A・C・クラーク
ハインラインが逝き、アシモフも去った後、ただひとり世紀を越えて健在だったクラーク。2008年3月19日、ひとつの時代が終わりを告げました…
一般的には、映画「2001年宇宙の旅」の原作者としてクラークは、3人の中でもっとも名高いかもしれません。2001年を迎える時、この名を耳にしたことがある人もいるかも・・・
クラークの作品はイギリス人らしく端正。彼の作品群はおおざっぱにいえば、時間と空間をはるかに越えて人類の未来を見据えるような遠未来ものと、確かな科学知識に裏付けられたリアルな近未来ものにわかれます。
渇きの海 ★★★★★(ハヤカワ文庫)
月にあるのは、海とは名ばかりの荒涼たる風景だ。月世界観光船セレーネ号がそんな海のひとつ、驚異の「渇きの海」を運行していたとき、月はちいさなあくびをした。月にとってはほんの小さな身じろぎだった。だが・・・・・。 驚異の塵の海、「渇きの海」に沈んだ極限下のセレーネ号と必死に救出を試みる人々が繰り広げる人間ドラマ。
この作品が書かれてすでに40年。驚くべきことにいまだにこの作品はリアリティを失っていません。これを読んだときはすでに人類が月に着陸したあとでしたが、TVに写る月面よりはるかに月を実感させてくれたものです。近未来ものの傑作。
海底牧場 ★★★★★(ハヤカワ文庫)
宇宙での事故により、心に傷を負って2度と宇宙に戻れなくなった元宇宙船航空士ウォルター・フランクリン。彼はすべてを忘れ、第二の人生を送るべく世界食料機構の捕鯨局巡察隊へとやってきた・・・。 絶望から未来へと、新たな道をきりひらいていく一人の男を描いた海洋SFの傑作。
クラークは海を非常に愛しています。ダイビング歴も深く、海に注ぐ愛情は宇宙への情熱に勝るとも劣らないといいます。実を言うと、最初中学で銀背のこれを読んだときの印象は「?」というものでした。中年の男の人の、第二の人生なんてさっぱりピンとこなかったのです。しかし学校という繭を抜け、社会の厳しい波に洗われたとき、もう一度この本と出会いました・・・・・・・。もう一度、出会えて、よかった。
地球幼年期の終わり ★★★★★(創元SF文庫)
上主(オーバーロード)達はある日突然地球にやって来た。彼らは人類を保護し、導くという。事実彼らの管理下のもと、人類はかつてないほどの平和と繁栄を享受するようになる。だが果たして、決してその姿を現そうとしない彼らの真意とは何か・・・。 壮大なスケールで描かれた、人類の進化をめぐる感動の名作。
この本を読むとその途方もなさにしばらく個のスケールを忘れます。そしていいようのない深い読後感も・・・。まさにSFならではの意識の広がりを感じるのです。ラストでいつのまにか上主達に感情移入してしまうのは、私だけではないと思います。
都市と星 ★★★★★(ハヤカワ文庫)
人類が銀河を捨て、ひとつの都市=”ダイアスパー”にひきこもりはじめてから十億年。自らを記憶バンクの貯蔵パターンとした人々は、都市と共に永遠に再生をくりかえし、その生活に倦むことはなかった。ただひとり、ユニークとして生まれた青年アルヴィンを除いては・・・。 遙かな時を経て、再び星々に乗り出そうとする人類を描いた、遠未来ものの名作。
この作品でいつも思い浮かぶのは、華麗なる都市・ダイアスパーのイメージです。広大な宇宙に浮かぶ、たったひとつぶの宝石のようなダイアスパー(実はそうではないけれど)。都市と星。主題とは関係ないけど、ダイアスパーは私を捉えて離しません。
2001年宇宙の旅 ★★★★★(ハヤカワ文庫)
ヒトがおびえて暮らす獣の生活から抜け出してはや数百万年。外へ外へと、なおも知識を求めてひろがる人類は、月で奇妙なもの=TMA1を発見する。それこそは人類がかつて進化の階段を駆け上がるのに手を貸し、いままた新たな目覚めによって動き出そうとするモノリスだった・・・。 映画「2001年宇宙の旅」の原作としてあまりにも名高い作品。
映画を見たのは、本書を読んでから何年も後のことでした。私の場合、ふつう映画を先に見ると本が駄目、本を先に読むと映画が駄目なんですが、この2つは数少ない、両方優れた作品です。しかも決して鏡になることなく、それぞれ独立したメッセージを持ち、お互いを補完しあっているようにに思われ、様々な解釈を見るたびに生み出させてくれます。
2010年宇宙の旅 ★★★★★(ハヤカワ文庫)
HALの反乱によりディスカバリー号が木星軌道に失われてから10年。謎を解明できぬまま、今また安定した軌道から不可思議な動きを見せはじめているディスカバリー号を回収しようというプロジェクトが持ち上がる。が・・・。 シリーズ第二作。映画化も再びおこなわれた。
はじめからシリーズ化を予定してないかぎり、とかく二作目というものは二番煎じになりがちです。この作品を手に取ったとき、そういう不安が胸をよこぎったのは否めません。しかしそれは杞憂でした。前作のイメージを壊すことなくこの作品は独自に成立しています。その進む方向ははたしてどこに??
