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出雲国譲りの真相21 特別編 登場人物紹介


登場人物紹介


出雲

@大国主(五代目)
スサノオより数えて六代目の出雲王、倭国統一間近。

@タカヒコ(アジスキタカヒコネノミコト)
五代目大国主の息子で、タギリヒメの長男最後の大物主となる。一応この物語の主人公。

@アメノホアカリ(アメノワカヒコ)
大国主の娘婿で、2代目の火神子(卑弥呼)トヨの縁戚。邪馬台国からの人質として出雲に送られるが、大国主に可愛がられ、アメノホヒとともに出雲の人となる。タカヒコに従って畿内入りする。

@トシロ(コトシロヌシノミコト)
タカヒコの弟で、最後の大国主となる。倭国統一の立役者。国譲りを行う。

@アカルヒメ(シタテルヒメ)
タカヒコの妹で、トシロの姉。ワカヒコの婚約者。アメノヒボコを陥れ、倭国の統一の手助けとなる。

@タギリヒメ(宗像三女神の一人)
5代目大国主の妻。旧奴国の王族で現邪馬台国配下の宗像の海人族のヒメ。2代目火神子の出雲との融和政策のための婚姻で出雲にやってくる。

@サルタヒコ(佐田大神)
スクナヒコナの智恵である大陸の道士が記した諸子百家の木簡を管理するもの。

@タケミナカタ(諏訪大神)
5代目大国主の長男で、越の女王奴奈川姫の息子。戦争、戦闘、兵法に優れた武勇の男。
出雲方の大将軍であり天下無双の豪傑。諏訪のヒメを娶り越前福井から東北にかけての日本海沿岸を支配する。諏訪との婚儀は太平洋側への進出の第1歩。

@アメノホヒ
初代火神子の弟の子。ワカヒコと共に出雲への人質となるが伊都国王タカミムスビらにより兄のニニギら一族が日向国に左遷され、狗奴国との戦争時に見捨てられたことを知り邪馬台国を裏切り出雲側につく。出雲の大軍師。

@アメノヒナトリ(出雲国造の祖)
アメノホヒの息子。国譲りの時には父から受け継いだ政治能力を発揮する。


筑紫島

@トヨタマヒメ(2代目火神子。魏志のトヨ。)
阿蘇の火山を祭り筑紫島北部を支配する邪馬台国の2代目女王。対出雲政策で揉め父であるタカミムスビ、庶弟であるオモイカネに暗殺される。母は阿蘇の王族で宇佐で生まれる。初代火神子の姪。

@タカミムスビ(邪馬台国配下の伊都国王。高木神)
倭国における天孫族の祖。本人は半島北部の出身。初代火神子(魏志の卑弥呼)の腹違いの弟で、邪馬台国連合を作り上げた功労者。女王卑弥呼の名の下魏国への遣使を行う。邪馬台国の実権を握り倭国を統一し、故地である半島北部への進出を願う。

@オモイカネ(オモイカネノカミ)
タカミムスビの息子。母は半島北部の王族。魏への遣使の一人となり最新の祭祀、政治を邪馬台国にもたらす。腹違いの姉火神子と対立し暗殺を行う。邪馬台国の大軍師。

@フツヌシ(フツヌシノカミ)
スサノオ時代に旧奴国に人質のため婿入りすることとなったスサノオの血統。タカミムスビに取りたてられ、手力雄とともに邪馬台国の大将軍となる。筑紫平野の騎馬軍の総大将。オモイカネの配下。

@手力雄(アメノタヂカラオノミコト)
邪馬台国の大将軍のひとり。海軍の総大将。半島からタカミムスビらとともにやってきた。伊都国王族の忠実な家臣。

@アメノウズメ
伊都国人と倭国人の通訳を行い、邪馬台国連合内での両者の軋轢を防ぐ。倭国内の海路に詳しい。

@キクチヒコ
狗奴国の勇将。歩兵戦、白兵戦、ゲリラ戦に優れた戦術家で邪馬台国の仇敵。
日向に移った初代火神子の弟の国を滅ぼす。大和へ逃れたイワレヒコ(神武天皇)にとっては憎んでも憎みきれない相手。

@2代目ヒミクコ(狗奴国王)
初代火神子とともに、筑紫島の南の霊山霧島で火山祭祀を行う。呉の支配下に入り火山祭祀を改め、太陽祭祀を部族最高祭祀に据える。高齢のためキクチヒコが狗奴国のほぼ全権を握っている。

@初代火神子(魏志にいう卑弥呼)


大和(奈良盆地)

@大物主(2代目)
出雲の分家としての大和王。ヤシマヌ(初代大国主)の息子加茂武角身と共に奈良の三輪山に都を開いたオオトシ(大年神・スサノオの息子)の息子。彼が大物主を継いでから出雲では大国主が2回代替わりしている。高齢。

@饒速日
魏の滅亡時に渡来してきた。倭国では新参者だが連れてきた高い技術を持つ職人集団の力と自らの優れた政治力をもち大物主の宰相として権勢を振るう大和の第一人者。司令塔。彼がつれてきた職人集団は東国尾張で軍事化してのちに一大勢力となる。

