準備品8Wまたは10Wの豆球を使用する.規格では10Wなのだが,通常のカー用品店では,このタイプのバルブは8Wまでしか置いていない. あと,樹脂製の内装リムーバがあると楽に作業ができる. 交換手順
マップランプのカバーを外すには,修理書では,カバー全体を前方に押し出しながら,カバーの前端を下方へ引く, となっているが,実際には固くてなかなかうまくいかない.解体車のように,壊れてもいいや, という気持ちでやると意外に簡単に外れるのだが,自分の車ではなかなかそこまでやれないだろう. なので,私個人としては,上に書いたように樹脂製リムーバを用いる方法を推奨する.もちろん, マイナスドライバーや金属製の内装リムーバを用いてもよいが,内装を傷つけないように注意が必要である. 結果最初に書いたとおり,純正では10Wの豆球なのだが,残念ながら現在のところ,このタイプの高効率バルブは8Wまでしか販売されていない. 10Wのノーマルと8Wの高効率だと明るさはあまり変わらないのだが,高効率タイプの方が色が少し白っぽい. というわけで,8Wの高効率タイプを使用している. |
交換手順
注意事項X80系には,車室の天井の構造が2種類ある.一つは,金属棒の骨組みに布を張った「吊天井」であり, もう一つは,天井の曲面の形になった一枚のボードをはめこんである「成形天井」である. そして,天井の種類によってマップランプユニットも異なっている.その写真を下に示す. 上が吊天井用,下が成形天井用である.なので,解体車からマップランプASSYを取ってくる場合, 自分の車と同じタイプのマップランプを取ってこないといけない.同様に,天井を吊天井から成形天井に変更するような場合も, マップランプASSYを天井のタイプに合わせたものに変更する必要がある. ベースの部分は,ボタンの大きさ以外は同じのように見える.裏から見てみると, 配線の接続位置が異なっているが,電気回路としては等価であり,単に製造時期などの違いと思わる. というわけで,やはりほとんど同じようである.ただ,横から見てみると, 固定用のクリップの形が少し違う(左:吊天井用,右:成形天井用). このクリップだけを交換することも可能ではあるが,八幡では吊天井,成形天井とも解体車はたくさんあり, わざわざ違うタイプのランプを流用するまでもないだろう. ボタン部分の外し方はずしたランプASSYを清掃しようとしたり,色違いのランプASSYを流用したい場合, ボタン部分がなにかと邪魔になる.このボタン部分だけ外せれば,ボタン部分を念入りに洗ったり, 色違いのボタンに取り替えたりできる.というわけでやってみたのが,下の写真. ボタンは,スイッチのシャフト部に小さな爪(○内)でとまっているので, これを精密ドライバーなどを使って爪を押し下げながらボタンを引っ張る(爪は表裏の2カ所にあるので, 表の爪がはずれて少し傾いた状態のまま裏の爪を押し下げて引き抜くようにする)と,ボタンが抜ける(上写真右側). |
概要LEDの特徴については,すでに別のページで述べているので, ここではあまり詳しくは書かないが,簡単に言うと通常の白熱電球に比べて「より白い(蒼白)・明るい・低消費電力・長寿命」 といった特徴がある.今回は「明るさ」と「白さ」(要するに見た目ということか)を目的として, この改造を行った.(この前にルームランプLED化をすでに実施しており, マップランプもLED化しないと釣り合いがとれない,ということもあった.) 設計設計にあたって,とりあえず何個くらいのLEDが搭載可能かどうか検討をつけないといけないので, まずマップランプユニットの内部に合う大きさの基盤を切り出した.LEDを実際に並べてみたところでは, 片側につき36個くらいのLEDが搭載可能と思われた.また定電圧回路は中央部のスイッチの前方に配置することにしたが, マップランプユニットは高さがあるので,レギュレータICは立てて実装することができそうだった. こちらも基盤を切り出してきて,部品を仮配置してみた.そうすると,だいたい下の写真のようなイメージになりそうだった. 点灯回路としては,他のルームランプLED化などと同じように, 別ページで解説したものをそのまま使用する.片側につきLEDが36個であると12回路並列ということだが, このときの消費電流は250mAくらいになり,ほぼ78DL12Sの最大定格になっている.これでは余裕がなさすぎるので, 78DL12Sを片側につき2個,合計4個使用することになった. あとマップランプはスイッチにより左右が独立で点くようになっていて, その配線は,左右のランプのプラス側が共通で,マイナス側でスイッチするような仕組みになっている. |
