演奏時間:約42分
古くから運命、未完成と並ぶ、交響曲のスタンダードとして親しまれています。
タイトルの「新世界」とはアメリカのことで、故郷チェコを離れてアメリカで過ごしていたドヴォルザークが、故郷に宛てた音楽の手紙と言えます。
よく「新世界」交響曲と呼ばれますが、正しくは「新世界より」です。
ドヴォルザークがメロディーメーカーとしての才能をいかんなく発揮した、とても聴きやすい曲です。
強弱が頻繁に変わる序奏の後に主部が続きます。ホルンの問いかけに木管が応え、同じ問答を木管のみで繰り返します。
しばらくして出る第2、第3の旋律は歌心に溢れています。
イングリッシュ・ホルンで演奏されるこの楽章の主題は、「家路」というタイトルで歌詞を付けて歌われることもある有名なものです。
後半、楽器を減らしながら途切れ途切れに演奏する部分は、一度聴けば忘れられないでしょう。
トライアングルが印象的な非常に速い楽章。主題は1拍目が休みで2拍目から始まるため、不安定な印象を与えます。
映画「ジョーズ」のテーマにも似た特徴ある序奏があり、金管が力強く第1主題を出します。前3楽章のメロディーが所々に現れ、最後は感動的に終わります。