ティナ物語 本文へジャンプ
 



出会い
 今から12年前の3月でした。お隣のお宅が家の建て替えで更地になっていました。そこでティナは一人で泣いていたそうです。見つけたのは娘達。その時ティナは毛はボソボソ、目は半濁してまるで見えていないみたい、そして足はフニャフニャで上手く歩けないほどでした。その頃の私達は犬も猫も病気であっても自然治癒力があるから大丈夫と思っていました。動物病院へなんて考えも無かったのです。それより何より、我が家は主人と娘達と3人共喘息持ちでしたので猫を飼う事は考えられなかったのです。多少良くなっていたとは言え、猫アレルギーで触っただけで白目が腫れてお岩さんのようになってしまう事もありました。娘の友達、近所と里親さんを探しましたが「犬なら良いけど猫はねぇ」との返事ばかり。結局我が家で飼うことになったのです。
 やがて我が家に来てから1週間も経つとあれほどボソボソだった毛は綺麗になり、目もパッチリと子猫らしい可愛らしい目になり、足も何の不自由も無く走れまわれるようになりました。どうやら栄養失調だったようです。
猫アレルギー
 我が家の一員になったものの、部屋に入れると誰かがゼイゼイ始まってしまうのでどこにおこうか考えた末、玄関がティナの場所になりました。小さなティナは泣く事も無く大人しく玄関住まいを受け入れてくれたのです。主人が帰宅して、何時も玄関で一人じゃ可哀相だからとリビングに入れると、15分もしないうちにくしゃみが止まらなくなり、御免ねティナと言いながらまた玄関へ。
 やがて数ヶ月するとあれほどアレルギーの酷かった家族に変化が現れました。ティナが部屋にいても喘息も起こらず、そしてくしゃみもしなくなったのです。その後主人はティナが亡くなるまでベットで一緒に寝てました。