ジャズってどんなの?
ジャズって一体・・・
ジャズの原型はアメリカ・ニューオリンズ周辺で20世紀初頭に誕生したと言われているが、定かではない。ただ、アフリカ
から連れて来られた黒人達の生まれ持ったリズムがアメリカに伝わり、賛美歌、民謡、黒人霊歌、鎮魂歌、ワークソング、
ゴスペル、ブルース、ラグタイムや、ヨーロッパから持ち込まれたブラスバンドなどと組み合わさってアメリカならではの音楽
が生まれた。
ここで、ちょっと個人論を・・・
ジャズに対して、世間一般的に「格式が高くて、とっつきにくい」という声をよく聞く。私は「あなたは聴いてる割にジャズを知ら
ないなー」と言われた事がある。その頃はまだサックスをやっておらず、単なるリスナーであった。それで一言”余計なお世話
である”(心の中の声)。大体音楽の聞き方など、人それぞれである。あんまり難しい顔で聞いてると音楽が音我苦?になっ
ちゃいます。しかし、一応演奏する方になったのであれば、やっぱりちょっと事情が変わり、演奏する以上はわかって欲しい、一緒に楽し
んで欲しいとの気持ちから、少しづつジャズを考えるようになりました。しかし、私自身が嫌だったように、考え方の押し付け
はやってはいけないと思いました。わざわざ、押し付けのことを書いたのは、「格式が高くて、とっつきにくい」この雰囲気は、ジャズの演奏家やジャズをよく
聴く人にこの考えを持ってる人がいるのでは?と考えてたからです。もちろん、そうじゃない人が殆どだと信じてます。しかし、
せっかく興味を持ち始めた時に、「あなたは聴いてる割にジャズを知らないなー」と”ふん、ジャズはシロートが聴けるもんじゃ
なか”というバカにした言い方はショックでした。知人は、ジャズの聴き方をあるジャズ演奏家に聞いた時、「この部分はクラ
シックをやってた方にはわからないでしょう」という発言があったようです。その知人は、もうその人の演奏を聴く気にならな
かったそうです。
細かい話ですが、「この部分はクラシックとジャズで違うでしょう」など、言い方があったのでは・・・と思います。やはり、ジャ
ズ演奏家と聴く人が、俺はジャズの世界にいて普通の人とは違うなどと考えている方であれば、周りにいるジャズへの興味
を持ち始めた人も、引いてしまうのでは・・・ と感じた次第です。
話しを元に戻します・・・
ジャズの歴史は変化の歴史で、様々な音楽との融合を続け、新たな奏法やスタイルを生み出してきた。
例えば、テナーサックス奏者のスタン・ゲッツは、ボサノバのリズムを取り入れることで一躍人気者になった。それをきっか
けにして、ジャズにより積極的にラテンのリズムが取り入れられるようになり、後のフュ−ジョンのもとであるクロスオーバー
が生まれた。クラシック音楽の中では、作曲家の書いた原曲を演奏家が忠実に再現することを求められるが、ジャズはいかに原曲から逸
脱し、オリジナルを追求できるか、がポイントとなる。ジャズは作曲された音楽というよりは、演奏法のことであるとも言える。
もちろん様々な技法や基本はあるが、どんな音楽でも演奏の仕方でジャズになるわけだ。気持ちよさを追求し、音にする。と
にかくアドリブが命であり、自分独自の音を展開していくうちに新たな演奏法が生まれる。
ジャズはいつも新鮮だ!
