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塩は食品の食味を向上させ貯蔵性を高め、人の体に対してはナトリウムの体液量を決め、筋肉の収縮、神経の刺激伝達にかかわり、塩素は胃液の塩酸を作るなど、生命維持(一日の最低摂取量は3〜5g)に必須のものです。また過剰摂取は高血圧の発症にもつながります。厚生省では目標摂取量を1日10g以下にと定めています。ちなみに日本人の全国平均はい人1日当たりの食塩摂取量は12.9g(1991年)となっています。
日本では岩塩が発見されず縄文時代から海水を利用し、塩田で「揚浜式」「入浜式」製法が普及した。現代では少ないエネルギーで海水から短時間に大量に塩をとる「イオン交換膜製塩法」で製塩が行われている。食用のほか、各種医療品、科学薬品、融雪剤などに利用されている。
塩の原料 
塩の原料は世界的には岩塩が70%を占めている。海水を利用する「イオン交換膜製塩法」は海水を濾過しイオン交換膜げ濃縮し、さらに真空式蒸発缶で濃縮し、遠心分離機で脱水し乾燥するもの。また日本に原料塩として輸入されたいるものは、メキシコやオーストラリアで天日製塩されたもので、これを一度溶解し、不純物を除き、再び濃縮・結晶させています。食卓塩などには固結防止と味覚の点から塩基性の炭酸マグネシュウムが添加されています。
塩の特性 
◇酸化防止作用  0.5%程度の塩水は食品の酸化と変色を防ぎ、食物中のビタミンCの酸化も防ぐ。
◇浸透圧作用    野菜や魚に食塩をふりかけ水分をしみださせる。  
◇酸化停止作用  リンゴを褐変させるポリフェノール酸素の作用を防止、青菜をゆでるときはクロロフィルの退色を防ぐ。
◇たんぱく質溶解作用  1〜2%の塩水はたんぱく質と溶かす作用があります。
                小麦粉をこねる時食塩を加えると粘りがまします。魚の練り製品では弾力を増します。
◇たんぱく質凝固作用  5%以上の塩水はたんぱく質を凝固させます。サトイモのぬめり成分も凝固させます。
◇たんぱく質凝固作用  食塩水は沸点が100℃以上ですので野菜類の細胞膜を柔らかくゆであげます。
◇防腐作用  10%以上の塩水は食品中の水分を脱水し雑菌の繁殖を抑えます。食品の加工保存に適する。
塩の販売
専売制度が廃止され、いろいろな塩が売られるようになりました。市販される食塩の種類は以下の表のものがあり、それぞれ規格が定められています。このほか塩を原料に各種の加工をした特殊用塩があります。ごま塩、ガーリックソルト、オニオンソルトなどの調理用の塩、また専売の塩ににがり分などを加えた塩も特殊用塩の一つです。
塩の種類と品質規格販売
塩種 生産方法 品質規格・用途
原塩 外国から輸入した天日製塩 NaCl 95%以上             工業原料、醤油
粉砕塩 原塩を粉砕したもの NaCl 95%以上、粒度1180μm
を越えるもの15%以下、500μmを
通過するもの40%以下        水産、漬物
漬物塩 原塩を洗浄し粉砕したもの NaCl 95%以上、リンゴ酸基準0.05%クエン酸基準
0.05%、粒度平均800μm程度    家庭用
食卓塩
ニュークッキングソルト
キッチンソルト
クッキングソルト
原塩を溶解し再製加工したもの NaCl 99%以上、炭酸マグネシュウム基準0.4%
粒度500〜300μm85%以上


