〜その10〜


KIYOさんたちは沖縄に行っちゃって、ミッチさんは風邪で寝込んじゃって、生徒さんたちがいないままに音楽講座を続けます。
ついでの話なので、軽〜く流しましょう。

その10 ついでにハモニカ

CD「あの頃僕は」のジャケットに書かれている新ちゃんのパートに、Blues harp(ブルース・ハープ)って書いてあるの知ってますか?
「これ何だろう?」って思った人もいるかもしれませんね。
ハモニカのことなんです。
実は私もハモニカのことは全く知りませんでした。「Gの唄」の中に、「Gのハープ」というのが出てくるので新ちゃんに「これって何」って尋ねたのでした。

私が小学校の頃に使っていたハモニカは、「バイオリン・スケール」と言っていました。
2段になっていて、下の段が通常の音で、上の段はその半音上の音、つまり♯の音が出るようになっていました。
だからどんな調子の曲でも吹くことができました。
でも、♯や♭が多いとちょっと辛いものがありました。

みなさんが使ってたハモニカってどういうものでしたか?
1段でも、2段でも、とにかくドレミファソラシドと順番に穴が並んでいるもの。たぶん、そうだったと思います。
そしてド、ミ、ソ、ドは吹く、レ、ファ、ラ、シは吸う。そんな風だったと思います。
この吹く、吸う、というのは和音を出すのには意味があるのですよね。たとえば、ドからソまでを一度に吹くと、吸う音は出ませんから、ドミソ、つまりCコードの音が出るのです。

ところが、新ちゃんが演奏しているブルース・ハープはこれとはちょっと違います。
1段に10個の穴しかありません。一つの穴で吹く音と吸う音の2つの音が出ます。
10個の穴の音の割り当てはこんな具合です。

    10
吹く音
吸う音 ファ ファ

音域は3オクターブ。奏法によっては半音あるいは1音下げたりもできるのだそうです。

これを見るとコードを勉強した人はもうわかりますよね。
ブルース・ハープはコードを演奏するのにとても便利そうだということが。
ただ、これだと調子が変わると演奏できませんね。
というわけで、ブルース・ハープは調子が変わると楽器も変えなければなりません。
つまり、Cのハープ、Aのハープ、Gのハープ、といろいろ取り揃っているわけです。
新ちゃんがハモニカを何本も持っていて、コンサートの途中で楽器を取り替えたりしているのはこのためです。
そうですね、新ちゃん。

ブルース・ハープについてはたくさんサイトを見つけました。
http://www.geocities.co.jp/Hollywood/2914/
http://www2u.biglobe.ne.jp/~blowharp/
http://www.cityfujisawa.ne.jp/~takuzou/
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Suzuran/8706/harp.html




NAOKO:KIYOさん、講座9まではHPにアップしましたので、沖縄うかれ旅で遅れている分、取り戻してくださいね。
次に行きたいと思っていますので。
KIYOさんの反応がないと前へ進めない講座なのです。

KIYO:急いでも詰め込めないよー naokoさん、正直に言うと「その7」から理解不足なんです。なぜかって? それはCDEFGABCってわかっても頭の中でドレミ・・・って置き換えてしまわないと理解しにくいのです。だから「C」ならすぐに「ド」ね、ってわかるけど、AmはA・C・Eとかになるとすぐには置きかえられないのです。鍵盤で見ると「たしかにそうだ!」ってわかるけど何もないと「えーっと・・・なんだっけ」となるのです。だから今は10まで印刷して鍵盤とコード表とじっくり眺めています。もう少し待ってくださーい。生徒がいないのにどんどん進んで、まさか早く終わってその次の企画を考えているのではありませんかぁー?無事卒業まで面倒見てくださいね♪(沖縄から帰ってきて風で発熱中)

NAOKO:了解しました。KIYOさんのゴーサインを待つことにしますよ。わからないところを質問してください。

KIYO:naokoさん、お待たせしました。ゴロゴロしながらなんども読みましたよ。何となく理解できていますが、質問がいくつかあります。イチ、ピアノの黒鍵は例えばDとEの間はD♯でもE♭でも表現してもいいのですかね。通常は♯と♭はどう使い分けるのでしょう?
ニイ、ギターの基本的な音の割り当てとフレットは半音ずつあがることはよくわかったのですが、Cコードの押さえ方は第1弦からECGECEの音だと思うのですがGがひとつでいいのですか?仲良く2つずつの方が和音らしいのかもと考えてしまいます。そんなこと考えずにCコードはこう押さえると覚えればいいのですか?
それからついでにギターの第1弦のEと第6弦のEは2オクターブということですがその中間のEはどれでしょう。こんなこと考えて変ですか?熱あるからお許しを・・・。




<回答その1>

KIYOさん、もうお風邪はよろしいですか?

KIYOさんの質問、ひとつずつに回答していくことにしますね。

> イチ、ピアノの黒鍵は例えばDとEの間はD♯でもE♭でも表現してもいいのですかね。通常は♯と♭はどう使い分けるのでしょう?

