実はWindows98(以下Win98)が発売される直前で、無料アップグレード特典付きに釣られて税込20万円ちょっとで 購入した。すぐにアップグレードCDを申し込んでWin98へのアップグレードをしてみたが、PHSのカードモデムが動作 しなくなってしまった。(当時会社の寮に住んでおり、部屋に電話が引けなかった)今考えれば”95→98”は大して 変わらないのだが、まだパソコン初心者かつ新しい物好きの私は、何の疑いもなくWin98にアップグレードされた パソコンを目の前に文字通り自己満足していた。(その後モデムカードは復活) 私の周りではPROTONというと「台湾のメーカー?」という答えがよく返ってくるが、れっきとした日本のメーカー である。もっともパソコンショップなどではあまりお目にかかれないので、知らないのも無理はない。たまたま秋葉原の T-Zoneに行ったときにこれが視界に飛び込んだ。初代ノートも当時の標準性能に追いつかなくなり、今度は 「Windows以外がインストールされていないパソコン」と決めていたので(初代マシンのプリインストールソフトは 駅すぱあと以外あまり使わなかった)、20万円と手頃な値段に惹かれて即購入。約1年半以上メインマシンとして 活躍したが参号機の完成によって第一線から退くことになった。しかし現在では自宅と仕事場を往復する稼働率の 高いマシンとなった。 前置きが長くなってしまったが、この2台はいずれもWindows95(以下Win95)から始まる俗にいう”Win9X”系の OSがインストールされている。Win9X系OSはそれ以前にあった、MS-DOS(文字を打ち込んで動作させるタイプの もの、現在でもMS-DOSプロンプトやコマンドプロンプトとして残されている)との互換性を保つため、もっと簡単に 言えばMS-DOS専用のソフトを動作させるために、OS根幹の一部分が古い(16ビット)ファイルで構成されている。 その他の部分は新しい(32ビット)ファイルで構成されているので実用上は問題ないが、この”古いファイル”が曲者で いろいろなトラブルなどが発生する。以下にWin9X系OSの特徴を挙げてみる。
してしまう。システムリソースはたった64KBしかないので、アプリを2,3個同時に起動しただけでも不足してしまうこと がある。解消法としては再起動が一番有効だ。
(起動できない)ことだってあり得る。それにOSの構成ファイルが破損(消滅)してしまう可能性も高い。 このようにWin9X系OSは汎用性が高いので、ほとんどの市販パソコンに採用されてきた。しかしもともとMS-DOS すなわち16ビットと32ビットのつなぎ役として登場したのがWin95であって、それが結果的には6年もの間残ることに なってしまった。これに対してフル32ビットOSとしてWindowsNT(以下WinNT)を登場させていた。WinNTの特徴としては Win9Xの長所と短所が入れ替わったものと考えるといいだろう。つまり動作しない周辺機器・ソフトが多い(最近はそう でもなくなった)代わりに、安定性が非常に高い。最初は企業を照準に販売されていたが、Win98発売後Microsoftが Windowsの統合つまり”Win9Xの廃用”を進め、一般ユーザー向けとして登場させたのがWindows2000(以下Win2K) である。しかし周辺機器・ソフトの対応が進まず、出るはずのなかった”最後のWin9X系OS”Windows Millennium Edition(以下WinME)が登場してしまった。そして正真正銘の一般向けWinNTであるWindowsXP(以下WinXP)が登場 することになった。WinMEの後継OSと思われがちだが、Win2Kのメジャーバージョンアップが正解だろう。 私も参号機製作当初Win2KとWinMEで迷ったが、所有ソフトなどとの互換性を考慮してWinMEを選択した。もっとも この時点でWinXPの発売が決定していたので、将来アップグレードすることを前提に使い慣れたWin9X系のWinMEを 選択したというのが正確な理由だろう。その後半年はやや不自由ながら普通に使ってきた。しかし別のところでも 書いたが2001年10月になってあの大流行したNimdaに感染してしまった。駆除ツールを使って一応駆除はできたが、 やはり気分的にいいとは言えないので、WinMEの再インストールをすることにした。このときWinXPの発売を目前に 控えていたので、デュアルブートつまりWinMEとWinXPの共存を図るために、ハードディスクを3分割(もちろんソフト 的に)してWinXPのインストールに備えた。 