                  家庭用
精製塩       〃 NaCl 99.5%以上、炭酸マグネシュウム基準0.3%
粒度500〜180μm85%以上      家庭用


NaCl 99.5%以上、
粒度500〜180μm85%以上    ハム・ソーセージ・スープ
特級精製塩 原塩を溶解し再製加工したもの NaCl 99.8%以上、
粒度500〜177μm85%以上    マヨネーズ・バター・医療用
家庭塩 イオン交換膜法によるカン水
を煮つめたもの
NaCl 95%以上、
粒度590〜250μm80%以上     家庭用
さしすせそると       〃 NaCl 98.5%以上、リン酸水素ニナトリウム
基準0.3% 炭酸マグネシュウム基準0.4%
粒度600〜150μm80%以上     家庭用
食塩       〃 NaCl 99%以上、
粒度600〜150μm80%以上
                   家庭用、水産、食品加工
並塩       〃 NaCl 95%以上、
粒度600〜150μm80%以上   味噌、漬物、
塩の料理への活用、用語
◇ふり塩  魚に塩をふりかけ、しばらく置くと、水分と臭みを抜き、魚肉を引き締める。塩焼きの前に行う。
◇塩抜き  濃く塩漬けした魚や数の子などの塩を抜くとき、1〜2%の塩水に漬ける。呼び塩(迎え塩)という。
◇塩もみ  ダイコン、キュウリなど刻み塩をふりかけてもみ、野菜の中の水分を早く取り去る。
◇塩じめ  いきのよい魚に塩を多めにまぶし、脱水とともにたんぱく質を固める(酢じめのの前などに)
◇立て塩  魚貝類を3〜4%の食塩水で洗う。(真水で洗うとうま味が抜け水っぽくなる)切り身魚には向かない。
◇化粧塩  魚を焼くとき直前に塩をふって焼くと焦げにくく、塩も白く浮んで美しく焼ける。
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砂糖
砂糖は塩と並ぶ調味料で、日本への伝来は奈良時代で、サトウキビからつくられた「かんしゃ糖」が754年、唐僧鑑真(ガンジン)の渡来によりもたらされたとわれる。江戸時代に国内生産が始められた。日本の生産量は260万トン国内生産は約80万トン約7割はオーストラリア、タイ、南アフリカ共和国、キューバから輸入されている。
砂糖の原料になる植物 
砂糖は、サトウキビ(甘しょ)、やサトウダイコン(テンサイ)の植物を原料に作られます。サトウキビはトウモロコシに似たイネ科の多年生植物である。高温多湿の熱帯や亜熱帯(赤道を中心に南北30度の間)で栽培されています。日本では沖縄、鹿児島が産地。完熟した茎葉直径2.5〜5p、高さは3m以上にもなり、糖分11〜14%を含む。
かんしゃ糖は茎を切断後、圧搾機で絞った糖汁を煮つめた茶褐色の原料糖の段階で消費地に運ばれ精製される。
サトウダイコンはテンサイまたはビートとも呼ばれるアカザ科の二年生植物。熱帯のなかでも比較的冷涼な地域で栽培され、日本では北海道が産地、根は直径10〜15p、長さ約30p、重さ0.5〜1kg、糖分は14〜17%を含む。根を薄切りにし、薄片を温湯にひたして糖分を溶け出させる。テンサイは産地が消費地に近いため、ほとんどは原料糖を作らず直接純度の高い白砂糖に精製される。
サトウカエデはカナダからアメリカ北東部に産するカエデ科の落葉高木。樹液を煮つめてメープルシロップやメープルシュガーをつくる。
砂糖と健康
砂糖は小腸で吸収されるときにブドウ糖と果糖に分解される。果糖はほとんどがぶどう糖にかわる。体内でブドウ糖は酸素と反応(燃焼)しエネルギ―となり、その際ビタミンB1が消費されます。砂糖は純度が高くビタミンなどを含まないので砂糖だけを偏食せず、種々の食品をバランスよく食べることが必要です。砂糖に限らずエネルギー源となる食品を必要以上に摂取すれば、余ったエネルギーは脂肪となって蓄積され肥満になります。肥満は成人病の要因となります。砂糖そのものが直接、肥満や成人病の原因とはなりません。過剰摂取にならないよう注意しましょう。
砂糖の機能
◇甘味の付与(調理一般に)
◇エネルギー源(3.87kcal/g)
◇たんぱく質の熱凝固抑制(プリン、卵焼きなど)
◇でん粉の老化防止(ぎゅうひなど)
◇着色・着香作用(カラメル・照り焼きなど)
◇防腐作用(砂糖漬け、ジャムなど)
◇発酵作用(パンなど)
◇油脂の酸化防止(バターケーキ、クッキーなど)

