地震・防災関連用語集

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土質

土の性質や状態を土質といい、土で構成されている地盤が土質調査の対象となります。

土で構成されている地盤の大部分は新しい地質時代である第四紀に堆積した粘土~砂礫であり、都市や水田の広がる低地や台地に分布しています。低地や台地は丘陵地や山地と比べて人の生活と係わりが大きく、多くの構造物や施設が集中しています。

建築物・道路・鉄道・空港・港湾などを設計・施工するためには前もってその基礎となる土の性質を調べる必要があり、土質調査や土質試験が行われます。

土は固体部分と液体・気体の三相からなり、土粒子、間隙水、間隙空気で構成されます。

土を粒子の大きさで区分すると、粒子の細かい順に、粘土、シルト、砂、礫に区分されます。

土の構成粒子が砂や礫などの粗粒分を多く含む場合、その工学的性質は粒子の大きさ(粒度)が支配的です。一方、粘土やシルトなどの細粒分を多く含む場合は、含水比によってその工学的性質が大きく異なり、含水比の変化に伴って液体、塑性、半固体、固体に変化します。このように、含水比によって土の硬さや変形抵抗が変化する性質をコンシステンシーといいます。

特に、シルトや粘土よりなる軟弱な地層が厚く分布している場合は、地下水位の低下および盛土や構造物などによって地盤に新たな荷重が加わると、地盤から水分が絞り出されて圧密沈下を起こします。また、構造物などからの荷重が均一でない場合は不同沈下を起こす場合があり、土(あるいは地層、地盤)の土質工学的性質を明らかにして、より安全で、より経済的な施工方法を検討する必要があります。