2061年宇宙の旅 ★★★★★(ハヤカワ文庫)
ルシファーが出現し、人類が第2の太陽を仰ぐようになってからさらに50年。ことの起こりからを知る関係者のヘイウッド・フロイドは、年老いてなおかくしゃくとハレー彗星の探査に加わっていた。が、順調に進むかと思われた探査はひとつの知らせによって中断される。それは人類が着陸することを禁じられている、エウロパからのSOSだった・・・・。 シリーズ第三作。
第三作ともなると映画の呪縛から離れ、クラークらしさがはっきりしてきます。彼のモチーフである宇宙、人類、未来がひとつの方向に向かって収斂していき、姿をあらわそうとしています。さて・・・。
3001年終局への旅 ★★★★(ハヤカワ文庫)
HALの反乱から1000年。 3001年において、それは遠い遠い過去の出来事のはずだった。 かつてHALの反乱で、ディスカバリー号から投げ出されたフランク・プールが海王星の軌道近くで発見されるまでは。長い死の眠りから呼び醒まされたプールが見たものとは・・・。 シリーズ第四作(完結)。
30年以上にわたって書かれているだけに、完結編で現れた方向は、当初とイメージが異なって見えなくもありません。2001年でのラストは、遠未来ものによく見られる人類の新たな進化を示唆しているかのようでしたが、完結編では否定的です。静かな諦念ではなく、不屈の精神で行動。考えて見ればクラークの近未来ものはこちらが普通です。30年かかってようやく本来の軌道に戻したという感があるのかも。 これが完結編と聞かされて嬉しいようなさみしいような・・・余談ですが、ほんのちらっとスーザン・キャルヴィン博士の名が出てくるあたりアシモフとの友情の深さを思わせ、不覚にも泣きました。
宇宙のランデヴー ★★★★★(ハヤカワ文庫)
2130年、空からの招かれざる訪問者を監視するスペースガード計画が感知したのは、奇妙な物体だった。彼方から近づくにつれ、やがて人類は知る。ついに姿を現しはじめたそれこそが最初の訪問者であることを・・・。 ファースト・コンタクトを扱った宇宙ものの傑作。
この作品はSFファンの琴線をくすぐります。ファースト・コンタクトとはいえ、訪問者=ラーマの創造主の姿はなく、訪れた調査隊の前に展開されるのはラーマの内部の世界のみ。なのにその過程を見るのはわくわくし、繰り広げられるラーマの驚異は知的好奇心と探求心を満足させてくれます。まさにセンス・オブ・ワンダー。その形のひとつがここにあります。
宇宙のランデヴー2 ★★★★(ハヤカワ文庫)
多くの謎を残し、ラーマが宇宙の彼方へ去ってしまってから70年。ラーマは謎だけではなく、人類社会に変化と混乱をもたらした。その試練に人類が耐え、再び立ち上がったとき、思いがけず新たなラーマがやってくる。今度こそ、と意気込む調査隊。だが・・・。 大好評だった宇宙のランデヴーの続編。
クラーク単独ではなく、ジェントリー・リーとの合作。前作を忠実に踏まえているけど、ラーマの謎もさることながら、人間ドラマに大きな焦点があたっているところが大きく異なります。その辺の微妙なカラーの違いをよしとするかどうかは個人的なところでしょう。シリーズ化も意識されて書かれており、3、4と出ています。実はこれらもまだ未読の山に埋もれています・・(^^;;
楽園の泉 ★★★★★(ハヤカワ文庫)
軌道上の一点にとどまり静止する衛星群。もしそんなひとつを宇宙ステーションとし、ケーブルを地上に向かって垂らしたなら、地球と宇宙を結ぶ壮大な宇宙エレベーターができ、誰もが簡単に宇宙へ行けるようになるだろう・・・。 星への道の実現にむけて人生を賭けた男の物語。近未来ものの傑作。