日本のジャズ
今日、ジャズは世界中で親しまれている。そのジャズが日本に入ってきたのは明治時代、渡来したというよりはアメリカ帰り
のミュージシャン達が持ち込んだという見方が大勢である。アメリカへ渡る客船で演奏していた日本人ミュージシャンの手に
よって譜面が持ち帰られ、ダンス音楽を主体とした初期のジャズが演奏されるようになったが、戦後から1950年代にかけて
の日本のジャズシーンはアメリカの物真似に過ぎなかったという評価が多いようだ。そんなジャズ後進国からだった日本から
飛び出し、世界に活躍の場を広げた女性が秋吉敏子である。戦後まもなく、九州の駐留軍クラブでジャズを演奏しはじめた秋吉敏子は、1953年に来日したオスカーピーターソンに認めら
れアメリカジャズ界でも知られることとなる。アメリカのバークリー音楽院で自分の音楽を高め、ニューポート・ジャズ・フェスティ
バルに出演。1959年にはチャーリー・マリアノと結婚し、70歳を越える現在でも活躍している。
ジャズの種類
ジャズには以下のようなものがあります
ニューオリンズ・ジャズ スウィング・ジャズ 中間派ジャズ ビ・バップ クール・ジャズ
ハード・バップ ファンキー・ジャズ モダン・ジャズ ウェスト・コースト・ジャズ
イースト・コースト・ジャズ ソウル・ジャズ ジャズ・ロック フリー・ジャズ クロスオーバー
フュージョン アシッドジャズ ジャズ・ファンク 新古典派・伝統派 ヒップホップ
★ ニューオリンズ・ジャズ
デキシーランドジャズ(トラディショナル・ジャズとも呼ばれる)の中でも、ジャズ発祥の地でもあるニューオリンズのミュージ
シャン達に演奏されていた。古典的スタイルのジャズを指す。ルイ・アームストロング(tp)のプレイに代表される。
☆ スウィング・ジャズ
1930年代からビ・バップまでのジャズを指す。
初期は、グレンミラー(tb)、トミー・ドーシー(tb)、デューク・エリントン(p)、カウントベイシー(p)、などのビッグバンド
が主体となり形成される。後に、それらのバンドにいたミュージシャンたちによる、インプロヴィゼーション主体のコンボに発
展し、ビ・バップへとつながる。べニー・グッドマン(cl)が、キング・オブ・スウィングと呼ばれている。
★ 中間派ジャズ
スウィングとビ・バップの中間に位置する、という定義に基づいたジャズ。1950年代にジャズ評論家であった大橋巨泉氏が
新たに提唱したジャンル。ビ・バップ以降のスウィングプレーヤーたちによる演奏の中で、ちょっとモダンなな味付けのスウィ
ング・ジャズというイメージのものを指す。代表的なミュージシャンは、ヴィック・ディッケンソン(tb)、バック・グレイトン(tb)、
エディ・コンドン(g)など。
☆ ビ・バップ
1940年代前半に若手ジャズメンが提示した新しい方法論に基づいたインプロヴィゼーション主体のジャズ。巷で「4ビート・
ジャズ」と呼ばれているものの原型となった。ビ・バップがもたらした最大の功績は、それまでBGMとしての娯楽的要素が
強かったジャズを鑑賞用としてのポジションに高めたことだろう。代表的なビ・バップのプレイはチャーリーパーカー(as)の
アルバムで聴ける。
ビバップは1940年代にニューヨークのハーレムで生まれた音楽だと言われています。当時のアメリカはスウィングの全盛期。
酒場、ダンスホール、ホテルなど様々な娯楽施設での演奏で、ジャズミュージシャンたちは引く手あまた。しかし「何か違う…」
と思い始めたミュージシャンがいたようです。譜面に書かれた音符をそのまま演奏してギャラをもらう。懐は豊かになったが
、心に隙間が生じ始めたのです。
仕事がはけた深夜、そんなミュージシャンたちが集まったのが場末のジャズクラブでした。決まったプログラムはなく誰からと
もなく演奏する、いわゆるジャムセッションが朝まで繰り広げられたのです。演奏に重きを置かれたのがアドリブ。「おお、奴が
またとんでもないことを始めたぞ!」などといった声もあったのでしょうか?場末のクラブは、新しい演奏を模索する実験場とな
ったのでありました。
そして完成されたのがビバップ。一言で言えば「マニアックなジャズ」でした。複雑なコード進行も目まぐるしくいこのビバッ
プは、ミュージシャンの腕比べでもあり、現代においてもなお、日々進化し続けているのであります。
★ クール・ジャズ
熱く激しいプレイを基調にするビ・バップに対するアンチテーゼとして1940年代後半に発生した知的で洗練されたジャズ
の演奏スタイルの総称。マイルス・ディヴィスの『クールの誕生』は、まさにその頂点と可能性を示した。
☆ ハード・バップ
ビ・バップは方法論としては画期的だったが、音楽的には未消化の部分も多かった。それはフレイズが機械的になりがち
なこと。その最大の弱点を克服したのがハード・バップだ。よりメロディアスなフレイズを用い情緒面を強調することにより
