こんにちは、LEYと申します。初めましての方もいらっしゃるでしょうか。
「雑記処 雅庵」一周年をお祝い致しまして、SSを贈らせて頂きました。
雅人さんから頂いたお題は、「耕介とのカップリングでない瞳SS、ただし真一郎を直接登場させない事」というものでした。
まったく真一郎と関係のない、例えば唯子やいづみとの対決SSにしてしまえばもっと楽だったのかもしれませんが。自分は原作をプレイしている中で、素直に感じた事をそのままSSにするタイプなのです。もっとも真一郎という「言葉」すら登場させなかったのは、自分のお遊びですけれども(笑)。
もう20本以上とらハSSを書いていますが、瞳は今までに書いた事がなく――改めて瞳シナリオを見返して、最も気になったのはこれでした。
「はじめて」でなかった瞳は、その事をどう思っているのか。
原作ではほとんど描写がありませんが、おそらく瞳は相当気にしていたのではないかと思うんですね。何しろ本人があれだけのやきもち焼きですから。その心情をメインに据え、あとはその悩みの相談役として薫を抜擢し(堅物の薫に恋の相談というのもどうかと思ったのですが、他に適任者がいませんでした)、このSSの骨格が出来上がりました。
しかしここからが難産でした。瞳というキャラクター、よく動くんですね。作者の思惑とは別に(笑)。
ビジュアルファンブックにも書かれていますが、瞳はとらハヒロインの中でもかなり「普通」の感性を持った子です。その普通さがいろいろと自分の想像力を刺激したんでしょう、真一郎だけでなく耕介や薫に対する想いも暴れ出し、ついには本文のように「耕介(&自分)の過去を薫に暴露する」というシチュエーションになってしまいました。あれは作者の想定していたプロットでなく、瞳の独断専行です(笑)。
瞳一人称に近い形式のため、その全てを客観的に描く事はしていませんが、行間ににじんだ瞳の本心をいろいろ想像されると楽しいと思います。
雅人さんの高尚な文体を備えた作品には到底及びませんが、このような作品でも一周年に添える一輪の花となれれば幸いです。
益々の発展をお祈りして、お祝いのご挨拶に代えさせて頂きます。
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