この話にはクラークが愛してやまないスリランカの伝説がモチーフのひとつとしてあらわれます。遠い過去である伝説が現在を変え、未来へと道を開く。そしてエピローグにただよう伝説の余韻は、いかにもクラークらしい終わり方を感じさせてくれます。
地球帝国 ★★★★(ハヤカワ文庫)
太陽系内に次々と人類の拠点が築かれ、繁栄するようになった2276年。タイタンのマケンジー一族三代目として知られるダンカンは、タイタンの代表としてアメリカ建国500年祭に招かれた。政治的な行事だけでなく、一族の密かな使命を帯びて彼は旅立つ。しかし、様々な経験をへて彼が選んだ道とは・・・?
イルカの島 ★★★★★(創元SF文庫)
この作品ではSETI、クローン人間といったいかにもSFらしいテーマがちりばめられ、あるべき未来のひとつの形を示してくれます。しかし、実をいうともっとも私の心の中に残ったのは作品にでてくるペントミノというパズルゲームで、それ以来ジグソー、ルービックキューブ・・・パズルのとりこになりました。
孤独な少年ジョニーは途方にくれていた。密航したホバーシップが事故にあい一人海上に取り残されてしまったのだ。じりじりと照りつける太陽。そのとき彼を救ったのはなんとイルカだった。イルカ達に助けられ、たどり着いた島で彼がつかんだ幸せとは・・・。 みずみずしい筆致で描いた海洋ものの傑作。
クラークのジュブナイル(児童もの)は少ないのですが、みな珠玉の作品ばかりです。この作品も海を愛する彼らしく、自然の驚異と畏敬の念をあますところなく描ききり、もう、大好きな作品です。児童文学として大変優れた作品ですが、大人が読んでももちろんOK。むしろ大人に読んでほしいぐらいです。
銀河帝国の崩壊 ★★★★★(創元SF文庫)
偉大だった銀河帝国が滅び、生き残った人類が<侵略者>をおそれ、地球に後退してから数億年。砂漠の都市ダイアスパーに生まれた少年アルビンは、なぜ人類が閉じこもってしまったままなのか不思議だった。他の人が決してさがそうとしない答えを求めたアルビン。彼がたどり着いた真実とは・・・。
「都市と星」の原型となったジュブナイルもの。クラーク自身はこの作品に満足せず、ストーリーの一部が重複する「都市と星」を書き下ろしましたが、私自身としては初めてクラークと出会った作品だからでしょう、こっちのほうが好みです。
宇宙島へ行く少年 ★★★★(ハヤカワ文庫)
「世界のどこへでも、ただで行けるよ。何処へ行きたい?」優勝してクイズ番組の司会者にそう聞かれたとき、彼の答えは決まっていた。「宇宙ステーションに行きたいんです」
宇宙に憧れ、旅立った少年が初めて出会う宇宙とは? いまなお輝きを失わないジュブナイルの名作。
同じくクラークのジュブナイルもの。この作品が書かれてからずいぶん時がたち、現実と異なる部分はややあります。しかし宇宙ステーションや無重力空間における技術の予見にはまったく狂いはなく、なにより宇宙に憧れ、未来を信じられたころの純粋な想いがまぶしく、かえっていまの私達の心を打つと思うのです。
火星の砂 ★★★★(ハヤカワ文庫)
SF作家ギブスンは火星への定期航路にアレース号初の乗客として乗り込み、旅だった。はじめてのロケット、はじめての宇宙、はじめての火星。ルポライターとして現実の宇宙に飛び出した彼は、やがて厳しいながらもやりがいのある火星の生活に魅了されていく。ある疑問をのぞいては・・・。
