Chick Tack 英語5文型  >  メール・マガジン『中学英単語』  >  451号〜500号目次  >  468 warm

warm

     http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/index.html
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┃_┌───┐ 中学英単語   第468回   warm            ┃
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468.warm



<発音>――――――――――――――――――――――――――――――――
★[w⊃:rm ウォーム(米)][w⊃:m ウォーム(英)]

  a の部分は、アルファベット読みの[eI エイ]と発音するか、ローマ字
  読みの[ae ァエ][α:アー]と発音するのが普通です。

  私は中学生のとき、a の文字を[オ]に聞こえるように発音をするのが納得
  できませんでした。

  walk と work では、逆の発音をしてしまうことが、かなりありました。考
  えてみたら l と r の違いもあります。発音練習が足りなかったのでしょう。

  皆さんは発音練習をするときに、つづりも眺めて、視覚と聴覚を一致させな
  がらやってください。発音は発音だけ、つづりはつづりだけという学習法は
  総合的に考えて不利です。

  話は戻りますが、a の部分を[⊃: オー]と発音する単語はたくさんあり
  ます。先ほど出てきた walk「歩く」をはじめ、call「呼ぶ」「電話する」、
  want「欲しい」(別の発音もあります)などが例です。

  call には当てはまりませんが、[ae]の音は、w, wh, qu の後ろでは
  [⊃:]に変化します。特に知っている必要はありませんが、疑問に思われ
  た方は参考にしてください。


<品詞と意味>―――――――――――――――――――――――――――――
★[形容詞]  {比較級:warmer}{最上級:warmest}

                         {対になる語:cool}


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☆(1)暖かい、温かい、温暖な

 It's warm today.「今日は暖かい」《中1》

  it は天気・天候・時間・寒暖・明暗などを表すときの〔主語〕です。日本
  語には訳しません。
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/046it.html

  気温は低い方から順に高い方に並べると、cold, cool, warm, hot となりま
  す。必ずしも客観的な基準があるのではなく、話し手の主観が優先されます。

  warm は「少し暑いくらい」の状況でも使われるようです。

 I prefer the warm weather of spring and early summer.《中1〜2》
  (“Scholastic Children's Thesaurus”John K. Bollard)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/referw01.html#sct
   「私は、春と初夏の温暖な天候が好きです」

  prefer は「好き」という意味ですが、「何かと比べると好き」という意味
  でよく利用されます。この場合も、他の季節の気候が意識されているのでし
  ょう。

 They prepared a warm meal for me.《中1〜2》
  「彼ら[彼女たち]は、私のために温かい食事を用意してくれた」

  食べ物や水などが「温かい」という場合にも warm を使います。

 It's cold outside, so you had better put on a warm coat.
  (“Advanced Grammar in Use”1999版本 by Martin Hewings, CUP)
   「外は寒いよ。だから、(あなたは)暖かいコートを着た方がいいよ」

  衣服が「暖かい」という意味でも使えます。

 Those gloves look nice and warm.
 (“Cambridge Advanced Learner's Dictionary 2nd edition”)
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#cald
  「あ(れら)の手袋は素敵に見えて、暖かく見える」
  「その手袋は、素材がよくて暖かそうね」

  “look 形容詞”は次のページで学習できます。
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/2ndpat.html
  「形容詞のように見える」という意味になります。

 I was warm after jogging.《中2〜3》
  (“The AMERICAN HERITAGE Children's Dictionary”Houghton Mifflin)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/dicchild.html#heri
   「私はジョギングのあとで、体が温かかった」
   「ジョギングのあと、私は体がほてった」

  人間の「体」も warm の状態になります。次は「心」が warm。

 Her friends love her for her warm personality. 
 (HEINLE'S Newbury House Dictionary of American English)
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/onlineeed.html#hnhdae
  「彼女の友達は、彼女の温かい人柄(ひとがら)のために、彼女を愛してい
   ます」
  「彼女は思いやりのある人なので、友達は彼女のことが大好きです」