◇べクチンのゼリー形成(ジャム・マーマレードなど)
砂糖の分類
砂糖―┬分蜜糖―┬耕地白糖
     │      └原料糖(粗糖)―精製糖
     └含蜜糖 
大きく分類すると左記のように分類されます。
含蜜糖からは「黒砂糖」がつくられます。
精製糖からは「ざらめ糖」「くるま糖」「加工糖」など、また工業用として「液糖」が作られます。
◇ざらめ糖からは「白ザラ糖」「中ザラ糖」(薄黄褐色)「グラニュー糖」がつくられます
◇くるま糖からは「上白糖」「中白糖」「三温糖」(薄茶色)などがつくられます。
◇加工糖からは「角砂糖」「氷砂糖」「粉砂糖」「顆粒状糖」などがつくられます。
◇液糖は、工業用として(ショ糖型)と(50%転化型)に分類されます。
★黒砂糖はサトウキビの絞り汁をそのまま煮つめたもの(白砂糖は遠心分離機で蜜を分離します)糖度は85%
  と低いがカルシュウムや鉄分を含み甘さは強く風味があります。鹿児島・沖縄産
★白ザラ糖はざらめ糖の中でも最も上質で、菓子や果実酒に使われます。
★中ザラ糖
は薄黄褐色で風味があって煮物などに入れると味が引き立ちます。
★グラニュー糖は上白糖よりやや結晶が大きくサラサラした感じの高純度の砂糖で飲料や菓子などに使われます。
★粉砂糖は純度の高い白ざら糖やグラニュー糖などを細かくすりつぶしたものでケーキ・クッキー
  チョコレートなどのアイシング、洋菓子のデコレーションに用いられます。
★顆粒状糖は果物にかけたりプレーンヨーグルトに入れたりします、冷たい飲み物に入れてもよく溶けます。
★三温糖は上白糖より純度はやや低く薄茶色をし、灰分などを含み、甘さは強く独特の風味とこくがあります。
  煮物や佃煮に用いると独特の味わいが楽しめます。
★和三盆は(分類の中には表記せずでしたが)原料糖に少量の水を加えて練り、布袋にいれ圧搾する手作業
  を繰り返す伝統的な製法による砂糖。結晶が細かく、風味と口あたりがよい、高級和菓子用・徳島産
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醤油
今日の醤油のもととなったのは1254年に禅僧・覚心が中国から径山寺(きんざんじ・金山寺)味噌の製法を持ち帰り、紀州・湯銭で村人に教え、桶に溜まった液汁で食物を料理すると美味しいことがわかり、新しい調味料として使われ始め、醤油へと発展したと言われています。醤油は塩辛み、うま味、酸味、甘みが混然いったいとなり、バランスのとれた複雑な味をかもし出しています。塩による塩辛み、うま味の主成分はアミノ酸で、グルタミン酸、アスパラギン酸などで、酸みの主成分は乳酸でうま味を引き立てる働きをします。甘みは、糖類、グリセリン、一部のアミノ酸によるもの。他に芳香成分もあり、アルコール類、エステル類、フェノール類など300種以上の成分に及ぶといわれています。
醤油の原料 
醤油の主原料は「大豆」と「麦」と「食塩」です。味と香りは主に大豆に含まれるたんぱく質によるもので、香りは主に麦に含まれるでん粉による。
大豆の成分は重要なたんぱく質とその他に油脂も20%ほど含まれている。油脂は醸造の過程で変化し食用に向かなくなるため、原料には油脂を除去した脱脂大豆が使われる。丸大豆をそのまま使うものもある。大豆の輸入依存度は97%と高い。国内産の大豆は豆腐や納豆、味噌などに限られていて醤油用の大豆はほとんどが輸入される。
 醤油に使われる麦は国内産と輸入物で、小麦が最も多い。一部では大麦や裸麦が使われています。
食塩は85%以上が輸入ですが、醤油に使われるものの多くは国内産のものです。
醤油の製造法について
醤油の日本農業規格では、「本醸造、新式醸造、アミノ酸液混合」の3つの製造法があります。
本醸造ではたんぱく質を分解して種々のアミノ酸にする工程をすべて麹菌の酵素で行なわさせる。一方、たんぱく質の分解は科学的にも可能なので強酸で分解したものをアミノ酸液といい、たんぱく質分解酵素を使ったものを酵素処理液という。新式醸造は、醸造の途中あるいは生揚げ醤油にアミノ酸液を加えて、発酵・熟成の過程を短縮して醤油を作る方法をいう。
◇本醸造 1.大豆と麦の前処理(大豆に水を加え蒸煮・小麦を炒り、割砕)
2.製麹(せいきく)の工程   濃い食塩水を加える
3.仕込み
4.もろみの発酵・熟成(たんぱく質がペプチド、アミノ酸などに分解)
5.圧搾   生揚げ・生醤油