この作品で登場する主人公ギブスン。クラークはギブスンの言動のはしばしに、ちょっぴり楽屋落ちとでもいうようなエピソ−ドをつけくわえ、楽しませてくれます。いまの私たちはもう火星にはほとんど生命の見込みが少ないと知っていますが、火星がそんな無味乾燥な場所ではなかった時代の楽しい作品です。
遙かなる地球の歌 ★★★★(ハヤカワ文庫)
惑星サラッサに住む人々は破滅する太陽系から、人類の未来をかけて送り出された自動播種船の子孫だった。いつか同胞を見いだせる日が来ると誰もが思いつつ・・そしてその日はついにやって来た。破滅した地球そのものからの使者が。彼らがサラッサに望んだものは・・・。
クラークらしいアイデアに満ちあふれた作品です。正統ハードSFのど真ん中を行くクラークは何を書いてもリアリティがありますが、この作品をささえているそうしたアイデアより、私は人間ドラマのほうに重点が置かれているような気がしてなりません。後期のクラークらしいといったほうがふさわしいのかも。
星々の揺籠 ★★★★★(ハヤカワ文庫)
アメリカ海軍がフロリダ海域で、最新ミサイルを見失ったというニュースをキャッチした女性記者キャロル。彼女はスクープを取るべく早速海に乗り出した。しかしフロリダの珊瑚礁でで彼女を待っていたのは、ミサイルではなく金色に輝く異星の宇宙船だった・・・。
クラークがはじめてジェントリー・リーとの合作を行った作品。合作はしばしばそれぞれの作家のカラーを殺すけど、この作品のように、それがかえって最上の結果を生み出す場合もあります。骨格はクラークでも、肉付けが異なると、このように生き生きとした魅力も引き出されるという典型的な作品。
過ぎ去りし日々の光(上下) ★★★★(ハヤカワ文庫)
アワワールド社が発表した画期的な通信技術の”ワームカム”。時間と空間を越え、いかなる対象をも捉えることができる”ワームカム”が普及した結果、悪夢のような相互監視がはじまるが・・・。テクノロジーがもたらす人類の変革を描いた力作。
スティーヴン・バクスターとの合作。ジェントリー・リーとの合作でもそうですが、クラークらしさは人物描写などにはなく、ストーリーの骨格やアイデアにより多く見受けられるような気がします。ラストにおける人類の行く末などはいかにもクラークらしい。
グランド・バンクスの幻影 ★★★★(ハヤカワ文庫)
1912年に大西洋のグランド・バンクス沖で処女航海中沈没した、あまりにも有名な悲劇の豪華客船タイタニック号。その沈没百周年を記念して、タイタニック号を引き上げようという一大プロジェクトが持ち上がり、さまざまな人々の思惑が渦巻く2012年、いままさにプロジェクトはクライマックスを迎えようとしていた・・・。
タイタニックは英米の人々にとって特別な響きを持つ名前のようです。映画を例にみるまでもなく、この題材には人々の想像力をかきたて引きつけずにはおきません。それはSF作家であろうと例外ではありませんが、クラークはさすがにひと味ちがった作品に仕上げています。
神の鉄槌 ★★★★(ハヤカワ文庫)
2109年。空からの招かれざる訪問者を監視するスペースガード計画がついに警報を発するときが来た。カーリーと名付けられた、その恐るべき訪問者が衝突するとき地球は壊滅的な打撃を受けるだろう、と。この危機を打開すべく、最新宇宙船ゴライアス号はその小惑星にむかって飛び立ったが・・・
かつて地球をわがものにのしあるいていた恐竜が破滅したのは、巨大隕石の衝突のせいだといいます。それにまさるともおとらない、第2の巨大隕石がやってきたら私たちは果たしてそれを防げるでしょうか? 映画「ディープ・インパクト」の原案にもなったこの作品は、それが決して夢物語ばかりでないことを教えてくれます。