  「温かい」人に対しても用いられます。辞書によっては「思いやりがある」
  と訳語を載せている場合があります。

  「心温まる話」のことを「ハートウォーミングな物語」と表現しているもの
  を見たり聞いたりしたことがあります。


 …………………………………………………………………………………………

★[動詞]    {三人称単数現在形:warms[-z ウォームズ]}
         {過去・過去分詞形:warmed[-d ウォームドゥ]}
         {動名詞・現在分詞形:warming[-Iη ウォーミング]}

                         {対になる語:cool}

              {関連語句:global warming「地球温暖化」}


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☆(1)暖める、温める     〔他動詞〕

 The sun warms the earth.「太陽は地球を暖める」《中1》
  (研究社『ルミナス英和辞典第2版』竹林滋;小島義郎;東信行;赤須薫編)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#lej

  〔動詞〕の使い方もあります。この文では〔他動詞〕として働いています。
  S warms O. で「SはOを温める[温める]」という意味になります。

 Come in and warm yourself by the fire.《中1》
  (Merriam-Webster's English Learner's Online Dictionary)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/onlineeed.html#mwl
   「中に来て、その火のそばであなた自身を暖めなさい」
   →「中に入って、火のそばで体を暖めなさい」

  昔なら by the fire は「炉端(ろばた)で」や「暖炉(だんろ)のそばで」
  とでも訳すのでしょうが、これは状況により判断してください。

  ホームセンターに行くと、薪(まき)ストーブを見かけます。欲しい気もす
  るのですが、どこかに穴をあけて煙突を通すとなると……。


 It's getting colder. Please warm up the room.《中2》
  「だんだん寒くなってきました。部屋を暖めてください」

  colder and colder で「だんだん寒く」「ますます寒く」という意味を表せ
  ます。今回は〔進行形〕+〔比較級1つ〕で寒さが増している状況を表しま
  した。

  “get 形容詞”で「形容詞の状態になる」という意味になります。
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/201-250/221get.html

  warm up と up を添えて「暖める」「温める」を表すこともよくあります。
  「ウォーミング・アップ」は「体を温める」ことですね。「ウォーム・アッ
  プ」という日本語の使い方も増えてきました。


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☆(2)暖まる、温まる     〔自動詞〕

 Drink this and you'll soon warm up.《中2》
 (“Macmillan English Dictionary: For Advanced Learners of American 
   English”Palgrave Macmillan)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#meda
   「これを飲みなさい。そうすれば、あなたはすぐに暖かくなりますよ」

  warm (up) は〔自動詞〕の使い方もあります。S warms (up). で「Sが暖
  [温]まる」という意味になります。〔主語〕自身が暖[温]まります。

  “命令文, and....”で「〜しなさい。そうすれば……」という構文です。
  コンマを使うことを推薦しますが、例文のように使っていないものもありま
  す。

 Stew is warming (up) in the microwave oven.《中1》
  「シチューが電子レンジの中で温まっているところです」
  →「電子レンジでシチューを温めている最中です」
   「電子レンジでシチューを温めているところです」


<教科書採用状況>―――――――――――――――――――――――――――

  ★★★★★★ 6/6

  1年初出1社、2年初出5社です。


<語源>――――――――――――――――――――――――――――――――

  warm は、動詞よりも形容詞の使用例の方が先でした。ゲルマン語起源の言
  葉で、古英語期は wearm の形で使われました。

  中英語期には werm か warm の形になり、現在の warm につながります。

  古サクソン語・古フリースランド語・中世オランダ語・古高地ドイツ語は
  いずれも warm という形で使われました。

  現代ドイツ語やオランダ語も warm です。

  スウェーデン語・ノルウェー語は varm。古北欧語は varmr でした。

  hot と warm を区別したのは、今まで出てきたゲルマン語諸語とバルト・ス
  ラブ語系の言語です。

  ラテン語系言語やギリシャ語は、両方の意味を1語で表していたようです。


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  動詞の方は、古英語期に形容詞の形から werman, wirman, wyrman を他動詞
  に、wearmian を自動詞として作りました。