6.加熱(火入れ)
7.製品化の工程
醤油の調理特性
調理効果 醤油に含まれる多数のアミノ酸は食品素材の成分と助け合い相乗的に美味さを高める
昆布に含まれるグルタミン酸や鰹節に含まれるイノシン酸は醤油により美味さが引き立ちます
消臭効果 醤油には特有の醸造香がありメラノイジン反応などにより、魚の生臭さとる効果がある。
醤油の有機酸により、身が酸性にもどり引き締まったお美味しい味になります。
殺菌効果 高濃度の食塩に耐える乳酸菌や酵母によって、香りの成分や有機酸が作られる。
乳酸と高濃度の食塩による浸透圧、酸性pH、アルコールなどが関与して、強い殺菌力をもつ。
薬理効果 醤油の胃液分泌効果は食前のすまし汁に効用が認められている。
また、油脂の酸化防止効果もあり、血圧降下作用のあるヒスタミン吸収促進物質と、アンジオテンシン変換酵素阻害成分はあるといわれている。
醤油の種類
日本農業規格では醤油には、濃口醤油、淡口醤油、溜まり醤油、再仕込み醤油、白醤油の5種類がある。その他特殊なものとして、うす塩、あま塩、あさ塩と表現される塩分を抑えた醤油や減塩醤油がある。減塩醤油は腎臓病などで食塩制限が必要な人のための特殊栄養食品として認可されたものです。また、粉末醤油、つゆたれ、合わせ醤油など、さまざまな醤油加工品がつくられています。
濃口醤油
◇江戸時代に江戸を中心に発達した醤油。赤褐色で味・香りも強い。煮物から吸い物まで全国的に広く利用されています。香りが強く、魚や肉の風味をよくするのに向いている。つけると生臭さを消す効果、保存の効果もある。
淡口醤油
◇濃口に比べ、色や香りを抑えた醤油で、関西で発達した。だだし、淡口醤油のほうが濃口醤油より塩分は多い。淡口醤油は食材に色が付きにくいのが特徴で、野菜や白身の魚など、色や風味を生かした料理に向いている。醤油の香りで材料の風味を消さないうえ、みりんを加えて加熱するとよい香りがでるので、煮物・吸い物に使われる
溜まり醤油
◇醤油の原形ともいえる、独特の香りと濃厚な味をもつ。色は濃口よりもさらに濃い。主に愛知、三重、岐阜で多く使われる。原材料はほとんんどが大豆で小麦は使われていてもわずか。作り方は味噌ににている。大豆のたんぱく質からくるうま味により味は濃厚ですが麦からくる芳香に乏しい。刺身、蒲焼、佃煮、煎餅の加工などに。
再仕込み醤油
◇醤油の色は濃く、とろりとしていて、味も香りも濃厚である。食塩分は最も少なくなっている。刺身や寿司に向いている。製造法は一度出来上がった濃口醤油にさらに麹を仕込んで熟成させる。材料が2倍近く必要で、手間も倍かかるので、価格も高くなっている。
白醤油
◇淡口醤油よりさらに色が薄く、水飴の色でほとんど透明に近い。原料は麦がほとんどで大豆はわずかしか使われないのでうま味成分は少ない。糖分、塩分が多めであるが、味は淡白です。材料の色や風味を生かす料理向き。うどんのつゆや鍋料理、吸い物に向く。
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味噌
味噌の由来については中国大陸の醤(ひしお)にあると考えられている。日本では大宝律令に未醤(みしょう)という発酵食品が記録されている。これが発音から「みそ」につながっていると推測されている。味噌は日本の気候風土に左右されながら各地でそれそれ独自の味が生まれ、そのため種類が多く、麹の原料、色、味、形状でさまざまに分類される。
麹の原料による分類では、米味噌、麦味噌、豆味噌となり、大豆と米あるいは麦の配合割合、塩の量が異なっている。大豆の配合が多いものは、うま味が強く、たんぱく質、油脂、カルシュウムが多いが、米の配合が多いものは、甘くなり炭水化物が多くなる。2種類以上の味噌を混ぜたものなどうを調合味噌という。そのほか加工味噌として野菜としてのなめ味噌、粉末あるいは顆粒状の乾燥味噌などがある。1年間の1人当りの味噌の消費量は5kg強です。
味噌の原料 
大豆 味素用の大豆は粒が大きいこと、種皮が薄く臍(め)が淡色であること、吸水能力が高いこと、蒸煮大豆の色が淡いこと、香味がよく組成がやわらかく、ぱさぱさした感じがないことなどが重要です。大豆は中国産、米国産、カナダ産などほとんど輸入依存している。味噌に適した国内産の大豆も生産量が増え味噌にも使わてきているが、一定品質のものの安定供給に難があるといわれている。

