(3)内閣
65条 行政権は内閣に属する。
<国会と内閣の関係>
1 内閣の組織(議院内閣制)
国権の最高機関である国会が内閣総理大臣を指名し、指名された内閣総理大臣が率いて内閣をつくり、つくられた内閣は国会に連帯して責任を負う。

・行政権の行使にあたって、内閣は国会に対し連帯して責任を負う。
・内閣総辞職(69、70)は、内閣一体の原則による。
69条 内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。
70条 内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があつたときは、内閣は、総辞職をしなければならない。
内閣総理大臣の指名は、天皇の国事行為です。国事行為とは、天皇が行う国の仕事で、その多くは儀礼的なものです。この場合のように政治的なものもありますが、天皇は実質的な決定権はもたず、国事行為は内閣の助言と承認が必要とされています。
文民とは、軍人でない人のことで、日本国憲法下では、現職の自衛官以外の人とされています。
1 行政機構 (1) 日本の政治機構の特色 参照
2
政党内閣 1918年、大正デモクラシーの中で原敬内閣が誕生した。
cf.超然(ちょうぜん)内閣 明治末期から大正初期にかけて、政党を無視する立場で作られた内閣。黒田清隆首相の声明「超然等して政党の外に立ち、至正至公の道をたどるべし」による。
<内閣総理大臣と内閣の関係>
1 内閣総理大臣の権限
明治憲法下では閣僚中の首席として、弱い権限しかもたなかったが、現憲法下では閣僚中の首長として強い権限をもっている。
(1)
72条 内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する。
(2)国務大臣の任免(68)
(3)国務大臣訴追(そつい。裁判にかけること)の同意(75)
75条には、国務大臣は在任中、内閣総理大臣の同意がなければ訴追されないことが書かれている。
(4)閣議を主宰する。
閣議は、行政上の最高意志決定機関で、定例閣議・臨時閣議・持ち回り閣議がある。
2 内閣の権限
(1)助言的権限(7) 天皇の国事行為に対して
(2)独立的権限 一般行政を行う権限(73)
(3)その他
・司法(裁判所)に対して
裁判官の人事(最高裁判所長官の指名、その他の裁判官の任命)
・立法(国会)に対して
衆議院の解散 臨時会の召集
・行政に対して
予算・財政状況の報告
<行政委員会>
国家公安委員会や公正取引委員会など、行政委員会は、それぞれ特徴的な仕事をするため、他の行政機関からは独立して設置されています(独立した行政機関)。行政委員会は、本会議ではできない細かくて専門的なことを審議する国会内の機関である委員会とはちがう。 cf.(2)
国会(立法)<国会の運営と権限> 2 委員会
委員会=国会内の機関 行政委員会=独立した行政機関 |