宇宙への序曲 ★★★★(ハヤカワ文庫)
月世界へ行く。それは人類の長年の夢だった。長い準備期間をへて、いままさに飛び立とうとするプロメテウス号。だがプロメテウス号が飛び立つまでには、まだ幾多の困難を乗り越えねばならなかった・・・。 クラーク最初の長編。現実の月着陸以前に書かれた予見的作品として名高い。
現実はしばしば予言よりはるかに進歩することもあり、凡百のSFはその洗礼を受け止めることが出来ません。しかしクラークの作品は現実と異なっても押し流されることなく、確かな知識でもってその地位を保ち続けています。それが、現実が作品を追い越してしまっても、愛し続けられる理由でしょう。
地球光 ★★★★(ハヤカワ文庫)
太陽系の開発が進み、進取の気に富む惑星連合と、老いたりといえどなお力を失わない地球政府は、重金属の資源を巡って深刻な対立を続けていた。そんなとき月基地から重要な情報が次々と漏れるという事件が発生。秘密情報部員サドラーは真相を探るべく月基地に潜入するが・・・。
植民地が母国から離れ、やがて独立するのは自然のならいとも言えます。それが宇宙時代、星間戦争をも辞さない事態になったとき、人はなにをすべきでしょうか。クラークは作品中の登場人物を通じ、人間は国家ではなく、人類全体を見据えるべきだと示唆しているようです。
太陽からの風 ★★★★(ハヤカワ文庫)
短編集。表題作「太陽からの風」は光子帆船で、大海原ならぬ宇宙空間を疾走する太陽ヨット・レースに、夢を乗せた男達を描いた名作。短編集はさまざまな作品が収められているため、原則として最高★4つとしています。
10の世界の物語 ★★★★(ハヤカワ文庫)
短編集。この中のひとつ「彗星の中へ」。コンピューターが故障し、危機に陥った宇宙船をすくった手段に思わず日本人ならニヤリとすることでしょう。
天の向こう側 ★★★★(ハヤカワ文庫)
短編集。表題作「天の向こう側」は宇宙ステーションを舞台にしたオムニバス。私としてはとぼけた奇妙な味わいの[90億の神の御名」も好きです。
前哨 ★★★★(ハヤカワ文庫)
短編集。表題作「前哨」がスタンリー・キューブッリックの目にとまり、映画「2001年宇宙の旅」のもととなったことはあまりにも有名です。
明日にとどく ★★★★(ハヤカワ文庫)
短編集。この中でもっとも名高い作品といえば「太陽系最後の日」をおいて他にはないでしょう。事実上この作品で、クラークは不動の地位をSF界に占めることとなりました。
白鹿亭綺談 ★★★★(ハヤカワ文庫)
短編集。他の短編集と違いユーモアの色彩を色濃く出した、いわば現代版トール・テイル(ほら話)です。私はお酒が苦手で、<パブ(酒場)>など行ったことはありませんが、こんなパブなら行ってみたいものです♪
スリランカから世界を眺めて ★★★★(サンリオSF文庫)
エッセイ集。サンリオSF文庫はもはや絶版となってしまったため、古書店でしか手に入りませんが、アイザック・アシモフとの抱腹絶倒な応酬や、あの「指輪物語」のJ・R・R・トールキンをともなったC・S・ルイスと、宇宙開発をめぐって酒場で対決したエピソードなど、興味深い話に満ちあふれています。
未来のプロフィル ★★★★(ハヤカワ文庫)正確な未来を予見することで名高いクラークの科学解説集。この手の解説集ではアイザック・アシモフが群を抜いて著作をものしていますが、クラークの解説も負けず劣らず見事です。お時間のある方は両者を読みくらべて、個性の違いを楽しんでみてはいかがでしょう。