http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/index.html 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃_┌───┐ 中学英単語 第466回 wall ┃ ┃_│\☆/│ ┃ ┃ └───┘ 20131216 毎週月曜日発行 Chick Tack ┃ ┗━━┳┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳┳━━┛ ┃┃ ┃┃ ┗┛ ┗┛ ∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩ 466.wall <発音>―――――――――――――――――――――――――――――――― ★[w⊃:l ウォール][wα:l ワール(一部米)] <品詞と意味>――――――――――――――――――――――――――――― ★[名詞] {複数形:walls[-z ウォールズ;ワールズ]} ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ☆(1)壁(かべ)、塀(へい)、城壁 〔数えられる名詞〕 Humpty Dumpty sat on a wall, Humpty Dumpty had a great fall.(中1〜2) (Mother Goose or the Old Nursery Rhymes) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/referw01.html#goose 「ハンプティ・ダンプティ、塀に座った。 ハンプティ・ダンプティ、ドスンと落ちた」 ←「ハンプティ・ダンプティは、大きな落下を持った」 一部の教科書には出ています。文字通り「塀の上」なので on を使っていま す。 wall と fall は、最後を -all と揃えています。韻(いん)を踏んでいる のです。 歌を聴くと sat on a wall の部分は sato na wall[サト・ナ・ウォー]の ように聞こえ、had a の部分は hada[ハダ]と聞こえます。 There were some lovely pictures on the wall.《中2》 (“LONGMAN Active Study Dictionary 5th Edition”Pearson Education) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#lasd 「壁に何枚かの美しい絵が掛かっていました」 ←「壁の上に何枚かのすてきな絵[写真]がありました」 there is[are]... の構文については、下記で学習してください。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/further/therebe.html 「壁にかかっている」という意味は on the wall で表します。「接着」の on といって、くっ付いていることを表します。上でも、下でも、横でも、 くっ付いていれば on が使えます。天井にポスターが貼ってあっても on を 使います。http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/056on.html The fly on the wall is watching us.《中1》 「天井にとまっているハエが私たちを観ているよ」 表す意味によって wall の前に in, into が使われることもあります。 He went, not to the door, but to a panel in the wall.《中3〜高校》 (“The Prisoner of Zenda” by Anthony Hope) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer04.html#poz 「彼はドアの方ではなく、壁に組み込まれた飾り板の1枚に向かって行った」 壁に組み込まれているので in なのでしょう。 物語の中で、このパネルは秘密のドアとなっていて、隠し廊下・部屋に通じ ています。 not 〜 but... は「〜ではなく……」という意味を表す構文です。 ...she ran back into the wall and.... (“Mother Goose in Prose” by L. Frank Baum) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/referw01.html#goose 「彼女は壁の中へ走って戻った。そして……」 she は「お母さんネズミ」を指しています。壁の中に家があるのですね。 Hickory Dickory Dock という歌の内容を説明する物語中の一節です。 この他、 ・along a wall「壁[塀]に沿って」、 ・against a wall「壁に向かって」 ・between walls「壁の間で」 など、いろいろな〔前置詞〕が置かれます。 You must paint the wall.《中2》 「あなたはその壁[塀]にペンキを塗らなければいけません」 She built a stone wall around her garden. (HEINLE'S Newbury House Dictionary of American English) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/onlineeed.html#hnhdae 「彼女は自分の庭の周りに石塀を建てた」 前に材質を表す〔名詞〕を置いて使うことができます。 The Great Wall has an incomparable symbolic significance in the history of China.(ユネスコの世界遺産「万里の長城」のページより) 《中1》 http://whc.unesco.org/en/list/438 「万里の長城は中国の歴史の中で、他とは比べられない象徴的な意味を持っ ています」 「万里の長城は中国の歴史の中でも、最も中国らしさを示していて重要です」 「万里の長城」は the Great Wall (of China) と呼ばれています。 What do you do when you hit the wall at work?