2004年5月25日。 お札と切手の博物館は国立印刷局の敷地にあり、どの駅から歩いて10分以上あり、 交通の便はあまりよくありません。 でも無料なのがうれしいです。 一般的には小学校の社会見学で行く所かもしれません。 入るとすぐに『一億円もてますか』と書かれた札の下に1億円の束が置いてありました。 見本だと思いますけど、10kgあるそうです。 持ってみると、当たり前だけど、重いです。 持って走ったら、100m持たないと思います。
奥には、昔、お札の製造に使っていたらしい機械がいろいろ置いてありました。
レリーフ彫刻器は、立体画を元に、立体感のある線を引く機械です。
彩紋彫刻器は、花形などの模様を彫る機械です。
一番の貴重品と思われるのは、
平成十年六月三十日指定(歴第九三号)重要文化財のスタンホープ印刷機の様ですです。
江戸幕府がオランダから寄贈を受けた日本で最初の凸版印刷機です。
イギリス人スタンホープが発明し1800年に製品化された、
レバー装置を加圧に利用した総鉄製の手引き印刷機です。
国立印刷局はお札だけでなく、切手やパスポートや官報など、いろんなものを印刷しています。
明治時代には6年間、金唐革紙という、紙に漆や金銀などで加工した装飾壁紙も作っていました。
以降、民間の印刷会社が引き継いで製造していましたが、
機械化の波に押されて昭和37年には消えてしまいました。
この復元をしたものが飾ってありましたが、たいへんきれいでした。
他にも、お札の技術を生かした、あるいは、お札の技術を磨くための様々な美術品がありました。
見事だったのは海に浮かぶヨットを見事にすき入れだけで表現した紙などです。
すき入れだけでここまで絵が描けるのかと正直びっくりです。
この博物館はお札の偽造防止などの技術や、お札製造技術の芸術性の展示や、歴史展示をしています。
他に、世界のいろいろなお札の展示などもありトリビアネタ満載でした。
面白いところでは、関東大震災で焼け固まったお札や切手の展示がありました。
印刷局は大正12年9月の関東大震災で、工場施設とお札や切手の原版を失うという大打撃を受けたそうです。
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