、音楽的な完成度を高めた。初期のマイルス・ディヴィス(tp)やクリフォード・ブラウン等のプレイにその特徴が見事に
表れている。
★ ファンキー・ジャズ
ハード・バップと源流を同じくしているが、よりゴスペルチックで黒っぽい雰囲気を強調したジャズのこと。ホレスシルヴァー
(p)や、アート・ブレイキー(ds)&ジャズ・メッセンジャ−ズ、キャノンボール・アダレイ(as)などが代表的プレイヤー。
☆ モダン・ジャズ
ビ・バップ以降の鑑賞用としてのポジションを与えられたジャズの総称。
★ ウェスト・コースト・ジャズ
1950年代半ばから、西海岸のミュージシャンを中心として演奏されたスタイルのジャズ。どちらかと言うと、白人が中心
となり軽く明るく乾いた雰囲気を持っている。代表的なプレイヤーは、アート・ペッパー(as)、チャット・ベイカー(tp)、ジェ
リー・マリガン(bs)など。
☆ イースト・コースト・ジャズ
西海岸のウェスト・コースト・ジャズに対してのニューヨークを中心として演奏されたジャズの総称。どちらかというと、黒人が
中心となっていた。ビ・バップもハード・バップもファンキーもイースト・コースト・ジャズといえる。
★ ソウル・ジャズ
60年代に大量発生した8ビートを基調としたジャズ。シンプルなハーモニーと構成により、大衆性を得た。R&Bやソウル
のイディオムをわかりやすくジャズの側が取り入れたもの。サウンド的には匿名性が強く、ジャズ音楽の音楽的前衛性は
薄い。グラント・グリーン(g)、スリー・サウンズなど。
☆ ジャズ・ロック
ロック・ミュージシャンがジャズのイディオムを取り入れたプログレッシヴ・ミュージック。70年代のサイケデリック・ミュー
ジック・ムーブメントと関わり合う部分も多い。基本的にロックを聴く層に支持されていたムーブメンントで、初期キング・
クリムゾンなどがその代表。
★ フリー・ジャズ
1960年代に起こった、帰省概念にとらわれない自由な発想、フォームから生まれた前衛的なジャズ演奏スタイル。コー
ドやリズムから開放されたインプロヴィゼーションが魅力だ。ジョン・コルトレーン(ts)の後期、オーネット・コールマン
(sax)、エリック・ドルフィー(sax,fl)、アルバート・アイラー(sax)を聴こう。
☆ クロスオーバー
ジャズのイディオムに、ロック、ファンク、ワールドミュージックの種を受精させたハイ・ブリッド音楽のプロト・タイプ。第一
研究者マイルス・デイビス。アルバムは『オン・ザ・コーナー』『ビッチェズ・ヌリュー』等。
★ フュージョン
クロスオーヴァーという新種を商業ペースに乗せるべく、さらに配合を重ねた果実。商品として完成させるのが目的であっ
た為、大衆に広く受け入れられる結果となった。スタジオミュージシャンを多く登用したため、デザイナー(プロデューサー)
と職人(プレイヤー)という仕事の二分化が表面化したのはこの時。参考アルバムは『スタッフ/スタッフ』など多数。
☆ アシッドジャズ
基本的にいわゆる”ジャズの歴史”とは関係のない、ロンドンのナイト・クラブで発生した音楽。60年代のソウルジャズ
(別項参照)をベースにおいており、その価値を発見したDJ達の主導において広まったムーブメント。一種、古典主義
的思想を含んだ感性により区別される。ロニー・ジョーダン(g)、US3など。
★ ジャズ・ファンク
ジェイムス・ブラウンの作ったリズムに対して、ジャズ・イディオムのハーモニーを交配させた種、ダンス音楽としてのモダン
なリズムに乗せることにより、ジャズ音楽に、より強い身体性持たせた。ジェイムス・ブラッド・ウルマ−(g)などのフリー
ファンクとも共通性あり。
☆ 新古典派・伝統派
1980年代半ば、ウィントン・マーサリス(tp)らが提唱したモダン・ジャズ回帰ムーヴメント。ヒップホップ世代からの視点で、
オーソドックスな4ビート・モダン・ジャズを現代的に解釈、さらにそれを再構築した。
★ ヒップホップ
本来は1970年代後半、ニューヨークのサウスブロンクス地区に住む黒人やスパニッシュ系の間から生まれた文化全般を
さす言葉。強いビートにのったリズムに合わせて歌われるラップ、ターンテーブルを操作するスクラッチ、さらにミキサー技術
、エレクトロニクス・テクノロジーなどが結ぶついてヒップホップサウンドは成熟。世界へと広まった。
☆ スムース・ジャズ
フュージョンから発展した音楽ジャンルで、洗練されたプレイとアレンジが持ち味。西海岸等でのFM曲でのオンエア率も高く、
普段ジャズに関心の無い音楽ファンにも、”スムース”の言葉とおり、聴きやすいのが最大の特徴だ。
☆★☆★ JAZZって・・・
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