地震・防災関連用語集

カテゴリ:基本用語

地殻

地震波の伝播速度の研究により、地球は地表から中心に向かって地殻、マントル、核(外殻、内核)に区分されています。

20世紀の初め、地震観測から得られた走時曲線(距離と伝播時間の関係を示すグラフ)から地下数十kmの深さに地震波の伝播速度が異なる境界があることがモホロビチッチによって見出されました。この不連続面をモホロビチッチ不連続面(略してモホ面)と呼びます。モホ面は地殻とマントルの境界面であり、モホ面から地表までの層が地殻です。地殻内のP波速度は6~7km/s程度であるのに対してモホ面の下の最上部マントルでは8km/s程度に増加しています。

地殻の厚さすなわちモホ面までの深度は大洋底で6km前後、大陸で30~50km程度であり、日本列島の下では約30kmです。

大陸地域での地殻を地震波の伝播速度の違いから2つに分けてその境界面をコンラッド不連続面と呼ぶことがあります。コンラッド不連続面は地域によっては明瞭であり、花崗岩質層と玄武岩質層の境界ではないかと考えられていますが確かではありません。

大洋地域と大陸地域では地殻の厚さや構成される岩石に大きな違いがあり、地殻は海洋地殻と大陸地殻に区分されます。海洋地殻は玄武岩層、大陸地殻の上層部は花崗岩層で特徴づけられています。 

地表に花崗岩が分布している区域は特別多いといえませんが、堆積岩が分布している地域を除くと花崗岩および花崗岩に近い組成の岩石が分布してることから、大陸地殻の上部層を花崗岩層と呼んでいます。風化していない花崗岩は硬質な岩であり建築物の床や壁材あるいは道路の縁石や墓石などに広く使用されていますが、他の岩石と比べて風化しやすく、風化するとマサ土という土に変わります。神戸のポートアイランドは花崗岩よりなる六甲山の風化土砂を海に埋め立てて造成された土地です。