地震・防災関連用語集

カテゴリ:災害

軟弱地盤

最終氷期の最大海退期以後の堆積物(沖積層)は最も新しい地質時代の堆積物であり、多量の水分を含み、緩んだ状態で堆積しています。なかでもシルトや粘土分の多い沖積層からなる地盤を軟弱軟弱地盤と呼んでいます。軟弱地盤の対象となる地盤としては三角州・後背湿地・湿原・湖沼跡・おぼれ谷・埋立地・干拓地などがあり、海岸平野や河川沿いに広く分布しています。現在の河川がゆったりと流れているような地域は海岸周辺だけでなく標高の高い盆地でも同様に軟弱地盤が分布しているのが普通です。

軟弱地盤は地下水の汲み上げや盛土などによって新たに荷重が加わることにより地盤内の水分が排水され、体積が減少して沈下します。この現象を圧密沈下と呼び、軟弱地盤が長い年月の間に徐々に沈下して地盤沈下をもたらすことになります。

1923年の関東大地震後の調査によると、木造住宅の倒壊は粘土やシルトよりなる軟弱地盤が厚く分布する下町に多く、その厚さが厚いほど倒壊率が大きいことが明らかになりました。軟弱地盤が地震に弱いのは、地盤による地震動の増幅作用や共振作用などによるものであり、主に木造住宅に当てはまる現象です。