犯罪・事件
喉を詰まらせたドーベルマン 試着室 覗かれていた 臓器泥棒
ボーイフレンドの死 舐められた手 泣かない赤ちゃん ディズニーランド誘拐事件
勝手に養子 レイプ事件 怪しい警官 ショッピングセンターのトイレ
アラブ人の恩返し 死刑執行→無罪放免? ベッドの下に 秘密結社あれこれ
共通点 白木屋ズロース伝説 16連射の男 昭和はなかった
お風呂と大使館 血が足りない O-157の発生源は? 晒される死体
あるブログの炎上


 のどを詰まらせたドーベルマン

 ある婦人が仕事から帰ると、飼っていた大きなドーベルマンが床に横たわりあえいでいた。 彼女はすぐにドーベルマンを車に乗せて獣医のもとに向かった。しかし、獣医にも呼吸困難の原因がわからなかったので、犬が呼吸できるようにするために器官を切開し、のどにチューブを入れなければならないと言った。そして、その手術は見るにしのびないものだと獣医は説明し、ドーベルマンを一晩預けて自分は家に帰ったほうがいい、とも婦人に告げた。
 婦人が家に帰ると電話が鳴っていた。電話に出てみると先ほどの獣医からで、彼が言うには「すぐ家から出るんだ!隣の家に行って警察を呼びなさい!」。獣医は手術をして、犬が呼吸困難になった原因を突き止めたのだ。犬はのどに詰まらせたあるもののために呼吸困難になっていたのである。そして、犬がのどに詰まらせていたものは人間の指三本だった。警察が彼女の家に到着し、血痕をたどっていくと、そこには犬に指を食いちぎられた泥棒が、無くなった指の付け根を抑えながらうずくまっていた。

 アメリカの都市伝説。舞台設定、人種問題等のアメリカで特徴的な要素が含まれることも多く、日本にも同様の話が存在するが、アメリカ版と同等と言えるほどに深い背景の設定された話があるかどうかは未確認。

 細かな話は省くが、侵入者が指や手に大怪我を追う話というのは少しづつ形を変えながら古くから存在しているとのこと。「2階からの電話」の話も、この話と相通ずるものを持っている。
 





 試着室

 ある夫婦が海外旅行に出かけた。旅行先の街で、妻はブティックに入っていった。夫は、また妻の買い物が長くなるだろうと思い、妻が試着室へ入っていったのを見届けた後、しばらくあたりをぶらぶらしていた。しかし、いくら妻の買い物が長いとは言っても、あまりに遅いので痺れを切らして店の中に入っていっき、その店の店員を問い詰めたが、その店員の返答は「そのようなお客様はいらしておりません」の一点張りだった。


■類話(情報提供者:RYUさん)

試着室の噂の事なんですけど、私が友人から聞いたのは「夫婦が中東に行ったときブティックにはいり、妻が服を試着しに行ったが帰ってこない。警察にも届けたが見つからず、翌日もう一度同じブティックに行ってみる。すると隣の肉屋で大きな肉塊が叩き売りされていた。」というものでした。

※RYUさん、情報提供ありがとうございました。


 都市伝説としてはかなり有名な話。10年程前に1度、かなり広範に広まったようだ。

 この後の展開にはいろいろある。まず、この店を怪しいと思った夫が警察に駆け込み、不審に思った警官が踏み込んだところ、試着室奥の隠し部屋に監禁された妻を発見するパターン。しかし、これはまだ良いほうで、結局夫は妻を見つけられず、後日再び同じ街に行ったときに、見世物小屋で見世物にされている妻を発見するパターンもある。後者は言うなればバッドエンドのパターンで、妻の行き着く先は見世物小屋の他に、臓器密売を行う犯罪組織、売春宿、闇奴隷市場など。いずれにしても非常に陰惨で衝撃的な結末になっていることが多いようだ。

 この話には結末までにもいくつものパターンがある。中でも悪名高いのが「ダルマ」の話だろう。関連事項は当サイト内にもいくつかあるが、まずは右下コラム参照のこと。ここでは、とりあえず上のような大まかなあらすじを書いておいた。いろいろあって夫婦のうちの妻だけが試着室へ入りそのまま行方不明になるという部分はどの話でもほぼ共通のようだ。
 





