2005年6月3日。 測量の日ということで、日本水準原点を見に行きました。 明け方まで降っていた雨も上がり、いい天気でした。 ついでに永田町周辺を回ってみました。
最初に向かったのは山王日枝神社です。 日枝神社は鎌倉時代が起源で、大田道灌が江戸城内に勧請した江戸第一の大社だそうです。 後に元山王(今の国立劇場)に遷移しさらに4代将軍の時に現在の溜池へと遷移したそうです。
ここは猿の神社らしいです。 山門の両脇には猿の像があり、狛犬ではなく夫婦の猿が座っていました。 でも一角には天然記念物の鶏、東天紅鶏と小国がいました。 宝物殿には刀剣や祭りの人形等がありました。 帰りがけに雨で濡れた石段を降りていると、滑って尻餅を付いてしまいました。 痛いです。危険です。
首相官邸は見学コースはなさそうで、外から見れるだけです。
現在の官邸はガラス張りの建物で、周囲は竹が植えられたり、水が流れるなど、高級住宅の感じでした。
変な親爺が声を張り上げていて、警備の警官がなだめていました。
奥には旧官邸も見えました。
首相官邸のすぐ裏手に高層ビルがあり、国土の狭さを象徴している様でした。
衆議院は紹介がないと入れませんが、参議院はふらっと行って見学する事が出来ます。 参議院の裏手の入口で申し込みをすると、サービスロビーで待つように言われました。 近くに売店があり、お土産が売っていました。 覗いてみると歴代首相の似顔絵入りの皿とか、湯飲みや栓抜きなどいろいろ売っていました。
国会議事堂は昭和11年に完成し、地下1階地上3階(中央部は4階、塔は9階)です。 といっても1階の大きさは現在の一般的建物の倍近くありそうです。 近くで見ればかなり大きな建物です。 ステンドグラス、ドアの鍵、郵便ポストを除いて全て国産だそうです。
正時になると迎えが来ました。 残念ながら建物内は撮影禁止だそうです。
見学ではまず参議院の一般傍聴席に行きました。 急な傍聴席の階段を下りて議会場を見てまず思ったのは、 テレビで見るより狭いなあという感じです。
議会場は2階にあり、国会正面から見て横向きの感じ、議長席が衆議院を見る方向になります。 つまり衆参議院議長同士は向かい合う格好になります。 国会開会式や外国要人が来て演説する際などでは議長席が取り除かれるそうです。 席数は貴族院での議員数の460席あり、現在の参議院議員定数が242議席なので、かなり空席があります。 傍聴席は皇族、衆議院議員、外国外交官席、一般、公務員、貴賓と分かれています。 皇族席が使われたのは数回しかないそうです。
参議院の天井はステンドグラスで自然光が入るようになっています。 この日は朝に国会が開かれていたので、空調が入り電気も付いていましたが、 開かれない日は止まっていて、そんな日に見学すると蒸し暑かったり暗かったりする日もあるそうです。 天井が高いので大掃除は、会期外に足場を組んでとなるそうです。
5分毎にチーンという音がなり、これは速記者の交代時間を意味するそうです。
次に天皇の御休所見学です。 御休所は国会正面玄関を入って、正面階段を上った突き当たりにあります。 見学では中には入れず、戸の外からの見ました。 97平方メートルとやや広い部屋にぽつんと1組だけ椅子と机が置いてありました。 装飾は豪華で、といっても時代が経っていました。 隣には皇族用の部屋があり、こちらはいくつも椅子が並んでいました。
国会正面ホールを見に行きました。 多分、正面ホールは2階で、3階から見ました。 衆議院側に人がいっぱいいました。 郵政関連法案の取材をしている記者らしいです。 ホールは天井まで32mの吹き抜けでとにかく天井が高いです。 隅に板垣退助、大隈重信、伊藤博文の像が立っています。 参議院側からは伊藤博文は見えませんでした。 もう1つ台座があり、ここは空席になっています。
この後中庭に出て、正面玄関で解散になりました。
目的の日本水準原点を見に行きました。
いちを国土交通省の一般公開の看板や測量の日の旗が出ていましたが、
平日に行われた事やテーマが地味なためか意図して来た人は少ないようです。
しかし都道府県パズルや立体地図などうれしいものが配られていました。
日本水準原点は日本全国の標高決定の基準として明治24年(1891年)に作られ、 それを保護するために石造平屋の建物が作られました。 建物は東京と指定有形文化財だそうです。 面積14.93平方メートル、高さ4.3メートルと小ぶりの建物ですが、 ローマ建築風の外観の特徴的な建物です。
