地震・防災関連用語集

カテゴリ:物理探査

物理探査

空気は光が透過し音波が伝播するので空気中に存在する物体を目で見ることができ音源から発せられる音を耳で聞くことができます。水中では音波の伝播が極めて良好であり、イルカなどは遠く離れていても音波で会話できるらしいし、われわれも魚群探知機や測深機に音波を利用しています。

一方、大地は光も音も遮断するように空気や水と比べると極めて不透明ですが、直接掘削することなく振動・電気・磁気・重力・放射能・地温などの物理的な現象を利用して地下の状態を推定することができます。この調査法を物理探査と呼びます。

物理探査には利用する物理的現象によって、地震探査、電気探査、重力探査、磁気探査、地温探査、放射能探査などがあります。これらの探査方法は大区分でありそれぞれ探査手法や解析手法などによって細かな名称で呼ばれています。

物理探査に使用するセンサー(受信器)の位置は通常地表を主体とし、他にも空中(ヘリコプターや飛行機内)、海上(船底や船による曳航)などがあります。例えば、地表に地震計を設置し地下深くからの反射波を検出して地層境界の分布深度を知ろうとする場合のように、使用するセンサーの位置と知ろうとする位置が離れており、遠隔的で間接的な測定であることが特徴です。まさしく、「探る」という言葉が似合った調査方法です。

物理探査は石油や石炭あるいは金属鉱床など、資源の探査として発達してきましたが、ダムやトンネルなどの構造物の調査のほかにも遺跡調査や環境調査あるいは断層の調査にも用いられています。