Last Update:2009/03/20

以下のコンテンツは、Chaosium社の"Call of Cthulhu"サプリメント
"Ramsey Campbell's Goatswood and Less Pleasant Places"
におけるデータを翻訳したものです。


ダオロス関連資料 from "Campbell's Goatswood"

魔道書及び魔法の品物
ドリーム・クリスタライザーダオロスの偶像夜のゴーントの髑髏平面の五芒星

キャンベル神話における呪文
ダオロスの招来/退散ヴェールを引き上げるヴェールをはぎ取る


魔道書及び魔法の品物

ドリーム・クリスタライザー

魔法の品物であるドリーム・クリスタライザーは、直径1フィートほどの黄色い卵状の形をしていて、時々口笛のような音を発します。この卵状の物体はうつろな音がするにもかかわらず、20ポンド近くの重さがあります。クリスタライザーは、何らかの物品をドリームランドから覚醒の世界へと持ち帰る能力を持っています。この品物を使用するためには、その前で眠りに落ちます。すると使用者がドリームランドへと自分自身を投影するのをクリスタライザーが手助けし、目覚める際にその者は着たり所持したりしているものを共に覚醒の世界へと持ち帰るでしょう。他の次元から同様に品物を持ち帰るためにクリスタライザーを使用し得るという事もまた明らかです。

ドリームランドから持ち帰られた物質的な物品は、どれも本来不安定です。覚醒の世界に到着してから後1D20時間以内にその物品の姿はぼやけ始め、やがてドリームランドへと滑り落ちてしまうでしょう。持ち帰った各物品について1マジックポイントを消費するごとに、消失を1D20時間遅らせる事が出来ます。

別の次元から持ち帰られた物品は、異次元とはいえ既に覚醒の世界において存在していた故に、多少はより安定しているかも知れません。しかしそれらの物品さえも、こちらに到来してから1D6日以内には本来所属する平面へと転移し始めます。

(p12)

ダオロスの偶像

長いプラスチックの棒で連結された半球と輝く金属から成るこの奇妙な原子模型は、実はダオロスを表現した偶像です。棒は平板な灰色をしているので、どれが一番手前にあるのかを判別する事が困難になっています。この構造物のかたまりからは、シリンダーがばらばらに突き出ています。一定の時間この構造物を見ていた場合、いくつもの目が棒の間からじっと見つめ返しているような気配を感じます。しかし、ある特定のすき間を直視しても、そこがただの空虚な空間である事が明らかになるだけです。探索者が偶像から顔をそらすと、目の端の方で偶像が膨張して、部屋の一面を全て占めてしまうのが見えます。これもまた視覚的な幻影です。振り返ってみると、その外見は同じ大きさのままである事がわかります。この異界の偶像を見る事によって、0/1ポイントの正気度を失います。〈クトゥルフ神話〉ロールに成功した場合、この偶像が外なる神ダオロスの彫像であるという事が判り、さらなるSANロールと1/1D6ポイントの追加の正気度喪失が必要となります。

(p13)

夜のゴーントの髑髏

ダオロスをこの次元に招来する儀式において必要とされるこの品物は[訳者:シナリオのネタばれのため中略]ドリームランドにおいて入手され、ドリーム・クリスタライザーを使用する事によって覚醒の世界に持ち帰られました。夢に属する物であるが故に、この髑髏はいつかはドリームランドへと消え去ってしまいます。夜のゴーントの髑髏は「実験」の1D10時間後に消滅します。この奇妙な品物を見る事によって、0/1ポイントの正気度を失います。〈クトゥルフ神話〉ロールに成功した場合、この品物の正体を知る事になり、さらなるSANロールと0/1D2ポイントの追加の正気度喪失が必要となります。

平面の五芒星

平面の五芒星は、他の次元から召喚された存在を封じ込めるために設計された魔術的構造物です。この品物は旧き印と同様の効果を持ちますが、効力においてはより劣っており、召喚された怪物に対してのみ効果があります。五芒星の内部は、怪物の種類によってそれぞれ別個の構造をしていなくてはなりません。ダオロスを招来するために必要な五芒星には、何本ものプラスチック製の管が歪んだ半立体の形に配置されています。「ダオロスの招来」の呪文と共に使用された場合、この構造物は外なる神が五芒星の境界を越えて膨張するのを防ぐでしょう。

(p14)