 覗かれていた

 ある女の子がたまたま見ず知らずの男の秘密を目撃してしまった。男はすぐ女の子の存在に気づいて、女の子の方を向き直ったのだが、そのときの男の形相は怒りとも何ともつかない恐ろしいものだった。
 女の子は怖くなって逃げ出した。すると、男が女の子を追いかけてきた。追いつかれると思った女の子は、慌てて近くにあった公衆トイレの一番奥の個室に逃げ込みカギをかけた。少し送れて男がトイレの中に飛び込んできた気配があった。
 男は手前側から個室の中を一つ一つ確かめているらしかった。乱暴にドアを開ける音が近づいてくる。女の子は恐怖のあまり泣き出しそうになったが、どうにかそれをこらえていた。しかし、男はなかなか女の子がいる最後の個室に手をかけない。そうこうしているうちに、ついには夜が明けてしまった。
 女の子は、どうやら助かったらしいと思い、ほっと胸をなでおろした。そして個室を出ようとしたとき、上から女の子を覗き込んでいる男の存在に気がついた。男は、一晩中女の子を上から見ていたのだった。

 男性の秘密というのが何なのかは不明だが、話の本筋にはさほど関係ないので、TPOに応じて(?)適宜設定されるのだろう。同様のよく似た話は多く、その場合は犯罪の目撃者となってしまうこともあるので、犯罪がらみの都市伝説に分類した。ちなみに、目撃してしまうのは犯罪がらみのことばかりではないが、丑の刻参りなど、背徳的なものであることが普通。

 恐怖体験の話としてはよくできているが、何故一晩中上から覗いているかについての合理的な説明はほとんどないようだ。
 





 臓器泥棒

 ある家族が海外旅行でハワイに行った。そこでショッピングを楽しんでいたのだが、その最中に父親がいなくなってしまった。心配しながら待っていると、すっかり青ざめた父親がホテルの玄関先に倒れていた。一体何があったのかいぶかしがっていると、彼の腹のあたりにギザギザの汚い縫い跡が見つかった。
 後で分かったことだが、この父親は肝臓を抜き取られていたのだという。

 臓器密売の話は他にも紹介しているが、こちらは強制的に抜き取られる臓器泥棒のはなし。一時期臓器の密輸が問題になったことがあったが、その頃の話だろうか。

 ちなみに肝臓は再生力の強い臓器で、かなりの部分切除してもほぼ元通りになるらしい。そのためにこのような話が生まれたのかもしれない。被害者を臓器牧場扱いしているわけでもないだろうが。現実的に考えれば被害者の臓器をあらかた抜き取った後、ご丁寧に送り返すのではなく闇に葬ってしまった方が合理的なはずだ。
 





 ボーイフレンドの死

 あるカップルが一日のデートを終えて帰途に着こうとしたときのことだった。二人は一旦路上に車を停めてひとしきり別れを惜しんでいたのだが、いざ車を発進させようとするとエンジンがかからない。仕方なく彼氏のほうが車を降りて助けを呼びにいくことにしたが、その時に彼は彼女に車にかぎをかけて決して外に出ない様に行った。
 彼女はその言葉どおりに彼氏が戻ってくるのを待っていたが、気がつくとズルッズルッと何かが車の屋根をこする音が聞こえるようになっていた。彼女は恐怖に戦きながらも彼の言いつけを守り車から降りようとはしなかった。しかし、音は一向にやむ気配がない。
 結局彼女は、夜が空けて通りかかった人の助け出されて車を降りたのだった。その時、車の屋根の上を見ると、彼氏が街路樹から首をつられて死んでいた。一晩中彼女を恐怖させていた音の正体は、彼氏の足が車の屋根をこする音だった。

 研究者の間では表題の通り、『ボーイフレンドの死』の名で通っている話。都市伝説の中でもそれだけよく知られたモチーフである。もっとも、それはアメリカでの話。日本でも同種の話が絶無ではないのだが、やはり設定に若干の無理が生じるためか。

 上の話ではどうしてそうなったかが語られていはいないが、ボーイフレンドはもちろん自殺などではない。たまたま近くに居合わせた異常者、あるいは脱獄囚の手で無残な姿に変えられる、というのがパターン。
 





