2002.2.24 記    現像ムラ (原因と対策)

現像ムラの特徴(私の場合)
  ◆フィルムのエッジ近傍の濃度が上がる。
    (リールに巻き込んだ状態では、蚊取り線香状の針金の近傍)
    (筆者のネガは6X6なので左右の端)

   フィルム;コダック・テクニカルパン
現像液;テクニドール

(T-MAXではこれほどひどくない)

    このことから現像時、特に撹拌時に針金部分で何が起こるか、そして対策について考えてみた。

撹拌時の現像液の流れ方(実際に見たわけではないので文献を見ての想像です)
   @現像液が針金の隙間を通過する際に、針金の近傍のみ流速が早くなる。
    (隙間が小さいほど早くなる)
   A針金の後ろに乱流が発生する。

          針金部分の断面図

現像ムラの発生原因(上記からの推測です)
  
      


    これらの位置と現像ムラが発生する位置が一致する事から、リールの針金の影響で
    現像ムラが発生するものと推測する。
    

現像ムラの対策(小型タンク現像)
  ◆フィルムをリールに巻き取って現像する場合は、撹拌時に針金と針金との隙間を
   現像液が流れることになり、現像ムラはゼロにできないということになる。
   しかしゼロにはできなくても実用上無視できるほどムラが少なくなれば良いので、
   上記の2つの原因を改善してみた。
   つまり、
    @針金の直径に対し隙間が大きいリールを使用する。
    Aフィルムの乳剤面を針金から
確実に遠ざける。
        

    Bなるべく液が隙間を通過しない様にする。
     ・液をめいっぱい注入しタンクを振っても液が
      あまり動かないようにする。

  Bは充分な撹拌効果を得るには相当な体力が要りそうなので除外し、   
  @の条件を満たすリールとして、あまりのお値段に見向きもしなかったマスコを
  使ってみる。(マスコは他のリールと比べ隙間が大きい)
  Aに対しては、押し込むように巻き込んだフィルムが現像中にゆるまないように
  固定してしまう。(巻終わりにプラスチックの板を取り付け、フィルムをセロテープで固定する)

         

結果
  ◆T−MAXにおいて、現像ムラが実用上分からない程度に改善できた!
    撹拌条件;マスコの指定通り。(倒立3回)
         但し、現状、筆者は16〜18分現像するため、撹拌周期を2分としている。
         (指定は1分)


   満足の結果が得られたがである、+αの工夫はあるものの、とどのつまり現像タンクを替えただけ。
   お・そ・ま・つ・でした。(現像ムラの件はこれにて落着)

   他のタンクでも液の量を増加させ更にリールが中で動かないように固定するとか、
   テクニカルパンではどうかとか試してみたいがこの件ばかりに時間を費やせないので
   これでよしとする。

  

  追伸;流体力学をほとんど知らない筆者が推定で論じています。
     間違いがあったらご指摘いただけるとうれしいです。

2001年6月 : 現像ムラ解決

おまけへ続く

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