2003/2/27
◎名作の力
文部科学省は大変な間抜けだ。漱石らの作品を教科書から削るらしい。
2年生に聞いた所、今年の教材で人気NO1は「こころ」。“今までではじめて国語が面白かった”という生徒もいた。確かに「こころ」の授業以降、生徒が積極的に授業に参加するようになった。
1年生は3学期に「伊豆の踊り子」をやっている。今とは全然違う「学生」の様子などハードルが高いかな?と思っていたが、授業担当者によると「食いつきがとてもいい。授業が始まったら.生徒はすぐに静かになって真剣に聞いている.。」との事。
今までで予想に反して評判のよかった小説は「城の崎にて」「津軽」「檸檬」。予想通り好評だったのは「夢十夜」「赤い繭」「沈黙」「山月記」など。
文科省は名作の力を思い知るべし。“古い”“難しい”など生徒に迎合しているように見えているが、実は生徒が名作に触れたときの反応を本当には知らないのだろう。
2002/10/10
◎「居間」
短歌に時間がかかり、5時間程度の教材を探した。教育出版のこの教科書は評論がいま三つ。(他の教材もそういいとは思わないけど)仕方なく「居間の思想」に決めたのだけど・・・

1982年出版の本から取った文章だそうだが、話が古すぎる。
現在の生徒の住宅と生活、そして家族の状況は、当時とは大幅に変わってしまっている。
個室と居間とどちらにいる時間が長いか聞くと、自分の部屋という生徒が3割。居間という生徒が3割。残りの4割は「家にいる時間はあまりない。」との答え。アルバイトは前任校(進学校)でも多くの生徒がやっていた。現任校ではそれに加えて友達との夜遊び、習い事etcで、自分の部屋にいる時間さえそう長くはないとのこと。
筆者が危機感を抱いた「家族の共同性」の崩壊はかなり進んでいると見た。
親と長い時間話すという生徒は、これはこれで自立度が低そう。
2002/10/5
◎子供は言葉をなくしつつある?
サッカーのW杯が終わった。にわかサッカーファンの私のお気に入りはドイツのカーン選手。もちろんサッカーはチームプレーだが、GKの責任の重みは特別のものがある。プレッシャーと責任の重みを一人引き受ける緊張した意志の力は魅力的だ。
さて、中間テスト以後生徒に新聞の切り抜き発表をさせている。(詳細はこちら)その中で「得点されてゴールに座り込むカーン」という記事を発表した生徒がいた。記事を読み上げた後の会話。
私「この記事を読んでどう思った?」   生徒「すごいなぁって思った。」
私「何がすごいの?」            生徒「えーっ、わからん・・・」
私「点を入れられたときどう思った?」  生徒「何も」。

そういえばこんな事もあった。「学校週休二日制の導入で中間テストが無くなる?」という記事を発表した生徒に感想を求めたところ「こんなん言ってるんやーって感じ。」と答えた。「あなたは賛成なの?反対なの?」と聞くと、またまた「わからん〜」。

これは一体何なんだろう。一週間の中で自分のアンテナに引っかかった記事を切り抜いてきたはずだから、何かを感じているはずだ。なのにそれを言葉に出来ない。あるいは言語化する習慣がない。これでは国語の力がつくわけはない。漠然と感じた感覚を漠然とした言葉で語る彼らは、例えば友達とちゃんとコミュニケーションできているのだろうか?
2002/5/18
◎新聞の切り抜き発表
歓送迎会のシーズンですね(^-^)。前任校の歓送迎会で、嬉しい話を聞きました。「朝の新聞読み」の手応えがいいという事です。生徒達は朝のショートホームルームで切り抜きが配られると、放っておいても勝手にどんどん読むらしい。
現三年生は一年次より「朝の10分間読書」の取り組みをやってきました。その延長として三年次で小論文指導の時間としたいという相談を受けたとき、新聞の切り抜きをプリントし読ませてはどうか。切り抜きは家庭欄、文化欄、社会欄の記事を中心にする。(社説は面白くない事が多い!)ということを提案していました。その後転勤することになったのですが、その実践のことを少し聞くことが出来ました。
私中間テスト後はも現任高の三年生対象で「新聞の切り抜き発表」をやらせたいと思っています。 金曜日に国語科の歓送迎会があるので、もう少し具体的な話を聞いて、自分なりのアイデアを加えて実践できる形でUPしたいと思ってます。

2002/3/21
教科書(尚学図書 現代文)について
全般的にオーソドックスで堅実、無難な感じであった。とりわけ小説が充実しているのはよかった。「枯野抄」などもやりたかったが、時間が足りませんでした。評論についてはもう少し現代的なテーマのものを充実させてほしい。結局週1単位のペースで演習プリントを使って(作って)補う必要があった。それはそれで充実していたが、生徒の側の位置づけでも教科書の作品とプリント教材とでは、受け止める重みが違うようです。また、4時間ぐらいの短い作品を幾つか入れておくと、時間調整に便利で無駄もないと思う。新年度に向けHPの整理をしなくては。来年度は転勤するので今度はまた違う角度からの内容をUPできるのではないかと思います。楽しみですが不安でもある、です。
2002/1/18

◎受験のストレス解消法
センター試験を明日にひかえ、生徒のストレスも最高潮。自律神経失調の様になり体調を崩す生徒もいれば、妙にテンション上がりっぱなしの生徒も。「試験には何を着ていくの?」と聞かれたので「正式の場だから、もちろんスーツにネクタイだよ。」と答えると真に受けられてしまった。(-_-) 余裕がないんだな。久しぶりに3年の担任を持ったが、生徒のひりひりとつらそうな心がじかにむき出しになっているような感じは以前にはなかったように思う。生徒の影響を受けてか、ここしばらく私もやや鬱。一時間目は18人欠席で20人学級。
さて、私の受験期のストレス解消法も今思えばちょっと危ないものでした。まず、ストレスが高じてくると夜中にはさみを持ち出して髪を切った。じゃきっと切り落とす感じがやみつきになり、一月ぐらいでロングが完全なショートに。じゃきっ、じゃきっと切っては無表情(多分)で鏡の中の自分を見る。これって一種の自傷行為ですね。それから食事の制限。自分の決めた通りにしか食べなかった。拒食症にまでは至らなかったけれど、摂食障害の子供の気持ちはわかる。勉強を計画通り進めるのに比べたら食事制限なんてたやすくて、簡単に自分をコントロール出来てる実感が得られ、気持ちが安定する。かなり危ないヤツだったなぁ。

その1に
「今日の授業から」 2