D♯とE♭は同じ音です。音を表すというだけだったらどちらでもかまわないのです。
でも調子や音階を扱うときには一定のルールがあります。
これもピアノの鍵盤で考えていくとわかりやすいと思います。
たとえばDメジャーを考えてみましょう。
Dからドレミの音階を始めます。
Dからただ音を並べていけば次のようになります。
D、E、F、G、A、B、C、D
けれどメジャーの場合、3番目と4番め、7番目と8番目の音程が半音にならなければなりませんね。ほかの音程は半音になってはいけません。
そうするとFとCを半音あげなければメジャー音階になりません。
ですから、こうなります。
D、E、F♯、G、A、B、C♯、D
このとき同じ音だからと言って
D、E、G♭、G、A、B、D♭、D
とはしません。
だってひとつの音階の中にGがふたつ、Dがふたつ出てくるとややこしいでしょ。
この不都合は実は五線譜で音を表すときにもろに出てきてしまいます。
五線譜の表現では、Gの位置とG♭の位置とは同じなのです。♭の記号をつけるかつけないかで違ってくるだけです。
ですから、ひとつの音階では五線譜での位置がダブらないように音を順番に並べることにしています。
だからDメジャーは♯2つの音階であって、♭は出てこないのです。
つまりね、ひとつの音階ではAからGの音がすべて1個ずつ出てくるようにしなければならないのです。
これ以上の説明は楽譜の説明になってしまうのでここまでね。

でもね、こういうのって長く音楽をやってると考えもせずに普通にやってることなので、質問されるとちょっと考えちゃいますね。
もう頭の中にGメジャーだったら♯ひとつ、Fメジャーだったら♭ひとつ、って具合で固定的に入ってしまっているものですから。


<回答その2>

> ニイ、ギターの基本的な音の割り当てとフレットは半音ずつあがることはよくわかったのですが、Cコードの押さえ方は第1弦からECGECEの音だと思うのですがGがひとつでいいのですか?仲良く2つずつの方が和音らしいのかもと考えてしまいます。そんなこと考えずにCコードはこう押さえると覚えればいいのですか?

この質問には新ちゃんから答えてもらったほうがいいかもしれませんね。
どうしてももうひとつGがほしければ、 ギターのコード表 で○をつけているところ、つまり第6弦の第3フレットを押さえればGが2個になります。
でも、結論的に言えば第3弦がGであれば十分だと思います。
第3弦はよく使う弦なのです。とても重要な弦だと言っていいと思います。
弦を鳴らすときは、必ずしも6つの弦をすべて鳴らしているとは限らないのです。
ストローク(要するに腕を使って上からジャーンと弦をいっぺんに鳴らす方法)で演奏する場合ですら、実際には第1弦から第3弦までしか鳴らさないことはよくあります。
そこに基本的なコードの音がまじっていれば大丈夫、というわけです。
ギターのコード表は通常はこう押さえると覚えればいいのです。これを覚えてしまえばとりあえず「ギターを弾ける」ということになります。
あとは、演奏する人の音作りの問題なのです。

新ちゃんのギターをコピーしたいという人が時々あります。
すると新ちゃんはニヤリと笑うのです。不敵な笑いです。
たいていの人は、コードをコード表のとおりに覚えます。あとは少しずつ飾りをつけて自分の音を作っていきます。
でもね、Cコードのコード表を見ればわかるように、1と2の指しか使えない新ちゃんは、このコード表のとおりには押さえたくても押さえられません。
そうすると新ちゃんには新ちゃん独特の押さえ方と弦の鳴らし方があって、それが新ちゃん独特の音作りになっています。
これは4本の指を自由に使える人にはちょっとまねができないと思うのです。
同じCでも違った音の響きになっているはずです。

> それからついでにギターの第1弦のEと第6弦のEは2オクターブということですがその中間のEはどれでしょう。

中間のEは第4弦の第2フレットです。
KIYOさんが自分で上の質問の中でCコードの音を第1弦から「ECGECE」と書いてるじゃありませんか。一番上のE、中間のE、一番下のE。全部含まれていますよ。




<ハモニカの補習>

その1 Gのハープ

ブルース・ハープにはいろいろなキーのものがあるという話はわかりましたか?
「Gの唄」に出てくる「Gのハープ」。
上のほうに書いたハモニカの穴の音の割り当てがGのハープではどうなっているでしょうか?
こうなってます。

    10
吹く音
吸う音 ファ ファ

えっ? 上のと同じじゃないかって? そう、同じなのです。
ブルース・ハープの音の割り当ては階名ではすべて上のとおりになっているのです。
つまり左から4番目の穴を吹くと、これがドの音です。
でも、Gのハープでは、これはGメジャーのドレミファですから、このドの音は音名ではGなのです。
Aのハープでは、このドの音がAの音になっています。

ここがよくわからなかった人は、もう一度「講座2」を復習してみてください。


その2 ブルース・ハープで奏でるコード

ブルース・ハープでコードを奏でる時、私が新ちゃんの演奏を聞いている限りでは、3つの音をいっぺんに吹くことはそうないと思っています。たいていは隣り合わせの音を重ねて吹いているみたいです。
ブルース・ハープの隣り合わせの音でどんなコードができるのでしょう。
Cのハープを使って考えてみましょう。
吹く音はまずCだというのは容易にわかりますね。
でも、たとえばミとソの音であれば、これはEmとしても使えます。
次に吸う音を見てましょう。
表にしました。

(Cのハープの場合)
    10
吹く音
吸う音 ファ ファ
Dm G7
G or Gm G7 Dm

ブルース・ハープは1個2000〜3000円くらいで買えるそうです。
ポケットにも入っちゃう便利な楽器です。深めれば奥が深い楽器でもあります。
新ちゃんはこれをほとんど即興で演奏しています。ライブのたびに演奏が違うのです。これがライブの楽しみでもあります。今日はどんな演奏になるんだろう?って。
新ちゃんくらいにうまく吹けるには相当練習が必要かもしれませんが、自分なりの音楽を気軽に楽しむにはとてもいい楽器かもしれません。
一度練習してみませんか?