 舐められた手

 ある女の子が、両親の留守に一晩夜を明かすことになった。
 彼女は用心のために家中の窓という窓にしっかりと施錠していったが、一つだけどうしてもかぎをかけられない小さな窓があった。どうしようかと少し悩んだが、小さな窓だったし、愛犬も一緒にいることだし大丈夫だろうと思って、そのままにしておいた。
 しかし、夜半に何かぴちゃぴちゃと水の滴るような音がするのに気がついて、彼女は目を覚ました。何が起こっているのか不安だったが、結局それを確かめに行く勇気はなかった。その代わりにベッドの下で寝ている愛犬のほうに手を伸ばすと、手を舐め返してきた。そのことを確認して一心地つき、彼女は再び眠りについた。
 翌朝彼女は、リビングで首を掻ききられ、天井からつるされている愛犬の姿を発見した。水の滴るような音は、犬の傷口から流れ出た血が床を打つ音だった。
 そして、愛犬がいたはずのベッドの下からは一枚の紙切れが見つかった。
『人間だって舐めるんだよ』

 夜中、得体の知れない不気味な音に気がつき、恐怖を感じる部分は『ボーイフレンドの死』と同じ。ただし、こちらのほうが話としては凝っているだろう。『ボーイフレンドの死』に影響された話だろうか。

 なおこの話は、マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』第四部で、アレンジを加えられ”杉本鈴美”のエピソードとして登場している。都市伝説やその周辺を題材にしているわけではないわりに、都市伝説的モチーフを好む傾向のある作品である。
 





 泣かない赤ちゃん

 とある飛行機の機内に家族と思しき一組の男女と赤ちゃんが乗っていた。しかし、この赤ちゃんはあまり顔色が良くなく、機内で泣き出したりすることもなかった。
 赤ちゃんはあまりに静かにしているので、かえって心配した乗務員が赤ちゃんの具合が悪いのか尋ねたのだが、二人は『心配いりません。ありがとう。』と答えただけだった。
 後にこの二人は入国審査の際に逮捕された。理由は麻薬の密輸であった。泣かない赤ちゃんは、臓器を抜き取られ代わりにおなかの中に麻薬を詰められていたのだった。

 麻薬の密輸は密輸しようとするものとそれを食い止めようとするものの知恵比べである。オーソドックスなのは何も知らない第三者に運ばせたりすることだが、袋詰にして飲み込むというのも良く聞く話。しかし、この話は体内に隠すと入っても赤ちゃんの内臓を抜き取ってその中に詰めるというかなり陰惨な話。麻薬密輸の事情はわからないが、このような恐ろしい話が信憑性を持つほど殺伐とした世界なのだろうか。

 グロ動画・画像サイトを中心に、このエピソードの映像版が流通しているようである。出元がハッキリしないだけに、噂の後追いで作られたフェイクのような気がするが。
 





 ディズニーランド誘拐事件

 ディズニーランドといえば世界的に有名なテーマパークだが、この夢と魔法の国にも暗い闇の部分が存在している。ここを訪れた子供の幾人かが園内でそのまま行方不明になっているのだという。背後には子供を誘拐する組織の暗躍があるようで、誘拐された子供達は裏世界で『商品』として取り扱われ、いずこかへと消えていくのだという。

 ディズニーランドの敷地は広大で、しかも非常に多くの人が集まってくる。それだけに迷子は多くなるし、人が一人二人消えたところでそのまま行方不明になってしまいそうな雰囲気はある。そういうところから生まれた話なのかもしれない。

 ディズニーランドは世界各地にあるが、この話はTDLに限ったものではない。もともとはアメリカの話で日本にディズニーランドがやって来たあと少し遅れてついてきた話のようである。原型になった話は、人種や宗教の問題が絡んだ複雑な背景を持っている場合があるが、TDLの場合は単に犯罪組織の仕業で片付けられてしまうようだ。
 





 勝手に養子

■情報提供:ペインキラーさん

某国では観光者相手の現地ガイドと偽り、あちこち連れ歩いたあげく(怪しまれないよう有名な観光地を見せて回るそうですが)いつの間にか誘拐状態にしてしまうという犯罪が横行した時期があるそうです。
そして最後には観光者に無断で養子縁組(偽造?)の手続きをしてしまい、本当の親に「そちらが親権を主張するのならしかたがありません。○万ドルで手を打ちましょう」と言って大金を要求するのだとか。