水準原点は、普段は戸の閉まっている建物内の舟形台石にはめ込まれた水晶版に刻まれた目盛りで、 目盛りの0の位置が標高24.4140メートルと定められています。 これは東京湾の平均海面を10年ほどかけて測定し、平均海面が0メートルとなるようにしたものだそうです。 現在は油壺や、その他複数の場所の検潮所で海面測定をし、決定ているそうです。 元々はもっときりのいい数字になるように設置したのだと思いますが、 関東大震災で高さがずれて現在の数字になったそうです。 台石は赤土や砂の層を突き抜けて、10メートル以上の深さの岩石層まで届く、 コンクリート台(周囲はレンガと砂)の上に乗っていて、 地盤の上下動に対し安定するようになっています。 現在は、憲政記念館の土地の一部の様になっていますが、 明治時代はここに陸地測量部がおかれて、その一角に存在した様です。
一般公開ということで水準点に関係する展示なども行われていました。
水準、つまり高さの測定は水準原点を起点に2地点の高さの比較を繰り返して行うそうです。
高さの比較の方法は、2地点に高さを書いた棒を立て、重力方向を基準に水平に設置した望遠鏡で見て比較するそうです。
これを約50m置きに測定し、約2km間隔で主要道沿いに設置してある1等水準点の高さを決定するそうです。
2kmを往復しての測定誤差は2ミリメートルほどだそうです。
定期的に測定を行い、変動の確認・修正をしているそうです。
原始的な測定方法といった感じで、精度を出すには測定者の技術が大切な気がします。
隣に憲政記念館があったので、入って見ました。
ちょうど小学生の団体が見学が終わって出たところでした。
入館は無料ですが名前を書かされます。
中の展示はあまり興味を持てず、素通りに近くなってしまいました。
最後に最高裁判所の見学に行きました。 最高裁判所の見学は予約制で、事前に電話が必要です。 元々最高裁判所は霞ヶ関にあり、現在の建物は昭和49年3月に完成したそうです。 白い稲田御影石を多用しています。
見学者は、傍聴人同様で裏手の南門から入り、荷物はロッカーにしまいます。 傍聴の場合は、携帯やカメラなどは持ち込み不可ですが、見学時は少し緩いようでした。
見学場所は大ホールと大法廷です。 大ホールは正面玄関から入った所にある、890平方メートルの広い大ホールです。 天井の高さは40〜50mあり、建物中心の空洞になります。 壁面近くに、ギリシャ神話の法の女神を模した「正義」と、平和を意味する「椿咲く丘」の2つの像がありました。 床に円形の模様があり、その部分が定礎になるそうです。 中には定礎の字と和紙に書かれた建物の記録があると言われているそうです。
大法廷は大ホールの奥にあります。 建物の一番高い部分は、上部が天窓になっていますが、その真下が大法廷になります。 小法廷は3つあり、大ホールの横の階段を上がった所にあるそうです。 大法廷は574平方メートルとこれまた広いのです。 天井は円形の吹き抜けで外光を取り入れるようになっています。 逆に言うと日によっては暗いそうです。 入って手前が傍聴席で、奥が裁判官席になります。 裁判官席はよく写真で見るとおりです。 傍聴席からはいがいと近いように感じました。 壁面は稲田御影石が使われ石と石の間は隙間があり音を吸収するようになっているそうです。 正面は裁判の活気を意味する太陽、背面は裁判の冷静さを意味する月が書かれたタペストリが吊ってあります。 京都の西陣織で音消し効果もあるそうです。 いちを撮影禁止と言われましたが、見学が一緒だった団体の方は、 広報の方がダメですと言うにもかかわらず、許可を取ったと言って、パシャパシャ撮っていました。 許可を取ればよかったぁ・・・・。
最高裁では年間約11000件の申し立てがあり、3つの小法廷で審議されるそうです。 平日のみ1日8時間で計算すると、1件当たり30分強と短時間で処理する計算ですね。 大法廷が使われるのは年に3〜4件程度しかないそうです。 今年に入ってからは1回で、1月26日の東京都の管理者の国籍条項に関する判決のみだそうです。
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