米 米は国内産のうちうるち米が使われる。米麹用の好ましい条件は、粒形が均一で砕粒、被害粒、未熟米、変質米が少なく異臭のないこと、甘酒にしたとき液化性、糖化性がよく残渣(ざんさ)に芯がなく、濾液の香味が良いこと。

麦 大麦が使われる。味噌用には果皮や種皮など皮の部分が少ないこと、淡黄色で光沢に富み、芳香があるもの。外国産のものは、概してぱさぱさした感じになり、国産はきめが細かくねっとりとした味噌が得られる。

食塩 国内産の並塩が使われる。並塩は塩化ナトリウム95%以上である。

味噌の製造法について
味噌は大豆,、米あるいは麦などの原料に、麹菌、酵母菌、乳酸菌などの微生物が働いて独特の風味をつくる。麹づくりは、米味噌であれば蒸し米、麦味噌であれば蒸し麦、豆味噌であれば蒸した大豆に麹菌を育てて行う。発酵中に、麹はたんぱく質をアミノ酸やペプチドに、でん粉を糖分に変える。
米味噌・麦味噌の製造工程
◇大豆 「米みそ」
◇麦
 
仕込みは、大樽に入れ300kgもの石の重しがかけられて熟成される。
食塩は発酵を維持するための重要な原料。
豆味噌の製造工程
◇大豆


「豆みそ」


乳酸菌が発酵して乳酸をつくり、味噌を賛成に酸性にして、雑菌の増殖を防ぎ、同時に酵母の増殖を助ける。ついで、酵母が増殖し、発酵してアルコールなどの香気成分をつくる。食塩は発酵を維持し、濃度が低いと酸敗(異常発酵)を起こし、高すぎると酵母や乳酸菌の増殖が抑制され発酵が進まず、香味の醸成がみられない。

