地震・防災関連用語集
カテゴリ:地質構造
地球の内部の不連続面は地震波(自然の地震や地下核実験による爆破の震動)の伝播状況を観測することによって発見されました。
地球の内部を伝わる波には実体波とよばれるP波とS波がありますが、S波は液体中を伝播することはできません。震央から観測点までの距離を横軸に、震源から観測点に到達する時間を縦軸にして多くの観測データをプロットすると距離と伝播時間の関係を示す走時曲線が得られ、これからP波とS波の速度分布が求められます。
地球の大構造を示す不連続面にはコンラッド不連続面、モホロビチッチ不連続面、グーテンベルグ不連続面、レーマン面があり、プレートの沈み込みを示す深発地震面があります。
現在では地震波トモグラヒィーの解析技術(画像化)により、地球を輪切りにした構造やマントル内の不均一構造などが視覚的に捉えられるようになっています。
大陸地殻を2つに分けたときの境界面。花崗岩質層と玄武岩質層の境界ではないかと考えられていますが確かではありません。
地殻とマントルの境界面。深さは大洋底で6km前後、大陸で30~50km程度。日本列島の下では約30km。
マントルと外核の境界面で深さは2,900km。この不連続面を越えるとS波が伝わらないことから液体であることが判明しました。
外殻と内核の境界面で深さは5,100km。外殻が液体で内核は固体です。内核は隕石との比較から鉄とニッケルの合金であると考えられています。
日本付近、特に東北日本においては深発地震およびやや深発地震の発生するゾーンは海溝から日本列島の下に向かって分布しています。このゾーンを深発地震面と呼びます。これは海溝から沈み込む海洋プレートの形状を表しています。東北日本の日本海溝から沈み込む深発地震面は30度の単一傾斜で深さ600km付近まで追跡されていますが、そのほかの海溝での深発地震面は傾斜が変わる、途切れているなどいろいろな形状を示しており、島弧-海溝の構造は単純ではないとされています。