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1.教科指導・評価方法
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週休二日制で、時間割はどうなるの?
学校教育法施行規則では、中学校の教育課程は、必須教科、選択教科、道徳及び特別活動によって編成するものと規定されています。
平成14年度から実施される学習指導要領によって、中学校の時間割は、『必須教科』『道徳』『特別活動』『選択教科』『総合的な学習の時間』で編成されることになります。すでに多くの学校でこの編成に移行を始めています。
そして来年度からは土曜日は休みとなり、完全週休2日制となります。また週休2日制によって、1週間の授業時数が2時間減ります。
たとえば、中学2年生の時間割は次のようになります。 |
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月 |
火 |
水 |
木 |
金 |
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1 |
道 徳 |
英 語 |
社 会 |
音 楽 |
理 科 |
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2 |
英 語 |
理 科 |
国 語 |
美 術 |
国 語 |
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3 |
数 学 |
社 会 |
技 術 |
体 育 |
数 学 |
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4 |
体 育 |
数 学 |
家庭科 |
英 語 |
社 会 |
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5 |
理 科 |
国 語 |
学 活 |
選 択 |
総 合 |
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6 |
− |
総 合 |
− |
選 択 |
総 合 |
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また来年度からは、授業時間を各学校によって自由に組むことができるようになりました。それによって、今までは、1時間が50分だったのが、「英語は毎日やったほうがいいので毎日25分ずつやりましょう」とか、50分にとらわれない時間割が組めるようになりました。
しかし、時間割を編成する上で、クラスの数、教員の人数によって、各時間を埋めていかなければいけないので、時程が日によって違ったり、学年によって違ったりするなどの複雑な時間割は組まないと思われます。
「総合的な学習の時間」や「選択」「道徳」については別に説明していますので、そちらを参照してください。
がんばった分だけ、成績が上がる?
「絶対評価」とは?
教科指導についてですが、来年度から最も異なってくるのが、評価方法の変更です。今までは『相対評価』といって、5・4・3・2・1の割合が学年の人数によって決まっていて、集団の中でどれぐらいの位置にいるかを示す評価方法でした。
そして、新学習指導要領では、『絶対評価』といって、学習指導要領に示された到達目標に対して、その個人がどれだけ到達できたかを5段階で評価することとなりました。これによって、個人の目標設定が異なれば、筆記テストの点数が同じでも、5・4・3・2・1の評定は異なってきます。
今まで、どんなに努力しても評定が上がらなかった子は、来年度からは、がんばればがんばった分だけ評価してもらえることになります。
教員は、指導と評価を一体化することを望まれるようになります。生徒一人一人の到達度を把握し、それを適切に評価し、また後の指導に生かし、そして学習や発達を促進するという流れになります。
ところが、この評価方法には問題が何点かあります。まず保護者や生徒に分かりにくい。『あの子のほうがテストの点数は低いのに、うちの子の方が成績が悪いなんて!どういうこと?』なんてことが起こってしまうのです。ですから、学校は評価基準を明確にし、保護者会などでしっかりと説明する必要があるでしょう。そしていつでも説明できるよう、何を根拠にその評定を出したか、どのように評価したかなどの資料を準備する必要があります。これはテストの点数などの数値だけではありません。絶対評価は結果だけでなく『プロセス(過程)』も評価に加味できるからです。
もうひとつの大きな問題は、高校受験に使われる、『調査書』に記載される成績です。すなわち、内申点のもとになる成績のことです。当然通知表に記入される評定が上に述べたように『絶対評価』による成績です。しかし、現在のところ『今までどうりの相対評価による評定』か、『新学習指導要領による絶対評価による評定』かは、各都道府県で決めるようになっています。文部科学省は『各都道府県でどっちにするかは決めなさい。どっちでもいいけど、絶対評価のほうが望ましいですよ。』としています。
東京都では、「新学習指導要領に従って、15年度の受験(現中学校2年生)より調査書に記載する評定は絶対評価によるもの」と決定されました。しかし、中学校ごとに評定の基準が異なるなどの問題が残るため、検討委員会を設置するなども来年度の受験制度改正に向けて盛り込まれていますので、今後も東京都教育委員会の動向に注目していかなければいけません。
いろいろ、今回の改正で、いいこと・悪いことがあるかもしれませんが、生徒の皆さんはとりあえず『がんばったらがんばった分だけ成績が上がる』わけですから、調査書の評定がどうなるか今のところ未定ですが、目標を達成できるようがんばりましょう。
保護者の皆さんは、評価方法や評価基準について、しっかり学校の説明を聞いてください。到達目標に対してどれぐらい達成できたかの評価ですから、学校側は教科ごとの到達目標をはっきり明示するはずです。
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1.教科指導・評価方法 <目次>
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