※ペインキラーさん、情報提供ありがとうございました。

 見ようによってはカルチャーギャップの話のようにも見えるが、それだけではない。養子にして身柄を半ば拘束してしまうというのは、立派な犯罪行為である。とらえようによっては、『犯人グループ』が異文化交流によって生じがちなトラブルを逆手にとって悪用し、犯罪行為をカムフラージュしようとしている話にも見えるし、この種の犯罪というのは、確かにありそうではある。

 話の真偽は別として、このような内容の話が好んでされる背景にあるものは、異文化との摩擦に対する過敏ともいえる警戒なのかもしれない。
 





 レイプ事件

 某所で女子高生がレイプされるという事件があった。犯人はいまだ捕まっていないらしいが、イラン人の集団であったという。


■類話(情報提供:あたしはPGさん)
※管理人注:ショッピングセンターのトイレで女児が〜と言う話からの派生

同様の話で「ハワイのショッピングセンターで」
っていうのもあり
事実危険な目に会った人もいるのでしょうが
「観光地だけに表ざたにできないからニュースにはならないんだけど」
と前置きされてしまうと信憑性を疑いたくなってしまいます

ハワイレイプニュースの例(裏はとっていません)
・新婚旅行できた妻がさらわれてレイプされ3日後にパイナップル畑を全裸であるいているところを発見された
・早朝、アラワイ運河沿いをジョギングしていたところ襲われ、運河に投げ込まれた
・タンタラスの丘に夜景を見に行って拉致されて輪姦され、3日後に裸足で歩いているところを保護。


■参考(情報提供:ultraCSさん)

谷村新司のセイヤングで聞いた話だと思いますからおそらく20年以上前です。

ハワイで新妻が黒人にレイプされて黙っていたが、、帰国後、生まれた赤ん坊が駆黒い赤ん坊で、それが原因で離婚されたという話でした。
当時、こういった話に都市伝説というアンチテーゼは無く、そのまま受け入れられたようです。真相は今となってはわかりません。

※ultraCSさん、情報提供ありがとうございました。

 女子高生の話は、90年代、主に関東地区で広まった話だという。事件のあった場所は、噂が広まっている地域になじみの場所に置き換えられるが、犯人は大抵の場合イラン人であるとされ、しかも複数犯であることが多い。私がリアルタイムで聞いたバージョンでは、被害者は高校生のカップルであったが、レイプ事件ではなく傷害事件となっていた。もちろん実際にはこのような事件は起きておらず、新聞などによる否定報道もなされた。日本にやってくる外国人の中でも、中近東からやってくる人たちは、日本人にはあまりなじみのないイスラム教に根ざした文化習俗を持っていて、他地域出身者よりもミステリアスに映る部分があるのかもしれない。そのために生まれた話であろうか。なお、特定の人種民族に対する偏見から生まれた噂としては、当サイトでも時折取り上げる『オルレアンのうわさ』が好例。また、日本国内でも関東大震災の際の朝鮮人にまつわる流言があるが、この噂は悲劇的な事態を発生させている。人種民族に関わる噂は、非常にデリケートで、かつ危うい部分を内包している。

 ハワイでレイプされた新妻の話には、帰国後に生まれた赤ん坊が浅黒い肌の子供で、そのことを知った妻が発狂してしまうと言うパターンもある。「発狂」まで行ってしまうとかえって作り話めいてしまう。今となっては最初に類似の事件があったかどうかを探るのは難しくなっているが、噂が噂を呼んで事実が都市伝説的発展を遂げている可能性は高い。

 なお、有色人種の赤ん坊(日本人も有色人種ではあるが)と言うモチーフは、セックスにまつわるいくつかの都市伝説の中で散見されるモチーフであることを付記しておく。

 婦女暴行は一般に、セカンドレイプの問題もあって表面化しにくい種類の犯罪であるといわれている。犯罪に絡んだ噂では、警察なりマスコミなりの、事件に対するリアクションが見られないことの説明が必要になる場合が多いが、上で紹介したようなレイプ事件の話は、簡潔で、しかも現実的な理由によってその点をクリアしていると言える。それだけに、聞く人が信じ込んでしまいやすいという危険性もある。
 





