一方、喧嘩はメガネを飛ばされたガクシャが、闇雲にガンバ達にも手を引き金にエスカレートしていった。
ところが、吹っ飛ばされた拍子にメガネを発見したガクシャは、島が沈んでいることを発見する。
ここは、島ではなく満潮になると沈んでしまうただの岩礁だったのだ!
「おおい、島が見えるぞ!」
シジンの声に、仲間が集まった。確かに、はるか沖に島影が…この位置であの大きさ間違いない。
「助かる道は、ただ一つ…みんな、あの島まで泳いで渡るぞ!」
ヨイショの号令で、仲間たちが海へ飛び込む。しかし、ガンバはへそを曲げたまま。
「行きたきゃ、勝手に行きなよ」
ヨイショは、呆れて海へ飛び込んだ。わざとらしくガンバにしぶきをかけながら。
一方、泳ぎに自信のないボーボは距離の分からない島まで泳ぐことに、不安を隠し切れない。実はガンバも不安だが
虚勢を張って泳ぎ出す。しかも、かなりのハイペース。前を行くヨイショ達を追い越して、得意げだ。
「ガンバの奴、ずいぶん飛ばしていますな…」
ガクシャの言葉に、ヨイショは
「ほっとけ、ほっとけ。あんな奴…」
ガンバは、必死に泳ぐが島影がちっとも近づかない。疲労は濃くなるし、次第に日も暮れてきた。
「ちきしょう、なかなか近づかないぜ…」
焦りを感じるガンバの背中から、ヨイショ達が近づいて、追い越していく。
「またすぐ、追い抜くよ!」
言葉だけはいっぱしだが、ガンバはかなり疲れていた。そこへボーボが追いついくがもうだめだと音を上げる。
それを叱咤するガンバだが「さっきからちっとも近づかないんだもん」というボーボの言葉に、自分も自棄を起こす。
忠太が励ますが、ガンバは月を見てきれいだなどと呑気なことを言う始末。しかも、眠ってしまい身体が沈んでいく。
忠太がどうしていいのかオロオロしていると、ガンバの身体が浮かび上がった。ヨイショが助けたのだ。
「ヨイショ…?」
「へへへ、一度シッポを結び合った仲だ、置き去りにはできねぇ」
いつのまにか、ガクシャ達も戻ってきていた。
「うん、それが海の男と言うものですよ」
「さあ、行くぜ!」
ガンバは、思わず大粒の涙を目に浮かべた。その顔を海にガバッとつけると、涙を洗い流して仲間と共に出発だ。
「眠ったらおしまいだぞ!みんな、元気よく歌うんだ!」
ヨイショやシジンが仲間を励ます。夜の海で彼らは、大声で歌いながら泳ぎ続ける。しかし、睡魔はじわじわと彼らを襲い
次第に歌声が、か細くフラフラになっていく…
「だめだ、眠ったらおしまいだぞ…」
「分かってる…けど、もう眠くって眠くって…」
…島までまだ距離がある。果してガンバ達の運命は?
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