地震・防災関連用語集

カテゴリ:環境

ミランコビッチサイクル

氷期と間氷期といった気候変動には2.3万年、4.1万年、10万年の周期変動が認められており、地球の公転軌道の揺らぎに伴った日射量の変化が原因とされています。この周期をミランコビッチサイクルと呼びます。

ミランコビッチの説によると、2.3万年周期の歳差運動、4.1万年周期の地軸傾きの変化、10万年周期の離心率の変化の3つの働きによって、地球が受ける日射量が周期的に変化しており、地球が受ける日射量の極小期と極大期が氷期と間氷期に当たるとされています。

無氷河時代の長い地質時代をミランコビッチサイクルでは説明できないという意見に対しては気候への影響は温暖な無氷河時代よりも寒冷な氷河時代に強く現われるのであって無氷河時代にもミランコビッチサイクルは少ないながら気候に影響を与えていたと主張されています。 

ミランコビッチ説は氷期・間氷期の原因を地球外に原因を求めるものですが、地球自体に原因を求める説としては海が深くなり山が高くなるという海水準の変動、あるいは大陸の集合や分裂による海流の変化などがあります。

無氷河時代から現在の氷河時代への移行過程では、超大陸(パンゲア大陸)の分裂があり、南極大陸の分離・孤立化によって南極大陸を廻る環南極海流ができて南極大陸が寒冷化したり、深層海流の通路が開けるなど気候変動に大きな影響をおよぼす事件が発生しています。

地球の気候システムは太陽と地球の関係、大陸と海洋の配置、海流などいろいろのシステムが相互に関係して変動している繊細なシステムと考えられ、現在の人類の活動に起因する温度変化が気候システムにどのような影響を与えるのかはよく分かっていないとされています。