マタイ受難曲のエピローグは2つの曲で構成されます。
バス、テノールの独唱が受難の終わりを告げた後、アルト独唱は後悔、ソプラノ独唱は感謝の気持ちをもってイエスに呼びかけます。
各独唱の後に、第2合唱の「おやすみなさい」が優しく包み込みます。
No.67 MIDI (9.4KB、2分27秒)
今や主は憩いの床に就かれた。
私のイエスよ、おやすみなさい!
私たちの罪による、主に負わせた苦しみは終わった。
私のイエスよ、おやすみなさい!
おお幸いなる御体よ、
ご覧下さい、私がどれほど懺悔と悔いをもって、
私の堕落があなたを苦難に遭わせたことを嘆くかを!
私のイエスよ、おやすみなさい!
生きる限りあなたの受難に多大な感謝を捧げましょう。
私の魂の救いを、こんなにも重んじて下さったのですから。
私のイエスよ、おやすみなさい!
ラストを飾るのは解りやすい三部形式の、サラバンドみたいな曲です。音楽は悲しいながら、どこか安心感のある大らかさも持ってます。お墓に供える花束ってとこですね。
まず2つの合唱が一緒に歌い、中間部では主に第1合唱が歌って、第2合唱が合いの手を入れる形になります。再び初めの合唱が戻って、深い感動を湛えながら大作の幕が下ろされます。
No.68 MIDI (73.7KB、6分31秒)
私たちは涙を流しながらひざまずき、墓の中のあなたに呼びかける。
憩いたまえ安らかに、安らかに憩いたまえ。
お休み下さい、苦しみぬいた御体よ。
憩いたまえ安らかに、憩いたまえ心地良く。
あなたの墓と墓石は
悩める良心にとってのくつろいだ憩いの枕、
そして魂の憩いの場所となるでしょう。
憩いたまえ安らかに、安らかに憩いたまえ。
そうしてこの目はこよなく満ち足りてまどろむのです。