製法による色の違い

◇大豆

「赤みそ」

◇赤味噌や淡色味噌は大豆を蒸すが、白味噌では大豆を煮て、煮汁を捨てて着色を防ぐ。

◇大豆

「白みそ」

酸化を防ぐため攪拌しない

味噌の調理特性
味付け 味噌は、塩味と発酵によるうま味があいまったとても強い味をもっている。ふろふき大根のように素材の
味だけでは淡白すぎてもの足りないときには味噌味がよく合う。ただし使いすぎると仕上がりがくどくなる。
香りつけ 味噌は醸造するときに生じる強い香りをもつ、少し料理に加えるだけで、いい香りに仕上がる。加熱する
と香りは逃げやすいが、味噌焼きのように焦がすことで「香り」をつけることもできる。
消臭効果 あくのでるもの、匂いの強いものを調理するときに使うと、味噌がそれらを包み込んでやわらげる効果
がある。サバなどの魚や肉の料理に味噌を使うのはこのためです。
保存効果 有害細菌、病原菌は概して塩分に弱く、味噌に含まれる数%の塩分濃度でも時間がたてばほとんど
が死滅してしまう。塩分は酵素の働きを抑える働きもあり、味噌に漬けることで保存がきくようになる。 また、
味噌には食品に含まれる油脂の酸化を防ぐ働きもあります。

味噌の種類
麹(こうじ)の原料素材から米味噌、麦味噌、豆味噌に分けられ、いずれにも属さない味噌を調合味噌という。調合味噌には、「とうもろこし」などを麹の原料にしたものもあります。生産比率は米味噌が最も多く約80%、麦味噌10%、豆味噌と調合味噌が5%ずつとなっています。
米味噌 (白色・甘味噌)
◇白味噌のことで、西京味噌、府中味噌、讃岐味噌が代表的な味噌。色は白というよりクリーム色。米麹の量が多いので、香りが引き立ち、ふっくらした甘みがある。短期熟成型で長期保存には向かない。
米味噌 (赤色・甘味噌)
◇江戸で作られていた江戸甘味噌が有名。短期熟成型で、高い温度で仕込む。米麹の酵素作用によって、でん粉の糖化作用を促す。赤褐色で光沢があり、ある程度粘りがある。塩分は5〜7%と低い。
米味噌 (淡色・甘口味噌)
◇甘みと塩辛みがある淡黄色の味噌。味噌の甘みは米麹の量に依存しており、淡色・辛口味噌と白味噌の中間的位置を占める。静岡県を中心につくられる相白味噌が代表的なもの。
米味噌 (赤色・甘口味噌)
◇甘口味噌は甘味噌]ほど甘くはないが、糖分と塩分が多い。食塩の量は辛口味噌と同じ12〜13%ほどあり、麹の量も多いので、赤味噌の甘口に仕上がっている。徳島特産の御膳味噌が有名である。
米味噌 (淡色・辛口味噌)
◇信州味噌が代表的。発酵時に乳酸菌が多いため、多少酸味があり、色は薄めで山吹色をしている。見た目が美しく、淡色化傾向を全国的にした。長野県だけで全国の味噌生産量の3分の1近くを占める。
米味噌 (赤色・辛口味噌)
◇塩分は高いが、長期間熟成されることで塩なれし、大豆たんぱくによるうま味と芳醇な香りがある。日本の代表的な米味噌で、津軽味噌、秋田味噌、仙台味噌、越後味噌、佐渡味噌、加賀味噌などが有名。
麦味噌 (甘口味噌)
◇比較的成熟期間が短く、1〜3ヶ月である。おもに九州や中国地方で作られる。原料になる麦はハダカ麦である。色は淡色と赤色がある。熊本県や鹿児島県のものは色が淡いものが多い。
麦味噌 (辛口味噌)
◇麦麹の歩合が比較的少なく、辛口で長期熟成したもの。光沢のある赤褐色を呈し、麦味噌特有の香りとうま味がある。西日本のほか、北関東の埼玉県や栃木県で、大麦を使用した麦味噌がつくられている。
豆味噌
◇大豆と食塩を主材料にして、濃赤褐色。米味噌や麦味噌のような酵母の発酵香は少ない。渋み(収斂[しゅうれん])や苦みも豆味噌の特徴である。名古屋味噌、三州味噌、八丁味噌などが有名です。
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