作成:2002/6 更新:2002/8
関東大震災の跡と痕を訪ねて
番号 : 横浜 Y-09
写真1 赤レンガパーク全景
赤レンガパークには、関東大震災と関係の深い赤レンガ倉庫や旧税関事務所遺構があります。
写真1は赤レンガパーク周辺を横浜ランドマークタワー(69階展望フロア)から眺めたものです。遠景には手前から、大桟橋埠頭、山下埠頭、本牧埠頭などが見えます。
写真2 横浜赤レンガ倉庫
写真3 レンガ倉庫(二号倉庫)
向かって右側の倉庫が一号倉庫で左側が二号倉庫。現在は、多目的スペースなどの文化施設、カフェ、雑貨店、レストランなどの商業施設として利用され、観光スポットの一つになっています
以下、「横浜赤レンガ倉庫パンフレット 平成14年5月」より抜粋。
赤レンガ倉庫は、第二期港湾工事の中で、陸上施設のひとつとして建設された。
一号倉庫:明治41年(1908)着工/大正2年(1913)竣工
二号倉庫:明治40年(1907)着工/明治44年(1911)竣工・・・大正12年9月1日、関東地方一円を襲った、大地震により、横浜港の港湾施設のほとんどが壊滅し、機能は麻痺状態に陥る。完成後、わずか十年余りで震災に遭遇した赤レンガ倉庫は、二号倉庫は倒壊を免れたものの、一号倉庫は半壊した。その後、一号倉庫はほぼ半部の大きさに縮小され、内壁に鉄筋コンクリートの補強壁が、付け加えられた。二号倉庫も耐震性改善のため、起重機の廃止、開口部の改変など手直しが加えられている。
こうして、関東大震災という大きな試練に耐えて、赤レンガ倉庫は生き残ったのである。・・・ 煉瓦造建築の耐震補強方法には、代表的なものとして、鉄骨煉瓦造と碇聯鉄構法(ていれんてつこうほう)がある。
鉄骨煉瓦造は、あらかじめ組み立てた鉄骨構造体のまわりに煉瓦を積み上げていく工法である。中央停車場(現東京駅 大正3年)等において、この工法が採用されている。
一方、赤レンガ倉庫に用いられている碇聯鉄構法は、煉瓦壁体の中に、帯状の鉄を水平に積み込み、要所を鉄棒で垂直に固定し、耐震性の向上をはかるものである。 ・・・(中略)・・・ わが国の建築が、鉄筋コンクリート造に移行する過程の中で、碇聯鉄構法、防火床構造を用いた横浜の赤レンガ倉庫は、建築技術史上、完成された煉瓦造建築ということができよう。
写真4 旧税関事務所遺構
写真5
赤レンガ倉庫と旧税関事務所遺構
写真1 撮影:2002/7
写真2~写真5 撮影:2002/5