およそ天地の間に生きとしいけるものは皆虫ならずや
、それが中に人のみいかで貴く、人のみいか成ことあるにや、(中略)天地日月のかはらぬままに、鳥も獣も魚虫も草も木も、いにしへのごとくならぬはなきこと、人ばかり形はもとの人にて、心のいにしへとことになれるはなし。(中略)
今鳥獣の目よりは、人こそわろけれ、かれに似ることなかれと教へぬべきもの也
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賀茂真淵 小林秀雄「本居宣長」より