11月17日WinXPOEM版を256MBメモリと一緒に購入し、早速空白にしていたDドライブにインストール開始。しかし また同じミスを犯してしまった。おかげで10分以上余計に掛かってしまったが、小1時間掛かって何とかWinXPの インストールが完了した。一番心配だったのは周辺機器ドライバ及びソフトが動作するかどうかだったが、それぞれ WinXP用(無いものはWin2K用)をインストールして、すべて正常に動作することを確認した。しかしキーボードがなぜか 102キーボードと認識されてしまい、プロバイダのパスワードが正確に入力できず、なかなかインターネット接続ができ なかった。そこで106キーボードに変更し、大文字入力の警告を無視したところやっと認識した。WinXPが使用できる 目処が立ったので、もう一度ハードディスクをフォーマットして再インストールした(今度はミス無し)。 こうして初めてWinNT系OSに触れることになった。もっともWinXPはWin2K以前と比べて初心者でも簡単に扱える ようになっており、むしろ「管理」や「サービス」などWin9X系ではほとんど意識しなかったことに携わるようになった ことが、自分のパソコンスキルにプラスになったと思う。以下に使ってみた感想を挙げてみる。
なるので、それを解消するには定期的に再起動しなければならない。ところがWinXPではその必要が無くなった。 長時間使用してもほとんど起動した時と同じ状態を保っている。WinNT系OSの”システムリソース”(正確にはヒープ メモリ)は約3MBと大きいので、10個ぐらいウインドウを開いても何の不具合も出てこない(もちろん開くソフトにも よるが)。しかもメモリを256MB増設して、既設の256MBと合わせて512MB(チップセット=マザーボードの仕様で これが上限)になったので、なおさら安定性が増したのだろう。
らしい。時々ウインドウの切り替えがうまくいかない(時間がかかる)ことがある。しかし致命的な動作不良は一度も 起きていない。 あとWinNT系OSの特長として一台のパソコンを複数人で使用するのに適している(ファイルの保護など)が、私以外 誰も使わない(使えない)ので、このメリットの恩恵はあまり受けていない。 以上のようにWin9X系OSとの”決別”をしたわけだが、長い間お世話になったWin9X系OSには深く感謝している。 これからはWinNT系OSが主流となるので、店頭にはWin9X系のパソコンがなくなる日がやって来る。(もちろん中古 ショップでは残るが)これを読んでいる方もいずれはWinXPパソコンに買い換えるであろう。ちなみに現在ではパソコン ユーザーの約6割がWin98らしい。現状で不満が無いのならOSを変える必要はない。私のようにWin9X系の 不安定さに見切りを付けるといった理由があれば、やってみる価値はある。ただし上書きアップグレードは避けた方が よい。なぜなら旧OSの設定を保とうとするが故に、OS根幹部分のファイルが置き換えられないことがある。これでは せっかく新しいOSにしたのにあるソフトを使うと動作が不安定になる、といったことも起こり得る。では高いお金を 払って通常版パッケージを買わなければならないのか、というとそんなことはしなくてもいい。(例として)WinXPの アップグレード版CDをパソコン起動時に入れておけば、通常版と同じようにハードディスクのフォーマットから始めて くれる。インストールの途中でアップグレード対象OS(Win98など)のCDを要求されるので、CDを入れ換えてやれば よい。このときは対象OSが存在するかどうかをチェックするだけなので、古いファイルがコピーされることはない。 最後に一つ、OSのアップグレードはあくまで自己責任で実行することを理解して ほしい。これは各パソコンメーカーでもホームページなどで明言している、工場出荷時の状態しか保障できないからだ。 したがってくれぐれも「(このページを読んで)アップグレードしたら動作がおかしくなった、どうしてくれるんだ」といった クレームを私に付けるのはやめてほしい。メーカーの場合は対応ドライバなどを収録したCD-ROMを送ってくれる はずだ。あくまでメーカー指定の方法でアップグレードを試みて頂きたい。
2002年3月 9日 脱稿
2002年3月16日 加筆修正
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