@ナガスネヒコ
純倭人の彼は、加茂武角身の大和入り時から大物主配下となった豪族であり、長は代々ナガスネヒコを名乗る。加茂武角身らが入植してきたときの戦いで負けてからは忠誠を尽くす。大和の東国支配のための戦争では常に最前線にたち、北関東まで大和の勢力を伸ばすことに成功する。いわば大和の譜代であり、蝦夷対策の第一人者でもある。後に筑紫島からやってきたイワレヒコ一族とは犬猿の仲であり、妹を娶った饒速日とは義兄弟。大和を二分する派閥の饒速日派の大物。大和の大将軍である。彼の先祖は秦からの渡来人道士徐福と繋がりをもつ中華派。

@イワレヒコ(神武天皇)
初代火神子の時代の終わりに起こった狗奴国と邪馬台国の戦争に巻き込まれ滅亡した日向王朝の王族。日向王朝は邪馬台国の傍系国家で始祖は初代火神子の弟ニニギノミコト。狗奴国に対抗するため海上からの援護を願うこともあり、瀬戸内、四国、そして大和と連合して狗奴国に対抗するためイワレヒコが大和へ人質のための婿入りする直前に戦地となってしまう。兄弟姉妹たちも四国や瀬戸内の海人族との婚姻政策のため離れ離れになる。その直後父ウガヤフキアエズが亡くなり、火神子の死、魏の滅亡、瀬戸内の海人族の王大山祇の死など不幸が重なったこともあり日向王朝は3代目王の兄である五瀬命(イツセノミコト)の戦死により空中分解し滅亡してしまう。イツセノミコトはナガスネヒコ率いる四国・大和・瀬戸内の援軍が遅れたことにより、戦死してしまう。これもナガスネヒコ一族とイワレヒコ一族の対立の原因の一つである。

@ミマキイリヒコ(崇神天皇)
イワレヒコの末娘マキヒメの婿養子。ツヌガアラシト率いる韓系渡来武装集団天之日矛の一員として渡来するも、天之日矛が出雲のタケミナカタに追い払われたときに大和に逃げ込む。その武勇がイワレヒコの目にとまり、マキヒメの婿養子となった。イワレヒコ一族の本拠地橿原の次代の族長になることが決定している。(欠史八代の天皇たちはマキヒメの兄達でありそれぞれ大和・出雲の豪族たちと婚姻を結んでおり大和大物主政権では貴族階級である)

@マキヒメ
ミマキイリヒコの妻。出雲系国家大和では末子相続が掟のため橿原の正式な後継ぎとなる。彼女の夫であるミマキイリヒコが実質的な後継ぎである。

@アメノコヤネ
純倭人の北関東の王族。ナガスネヒコの東北征伐の時に従い、北関東の王として大和の北方を守る。大和にとっては東国に打ちこんだ大きな楔となり、東国経営にも大きな力を持っている。

@タケミカヅチ(鹿島大神)
アメノコヤネの息子。母は大陸の西南地方出身でその血を受け継いだのか、倭人にしては大柄である。母が妾で倭人ではないため常陸の王になる資格はもっていない。しかしその膂力を見こんだ父アメノコヤネに見こまれ、大和への朝貢に付随い、ナガスネヒコの下で修行中である。


その他

@ツヌガアラシト(天之日矛)
魏の帯方郡設置に伴い、半島から駆逐された新羅系の渡来人。天之日矛と呼び名される武装集団の長。半島に残った一族と連携し倭国の日本海側を何度も襲うが、タケミナカタにより討伐され、出雲>但馬>播磨と転戦して播磨合戦で破れる。但馬出石のタジマモリと婚姻を結びその勢力を使い出雲に対するゲリラ戦を続けている。タケミナカタが出雲に引き上げてからは、吉備の山中に隠れ力を蓄える。伊予の大山祇の死により分裂していた瀬戸内の海人を味方に引きこみ一気に吉備の王となるが、それでは飽き足らず打倒出雲に執念を燃やす。出雲包囲作戦を企て筑紫の邪馬台国や大和のイワレヒコ一族とも連携して打倒出雲と倭国統一を目指している。アラシトの率いる天之日矛は半島産の最新武装をしており同人数での白兵戦、騎馬戦では無敵である。

@シイネツヒコ(シオツチノカミ武内宿禰)
瀬戸内・四国を支配下においた伊予の海人王・大山祇の末息子で後継ぎ。ニニギやイワレヒコとは従兄弟にあたる一方、出雲の大国主を倭国の盟主として崇めている。瀬戸内・四国の殆どの海人族と縁を結んでいる彼の影響力は絶大で海人族で彼に逆らうものは殆どいない。筑紫島、出雲、大和という3大勢力の狭間にいる彼を味方につけることが瀬戸内の制海権を得ることに繋がり、ひいては倭国統一の鍵となる。彼の父大山祇は出雲のスクナヒコナとも深い縁があったらしい。