これらを考えに入れて,最終的な基盤のパターン図は, このようになった(サイズが大きいので別ウィンドウで表示). 製作まず,ランプユニット自体の加工を行う.各ランプの外側電極・兼・反射板を取り外す. 下の写真のように2カ所でリベット留めされているので,ドリルなどでリベットを削り,反射板を取り外す. |
残った中心側電極は,邪魔にならないように曲げておく.横に,配線をくくりつけるのに使えそうな突起があることに注意 (下の写真▲). それでは,設計したパターン図に従って,LEDを並べてハンダ付けしていく.なお,ルームランプの場合は, 光が広く拡散してほしかったので,LED頂部を削って平らにしたのであるが,マップランプの場合は, 夜間にナビゲーターが走行中に地図を見る時に,ドライバーがマップランプの光を眩しく感じないように, 光はドライバー/ナビゲータの手元を集中的に照らして周囲に拡散しないようにしないといけないから, LEDは削らずにそのまま使用している. あと同じように1列ずつハンダ付けしていって,36個全部ハンダ付けしたのが,下の写真である. 続いて,定電圧回路のハンダ付けを行う.実装面積を減らすために,発振防止用のコンデンサはレギュレータICの足元に配置した. マップランプは,ドライバー/ナビゲータの手元を集中的に照らす必要があるから, そのためにはLEDの光軸をかなり外向けに曲げてやらないといけない.ただ,あまり外側に向けると, カバーのレンズ部のサイズを超えてしまうので,加減が必要である. 上の写真で,後ろにカバーが写っているが,それを見るとカバーのレンズ部分の外縁は, だいたい紫線のあたりであるので,その手前あたりを狙うようにしてLEDを外側に曲げる. 上の写真のように,外側のLEDは曲げ角が浅く,内側になるほど深く曲げるようにする. 次に,これはあまり本質的ではないが,少しでもランプの照射効率を上げるために, 反射材としてランプハウス内面にアルミテープを貼っておいた. 次は,各ユニット間の配線の準備として,まずLED基盤から定電圧回路に向かうリード線をハンダ付けする. 長さは,この段階では少し長めにしておいて,あとで定電圧回路にハンダ付けする時に必要な長さに切りつめればよい. この時点で,LEDが全部,ちゃんと点灯するかどうか点検しておく方がよい. 問題ないことがわかれば,LED基盤全体の腐食防止と振動によるクラックなどを防止するため, 両面ともシリコーンシーラントを全面に塗って乾燥させる. LED基盤からのリード線も,同じ穴を通して引き込むようにする. リード線の引き通し後,LED基盤はランプユニットに接着してしまう.今回もシリコーンシーラントで接着した. このマイナス側の配線は,このあとユニット表側に引き出して,LED基盤側の配線などとともに, 定電圧回路基盤にハンダ付けする. あと点灯テストを行い,問題なければ定電圧回路基盤をランプユニットに接着して完成である. 最終的に完成した状態は下の写真のようになった. あとの取り付けについては,マップランプASSY交換の項を参照. 結果なかなか明るいし,すでにLED化してあったルームランプとよく調和している. ただ,もう少し光軸が外側に向けたつもりだったのだが,あまり外向きになっておらず, 座席の内側端あたりになっているようだ.おかげでルームランプとの中間にあたるシフトノブ付近は非常に明るい. といっても,運転中に助手席側を点灯させた場合にまぶしいというほどではないので,まぁ,よいだろう. 消費電力も,両方とも点灯させた状態で約7Wであり,純正の10W×2の半分以下に抑えられている. |
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