西鎌尾根〜槍ヶ岳〜飛騨沢・・3/4

 1日目:自宅ー新穂高温泉〜わさび平小屋
 2日目:わさび平小屋〜双六小屋
 3日目:双六小屋〜槍ケ岳山荘
 4日目:槍ケ岳山荘〜槍・往復〜(飛騨沢)〜新穂高温泉


3日目:2023年8月23日(水)

双六小屋〜(西鎌尾根)〜槍ケ岳山荘(泊)

双六小屋500〜550樅沢岳555〜653硫黄乗越〜805左俣岳〜1030千丈乗越1040〜1250槍ケ岳山荘(泊)

 いよいよ今日は西鎌から槍ケ岳である。

 双六小屋を5時ジャストに出発。青空もわずかに見えるが、雲が多い。
 槍ケ岳山荘へ着くまでは雨が降らないでほしいと願いながら、まずは目の前にある樅沢もみざわ岳を登って行く。

 樅沢岳のトンガリが格好いい。右手にはまだ目覚めない笠ヶ岳が見える。

 登山道の周りには、トウヤクリンドウやタカネツメクサがいっぱい咲いている。それらを写真に納めながら、クロユリはないかと探しながら登って行った。

 5時43分、樅沢岳の山頂直下で朝日を浴びた。そして青空も広がって来た。
槍は樅沢岳に隠れて見えない。早く槍が見たい。

 樅沢岳へ5時50分に到着。Aさんが待っていてくれた。

 山頂には標識が立っていたが、ハイマツで展望は利かない。標識の近くに珍しいウスユキソウが咲いていた。

 ハイマツを5、6mほど進むと、目の前にドドーンと槍ケ岳が聳え立っていた。思わず「ヤッター!」と歓声を上げた。


 これぞ槍ケ岳!という大迫力だ! 早くあのテッペンへ立ちたい。昨日まで余り見えなかった北鎌尾根も凄まじい。

 背後の笠ヶ岳も、朝日を浴びて輝いている。

 ここから前樅沢岳を巻いて行く。

 トリカブトやウメバチソウ、キキョウなどが多くなって来た。私はウメバチソウを見るたびに、「シコタンソウか?」と花びらを覗き込む。(シコタンソウはウメバチソウに似ているが、花びらに赤い斑点がある)


(トリカブト)

(イワギキョウ)

(ウメバチソウ)

(これがシコタンソウ)

 ミヤマシオガマが咲いていた。今までヨツバシオガマの咲き殻ばかりだったが、生き生きしたミヤマシオガマを見て嬉しかった。西鎌尾根がこんなに花が多いとは驚きだ。

 ここからも花の写真を撮りながら登って行く。

 私の好きなハクサンフウロもあった。この時期にハクサンフウロを見ると宝物を見つけたようで嬉しい。

 お花畑はまだまだ続く。



(硫黄乗越手前からの槍)

 左俣乗越でAさんが待っていてくれた。私が遅いので待ちくたびれたことだろう。

 小さな鎖場を越えた所にマツムシソウやナデシコなどが咲いていた。今日はまるで花紀行のようだ。


 岩場が多くなり、西鎌らしくなって来た。槍の穂先は雲に隠れて見えない。


 千丈乗越でコーヒーブレイク。Aさんがコーヒーを淹れてくれた。

 いよいよ槍への最後の登りである。急登を登って行く。前に来た時は寝不足だったこともあるが、ここでメロメロになった。

 小屋まであと1時間という当たりで霧雨が降って来た。私は念のため雨具を着込む。ズボンの予備を持って来なかったので濡らすと寝る時に困るからだ。

 後ろに点々と登山者が続いているが、誰も雨具を着ていない。
 雨は止んだり降ったりを繰り返す。

 左手にガスの中から小槍が見えて来た、と思って写真を撮ったが,小槍ではなかった。

 槍ケ岳山荘へ12時50分到着。大降りになる前に着いてまずはホッとした。

 槍はもうガスの中で全く見えない。当初は天気が良ければ槍をピストンしようと思っていたが、これでは登っても仕方がない。明日、朝メシ前に登ろう。

 夕方、凄い雷雨になった。