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キャンベル神話における呪文

ダオロスの招来/退散

この呪文は外なる神ダオロスを召喚し、特殊な五芒星の内部に出現させます。術者はダオロスの偶像夜のゴーントの髑髏、2本の黒い蝋燭、金属製の杖、そして平面の五芒星を製作するための棒や管を必要とします。五芒星は、ダオロスの姿が膨張して術者を巻き込んでしまうのを防ぐのです。ダオロスの異界の姿を目撃する事による、強烈な正気度喪失という不利益を免れるために、この呪文は完全な暗闇の中でかけられる事になるでしょう。呪文の詠唱に参加する人々のうち、呪文を知っている者達は自分達の任意の、あるいは全てのマジックポイントを寄与する事が出来ます。それ以外の人々は、それぞれ1マジックポイントを寄与する事が出来ます。呪文の成功あるいは失敗にかかわらず、術者は1D10ポイントの正気度を喪失します。その場にいる他の者達は、呪文が成功した場合に限り、1D10ポイントの正気度を喪失します。

上述の品物を一つ以上欠いた状態でダオロスが招来された場合、術者は呪文の暗誦の後に、この外なる神の憑代になるという危険を冒す事になります。この場合、呪文が正常に暗誦されてそれが成功すると、術者の身体はダオロスの次元へと引き込まれ、歪曲し変形していくように見えます。身体は自らの中に折りたたまれていき、平面的になり、それから一次元的になるのです。まもなく術者の身体は奇妙な幾何学的形状へと折りたたまれてしまい、そして今度はダオロスをこの次元に解き放つべく、膨張し展開され始めます。術者は自分の身体が異界へと引きずり込まれ、外なる神の憑代にされる際に、すさまじい苦痛に苦しめられる事になります。誰かがダオロスに憑依され始める様を目撃した者は、1/1D10ポイントの正気度を失います。自身の次元へと帰還する際に、ダオロスは憑代の身体を破壊してしまいます。

(p32-33)

ヴェールを引き上げる

術者は呪文の対象となる者から「ヴェール」のうちの一枚を一時的に取り除き、彼または彼女に時間や空間、そして現実世界の構造の真なる姿を見させる事が出来ます。この呪文をかけるためには、抵抗表上において術者のPOWで対象となる者のPOWに打ち勝つ必要があります。術者はその後、“ヴェールを引き上げる”ためにダオロスに呼びかけている間に15マジックポイントと1D6ポイントの正気度を消費します。この呪文はかけるのに3ラウンドかかります。

ヴェールの向こう側を見るのは非常に危険な事であり得ます。そのような経験に対する準備が出来ていない者は、強烈なショックを受けるかも知れません。物質、時間、空間の真なる姿を見た者は急速に狂気に陥り、その精神は自らの上に滝のように降り注ぐものに対応する事が出来ません。「ヴェールを引き上げる」の犠牲者は毎ラウンド1/1D10ポイントの正気度を喪失します。この呪文の効果は1D3+1ラウンド続きます。

[訳者註:「ヴェールをはぎ取るもの」においてフィッシャーがギルソンと共に試みた呪文だと思われます。作中では「ダオロスの招来」の呪文と同じく「夜のゴーントの髑髏」(二本の黒い蝋燭付き)と「平面の五芒星」、そして呪文を解除するための「偶像を頂いた金属製の杖」が必要とされていました。]

ヴェールをはぎ取る

「ヴェールを引き上げる」の呪文のさらに致命的なヴァージョンです。術者は呪文の対象となる者のヴェールをしばらくの間一枚だけ引き上げるのではなく、その一枚を永久的に引き裂いてしまいます。この呪文をかけるためには、抵抗表上において術者のPOWで対象となる者のPOWと戦い、それに打ち勝たなくてはなりません。術者はその後、24マジックポイントと2D8ポイントの正気度を消費する必要があります。この呪文はかけるのに5ラウンドかかります。

知覚にかけられたヴェールの一枚が引き裂かれる事によって、犠牲者を引きずり込む裂け目が創り出されます。呪文に成功すると、現実世界の一部分がよじれてこぶし大の塊になります。それは急速に渦巻き泡立つ渦になり、現実世界の構造を引き裂き犠牲者を巻き込んでしまうまでその変化は続きます。「ヴェールをはぎ取る」の呪文の犠牲者は、無限の時間流、渦巻く多元世界、あるいは他の時空か超現実世界のどこかに放り込まれてしまい、現実世界に帰ってくる事は永遠にありません。

(p34)

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