《中2》 (“Oxford ADVANCED LEARNER'S Dictionary 8th edition”) (“Oxford ADVANCED AMERICAN Dictionary: For Learners of English”) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#oald 「仕事で壁にぶち当たったとき、あなたは何をしますか」 「仕事で壁にぶつかったら、あなたはどうしますか[していますか]」 日本語でも使うように、英語でも比喩的に wall を用いることができます。 <教科書採用状況>――――――――――――――――――――――――――― ★★★☆☆☆ 3/6 wall の教科書本文採用は半数の3社です。 <語源>―――――――――――――――――――――――――――――――― wall は、ラテン語からの借り入れ語で、古英語では地方により wall であ ったり weall という形で使われました。当時は「城壁」や「防壁」という 意味で使われていました。 一般的な「壁」「塀」という意味では、古英語期からの wough というのが 利用されてきました。wall は古英語期にこの意味を獲得し、中英語期に wough にとって代わりました。 wall のもとになったラテン語 vallum は、「杭(くい)」という意味の vallus からできました。境界や標識を示す「杭」が、横木などでつながれ 「柵(さく)」ができ、境界線や防塁になっていったのではないでしょうか。 「壁を造る」という動詞は名詞から作られ、中英語期に walle(n) という形 で使われました。 wall のインド・ヨーロッパ祖語の祖先語は、「杭」「柱」という意味を持 っていたようです。 現代英語の interval「間隔」「間の時間」「インターバル」は「城壁 (val)の間(inter)の長さ」のことで、これが時間に適用されたものだと思 います。val はラテン語の形に似ていますね。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ 「壁」という漢字は「辟(ヘキ)」で音を表し、「土」で素材を表している と考えられます。 「辟」には「法」や「避ける」という意味があり、「風を避けるように土で つくった物」=「壁」という関係が成り立ちます。 別の説では、「辟」の「辛」は、取っ手の付いた細い曲がった刀のことを表 すとしています。この刀で腰の肉を切り取る刑罰が「辟」なのだそうです。、 「尸」が肉を切り取られた人を横から見た形で、「口」が切り取られた「肉」 を表しているといいます。削り取られて、真っ直ぐになった形を「壁」が表 しているとでもいうのでしょうか。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ 日本語の「かべ」は、「垣隔(かへ)」からできたとするのが有力です。 「構隔(かきへ)」「垣方(かきへ)」からできたとする説や、「家隔(か へ)」からできたとする説もあります。 「隔(へだ)てる」を使わない説もいくつかありますが、「隔」を「へ」→ 「べ」に読んで使うのが一番多いようです。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 次回は want です。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― このメールマガジンは、“まぐまぐ!”を利用して配信されています。 http://www.mag2.com/ 当メールマガジンは、無料でお読みいただけます。 このメールマガジンの登録・解除は、下記のページからお願いします。 http://www.mag2.com/m/0000139181.html バックナンバーは、下記のページのリンクからご覧ください。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/index.html もっと難しいものをお読みになりたい方は、『英語の文法と語法』の配信を申 し込んでください。 http://www.mag2.com/m/0000190027.html ∈≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡∋ <(` ) Chick Tack ( ) E-Mail Address : mit_desde1994@ hotmail.com / | 魔笛を観に行こう: http://tatsuku.web.fc2.com/ ∋ ∈ Chick Tack 英語5文型: http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/ 愛知哲仁 の ギリシア哲学への招待状:http://philos.fc2web.com/ ∈≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡∋ メール・アドレスは、コピーして、あて先欄に貼り付けてから、@ と hotmail の間の半角スペースを削除してください。面倒かけます。 ┛ おすすめ英会話・英語教材や無料サービスなどの紹介ページ ┛ http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/recommend.html ┛ ┛ ◆あとがき◆ 文部科学省は先日、『グローバル化に対応した英語教育改革実施計画』を発表 しました。 2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えて、段階的に英語教育の 改革を実施していくようです。 すぐにはできないので、現在の中学生の方には適用はないかもしれませんが、 「英語の授業を英語で行う」というのが一番の変更点でしょう。 これ、生徒の皆さんより、英語の先生の方が大変です。今後、研修や勉強会等 が頻繁に開かれるようになり、ただでさえ忙しい先生が、さらに忙しくなると 考えられます。1時限の英語の授業の準備にも、時間がかかることでしょう。 「外国人と普通に会話できるような能力を身に着ける英語教育にして欲しい」 という要望に応えたものです。目標は立派ですが、「言うは易(やす)く、行 (おこな)うは難(かた)し」です。 皆さんも一生懸命英語を学習して、先生に協力してあげましょう。それが励み になると思いますよ。 ・・・‥‥……──────────────────────……‥‥・・・ (c) Matsumiya Institute of Thinking 2013 ・・・‥‥……──────────────────────……‥‥・・・ |