気を取り直して、武具屋リストを見せた途端に爆笑された。

 

「あっはっは、物価高っいねー」

「笑い事か!?」

「笑うしかないっていうか。あーこれじゃあ全部そろえるのは無理だね。良いの揃ってるのに惜しいな」

「槍は使えるか?」

「へ?あ、うん一応」

「なら、買うか。魔物が溜め込んでた光物と、その棍棒売れば足りるだろう。いいか?」

「売るのにも買うのにも異論ないけど、飛鳥ちゃんが使った方が良くない?僕は君の銅の剣でさ」

「雑魚くらい一撃で倒してもらわないと困る」

「・・・・・・了解。確かにいつまでもただの『薬草いらず』でいたかないしね」

 2回しか唱えられないなら薬草も要るだろう。と言いかけたけれど、さすがに飲み込んだ。

 けれど顔には出ていたらしく、ジト目で睨まれた。

「初めて実戦したから・・・・・・・・・ちょっと感覚掴めてきた。

 ここでゆっくり休んで魔力全快したら、明日はもっと回数いけると思う」

「今日も、1人より楽だったぞ」

 これは本音だ。

 力が弱い所為で決定打に欠けるし重い鎧も身に着けられないが、その分飛鳥よりも素早い。

 飛鳥の倒しきれなかった一体の止めを刺した事もあったし、一度だけだが飛鳥よりも魔物よりも早くに回復魔法を掛けてもらって九死に一生を得たりもした。

 

 

 

「・・・・・・・・・思ったより優しいよね、君って」

「さっさと寝ろ!」

「はーい。・・・・・・・・・あ、そうだ」

「何だ」

 ちょいちょい。指で呼ばれて近寄ると、羽鳥の顔が更に近付いて・・・・・・頬に柔らかな感触。

「え・・・な・・・・・・」

「もう家族みたいなもんだしね。おやすみ飛鳥ちゃん」

 ちゅ、と可愛らしい音が何かを理解する前に、笑みと共にそう言った羽鳥は早々に布団を被ってしまった。

 余程疲れていたのか、すぐに何事も無かったように寝息を立て始める姿を呆然と見つめて、

 

「国民性の違いか・・・・・・?」

 そう呟くしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

あー、羽鳥だなぁ。紛れも無く。飛鳥はまだローレのようですが。ちょーこもそろそろ出番なのでもうすぐだとは思いますが。

今回短すぎですか?前の話と合わせて一話のつもりでしたからねぇ。でも区切った方が良さげだったんですもの。ノリが。