地震・防災関連用語集

カテゴリ:地形

台地

台地は頂上が平坦な台状の高地で、世界ではデカン高原、コロンビア高原、中央シベリア高原など広大な溶岩台地がありますが、日本での台地は段丘よりなる台地が主体です。

段丘よりなる台地は氷期と間氷期の海水準の変動と地殻変動による地塊の上昇によって形成された地形であり、海岸段丘や河岸段丘として北海道から沖縄県まで分布しています。関東では東京周辺の武蔵野台地、神奈川県横浜・川崎市の下末吉(しもすえよし)台地や相模原市の相模原台地、茨城県中部から南部にかけての常陸(ひたち)台地、埼玉県さいたま市から鴻巣市にかけての大宮台地、埼玉県東部から千葉県北部にかけての下総(しもうさ)台地などがあります。

段丘よりなる台地は低地(平野)とともに海岸や大河川周辺に分布し、大都市の形成に深く係っています。段丘は概して災害が少ない地形ですが、都市では人口密度が高く、災害を受けやすい個所まで住宅等が進出しています。

段丘で発生しやすい災害
  • ・場所:渓流の段丘への流入口付近
     現象:渓流の氾濫、扇状に広がる土石流
  • ・場所:段丘と山地や丘陵地との境界付近の崖状地形
     現象:崖崩れ、落石
     段丘と山地等の境界は古い海食崖が分布することがある。
  • ・場所:段丘崖の上側下側、特に下側
     現象:崖崩れ
     段丘崖は旧海食崖や河川の侵食による崖状地形であり、未固結状態の砂礫が分布することが多い。大地震で崩壊する例は多い。
  • ・場所:段丘の低地側
     現象:内水氾濫
     高台にある段丘は洪水とは無縁と考えがちであるが、排水処理を上回る大雨があると内水氾濫が発生する。

台地には段丘の他に玄武岩溶岩が流動固結した溶岩台地、火山灰が降り積もったシラス台地、石灰岩が侵食されて形成されたカルスト台地などがありますが、段丘と比べるといずれも小規模で分布も限られています。