日目:自宅ー新穂高温泉〜わさび平小屋
 2日目:わさび平小屋〜双六小屋
 3日目:双六小屋〜槍ケ岳山荘
 4日目:槍ケ岳山荘〜槍・往復〜(飛騨沢)〜新穂高温泉


4日目:2023年8月24日(木)

槍ケ岳山荘〜槍ケ岳・往復〜(飛騨沢)〜槍平小屋〜新穂高温泉

槍ケ岳山荘445〜515槍ケ岳〜607槍ケ岳山荘700〜711飛騨乗越〜840千丈乗越分岐〜1050槍平小屋(昼食)1125〜1238滝谷出合1250〜1506白出沢出合1515〜1600穂高平小屋1617〜1640林道〜1720新穂高温泉

 朝、3時半起床。外へ出て見ると満天の星だった。そして、目の前に槍ケ岳が、まるで真っ黒い怪獣の様にそそり立っていた。

 よく見ると、その怪獣に点々とヘッドライトの明かりが見える。もう登っている人がいるようだ。

 4時になるのを待ってAさんを起こし、談話室で軽く食事を済ませ、4時45分に出発。

 小屋の情報によると、
「穂先へ行く方は往復2時間位の渋滞があります」
 とのことだったが、今は小屋の朝食の時間なので空いている。後ろからあおられることもなく、スイスイ(?)登って行った。

 ちょうど30分でテッペンへ着いた。しかし、山頂は祠の前で写真を撮るため行列だ。狭い山頂に20人以上もいただろうか。我々も行列に並ぶ。

 その行列に並んでいる時、朝日が昇る。何とラッキーなことか。槍の穂先でご来光が見られるなんて最高だ。

 穂高方面は朝日に輝いている。振り向けば、昨日、ハアハアしながら登って来た西鎌尾根が見えた。

(穂高方面)

(西鎌尾根)


(槍山頂NOW)
 15分ほど待って祠の前で記念写真を撮り、サテ下ろうとした時、ブロッケン現象が現れた。

 ご来光といいブロッケン現象といい、本当にラッキーだった。


 小屋へ戻り、ゆっくりとコーヒータイム。
 天気が良い時に槍の穂先へ立てて本当に嬉しい。感無量である。

 さて、飛騨沢を下ろう。
「槍よありがとう!」と感謝の意を表し、別れを告げる。

 テント場を下っている時、大分県から来たという高校生達と会った。アルプスは初めてで、昨日は西鎌を登って来たという。

 私は彼らに、
「槍を登ったら次は穂高と劔を登って下さい!」と言っておいた。アルプスの3大サミットだからである。

 もし、彼らが九州の山ばかり歩いていたとしたら、初めて西鎌から見たあの「地獄の針の山」に圧倒され、震えるほどの感激と感動を覚えたに違いない。

 飛騨乗越から一気に下って行く。ここを下るのは初めてて、今回の目的の一つでもあった。

 ここは急斜面でありながらお花が多い。写真を撮りながら下って行った。



 槍平小屋でうどんを注文して昼食。

 滝谷出合から白出沢出合まで1時間10分の所を2時間以上もかかってしまった。私が持っている地図が古いのか? それともコースが変わったのだろうか・・・。やっぱり私の体力がないんだろうなぁ・・・。

 ここは左俣の小池新道と比べると、はるかに歩きにくい。
 やっと林道へ出てホッとした。

 穂高平小屋でかき氷を食べ、女将さんから近道を教えてもらう。

 この先、林道経由と近道があるが、標識がないので分かりづらい。
 小屋の左手にあるトイレの脇(左側)に、ロープが張ってあり、踏み跡がある。ただし、歩きにくい登山道である。
 登りの場合は林道に入口の印がある。

 サア、後は今宵の宿、深山荘で祝杯を上げよう!
 
【熊情報】
 下山中、滝谷出合から白出沢出合の間の涸沢でAさんが熊を目撃。深山荘でそれを伝えると、
「ここは山ですからねぇ・・・。熊はもう移動してるでしょうからねぇ・・!」
 とのことだった。
 地元の方は慣れているのか危機感がないようだ。登山者は要注意です。

【エピローグ】

 今回はまずまずの天気で、念願だった西鎌から槍へ登れたので大満足である。これを書いている今も、まだ興奮が覚めない。

 ただ足が遅く、コースタイムよりはるかに時間がかかってしまったが、それも想定内のこと。

 かつて恵那山へ行った時、80歳になるという単独のご婦人が、
「私は時速1Kmで歩いています」と言ったことや、

 プロスキヤーの三浦雄一郎さんが、エベレストへ行かれた時、
「年寄り半日仕事」と言われ、半日しか行動しなかったことなどを参考に、ゆっくり、のんびり山旅を楽しみたいと思っている。