「チューブをはずし」に挑戦する前に
@誤嚥が主な理由で経管がはずせない場合。
唾液は必ず嚥下しているから、口の中が汚いと汚れも嚥下(誤嚥)しています。肺炎を繰り返すようならその確率も高いと考えてください。しかし、ただ手をこまねいているのではなく、口腔ケアを利用して口腔機能が少しでも改善するように、積極的にアプローチしましょう。
チューブ周辺の汚染は呼吸器感染症のきっかけになります。チューブの清掃には常に注意を払いましょう。
A経口摂取だけでは十分な水分や栄養分が摂れない場合。
チューブをつけたままでの経口摂取は、のど(喉頭蓋)の動きじゃまする事を頭に入れておいてください。嚥下時の、のどの違和感はかなり強い事が想像できます。
B漫然と経管栄養を続けている場合。
経口摂取を始めようとする時、必ず嚥下障害に取り組んでいる医師や歯科医師、言語聴覚士などに診断をしてもらいましょう。
経管栄養を継続しながら嚥下訓練をします。食事の時だけ、チューブを入れるネラトン法を用いることがあります。
(長期間、経管栄養を続けていると経管依存症になり、抜管が難しくなることがある)
口腔周囲に過敏が残っている場合が多いので、過敏を取ること(脱感作)は必ずおこないます。
食物を使わない訓練(間接訓練)から始めます。必ず専門家の指示を仰いでください。
口腔ケアが行き届いていれば、唾液の汚染は最小限に押さえられるから、誤嚥してもリスクは少なくなります。口腔ケアも間接訓練のひとつとして行いましょう。