  中英語期には warmen, wermen となり、現在の warm につながります。
                  ..
  現代ドイツ語の同じ意味の動詞は warmen で、オランダ語は verwarmen、
           ..
  スウェーデン語は varma です。


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  私がよく使うインド・ヨーロッパ祖語辞典“The American Heritage(R)
  Dictionary of Indo-European Roots”には warm の祖先語は載っていませ
  んが、warm や heat「熱」の意味を表す gwher- という語要素が出ています。
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ier

  この辞書によると、この祖語から古ペルシア語の4番目の月の名前(西洋で
  は6月か7月の時期に当たります)Garmapada- が「熱」という意味からで
  きているようです。また、アルメニア語の jerm というのは「暖かい」とい
  う意味だそうです。

  サーモスかテルモスという携帯魔法瓶の会社か商標はご存知ですか。持って
  いる方もいると思います。これはギリシャ語の thermos「暖かい」が語源で
  す。つづりがかけ離れていますが、gwher- の子孫語だとされています。

  医療機器製造販売のテルモ(TERUMO)の名前も聞かれたことがあるでしょう。
  我が家の体組成計や体温計・血圧計はOMRON製ですが、以前使用していた仁
  丹体温計は、このTERUMOの前身の会社が作ったものです。ドイツ語の「体温
  計」の意味を持つ Thermometer からきています。

  古アイルランドやヒッタイト語・古教会スラブ語にも子孫語が広がっていま
  す。「熱」を加えることから「料理する」「煮る」という意味の語にまで影
  響しているようです。

  英語もいくつかあるのですが、意外な単語を一つ。brand「ブランド」です。
  このブランドとは「ブランドマーク」から来ています。家畜などを識別する
  ため、体に「焼印」を押しました。「熱」を加えて焦がして模様を作るので
  すね。


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  「暖かい」と「温かい」の違いとも関係するのですが、漢字「暖」は「日」
  偏です。太陽が当たって暖かいことを表します。本来は「煖」という字で、
  さらに別の字が先にあったと考えられ、その旁の方は、神に仕える人のこと
  を描いた文字のようです。その人を火で燃やして雨乞いをした、という恐ろ
  しい説があります。

  「温」の方は「さんずい」偏です。水が温かかったり、水がこもって温かい
  という意味を表します。旁(つくり)の方は、「褞」の右側がもとの字で、
  お皿のような器の上に何かが載せられて、それが熱せられて温められた様子
  を表しています。

  日本語では「人や物」は「温かい」を使い、「気温」には「暖かい」を使う
  ことが多いようです。セーターなどは「暖かい」を使うことが多いようです。
  それを着ると、服と人との間の空間にある空気の温度が上がるからでしょう
  か。


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次回は wash です。
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◆あとがき◆

 野球やサッカーなどの団体競技で、「ベンチを温める」という表現で、めった
 に試合に出ない補欠選手を指すことがありますね。ずっと座っているので、 
 シートが温まったり、周りの空気が暖まるのですね。

 初めて意味がわかったときは、「なるほど」と感心しました。今回 warm を調
 べていたら、どうも英語に起源があるようです。野球から始まったんでしょう
 ね。

  The young outfielder warmed the bench for the Yankees last season.
  (“Random House Webster's Unabridged Dictionary 2nd”)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#rhwud
    「その若い外野手は昨シーズン、ヤンキースのベンチを温めていた」
    「その若い外野手は昨シーズン、ヤンキースの補欠選手だった」


 1月6日はお休みします。次回は1月13日(月:成人の日)に発行予定です。

 暖かくして、よいお年をお迎えください。 (゜-^*)/~


・・・‥‥……──────────────────────……‥‥・・・
        (c) Matsumiya Institute of Thinking 2013
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