 怪しい警官

■情報提供:旭さん

少し前、某森田和義アワーで室井さんが「恐い話」として話した内容なのですが・・・・・・。
ある女性がマンションに帰ると、入り口のあたりで一人の男性とすれ違いました。
なんとなく気になる相手でしたが、そのときはさほど深く考えずに通り過ぎてしまいました。
しばらくして、その女性は自分の住んでいるマンションで殺人事件がおきたとテレビで報じられているのを見ました。
やがて、女性のところにも一人の刑事がやってきました。殺人事件の犯人らしき人物を見かけなかったか、事情聴取をしているとのことでした。
女性はとっさに、以前エントランスですれ違った男の事を思い出しましたが、記憶が定かではなく、無関係かもしれないと思ったのであえてそのことは言いませんでした。
それからまたしばらくして、テレビで殺人事件の犯人が捕まったと報じられました。
そして、テレビに映った犯人の顔は、あの時事情聴取にやってきた刑事の顔でした。

※旭さん、情報提供ありがとうございました。


■ 参考(情報提供者:がさがささん)

それ、ダウンタウンの松本さんも某番組で話してました。
その話ではたしか女性ではなく俳優さんだったような気がしますが、エレベーターで怪しい男とぶつかったら肩に血がベットリついて…以下は同じオチです。芸能界で流行ってる話なのかもしれませんね。

※がさがささん、情報提供ありがとうございました。

 「笑っていいとも」で室井滋さんが話していたところによると、この話を今田耕二さんに話し、それがダウンタウンに伝わっていく時に室井さん本人の体験と言うことになってしまった、とのこと。「伝言ゲーム」の理論を考える上で面白い話である。

 真偽判定めいた事をするのならば、実際の殺人事件の犯人が、警察官の行き来する犯行現場近くまで戻る危険を冒してまで、決定的な現場を見たわけでもない『目撃者』を付け狙うとは考えにくい。これも話の域を出ない物だろうか。
 





 ショッピングセンターのトイレ

 ある母親が、まだ小学校にあがっていない幼い娘を連れて、近所の大型ショッピングセンターへ買い物に出かけた。バーゲン中だったので、買い物の時間はどんどん長くなっていった。
 しかし、あまりに時間がかかったため、途中で娘がトイレに行きたいと言い出した。母親は、娘もそろそろ一人でトイレに行くぐらいは平気な年齢だと思ったが、念のためにいろいろな注意を与えてから、娘をトイレに行かせた。
 ところが、随分時間が経ってもなかなか娘が戻ってこない。心配になって、娘が向かったであろうトイレを探したが、彼女の姿は見つからない。
 ちょうどその頃、店内の別のトイレで、個室から妙な物音がするという通報を聞きつけて現場に駆けつけた警備員が、問題の個室のドアをこじ開け、裸の女の子と中年男の姿を見つけていた。

 こぼれ話じみた情報ではあるが、この噂がらみで当サイトを訪れる「一見さん」は多い。定期訪問者と、インターネットというメディアとの親和性が頭抜けて高い「鮫島事件」関連の訪問者を除外すれば、この伝説の情報を求める人が当サイト内最大のマジョリティーであろう。

 「救助された女の子は内臓破裂していたために手術が必要になり、かろうじて一命を取り留めたが子供を産めない体になった」という後日談が付け加えられたり、複数犯であったり、犯人が男子中学生であったりと、いろいろなバージョンがある。これら細部の違いには、地域ごとにある程度の共通した傾向が見られる。被害者が幼児と言う部分で特異な「事件」と言えるが、逆に高齢者がレイプ被害にあうという話も存在している。この「事件」が表面化しないのも、セカンドレイプに配慮して…と説明されるのが普通だ。
 





 アラブ人の恩返し

 ある大学生が街を歩いていると、アラブ人から道を尋ねられた。大学生が質問に丁寧に答えると、そのアラブ人はこう言った。
「どうもありがとう。あなたは親切な人だからいい事を教えてあげます。今月いっぱいは地下鉄に乗らないほうが良いですよ。」

 これは、あの「9.11」の記憶も生々しい2001年の10月ごろに流れた噂である。この話には続きがあるが、今となっては陳腐化してしまった内容だ。上の話だけだと何のことなのか分からないので、以降のストーリーは補足という形で紹介しておく。「実はアラブ系のテロリストが東京都内などで大規模なテロを計画していて、どうにかしてその情報を事前に知っていたアラブ人(時には実行犯と目されるうちの一人であったりする)が、たまたま出会った親切な日本人が巻き込まれないよう、事前に警告を発していたのだ…」。

 この注釈を書いている時点(2003年11月)では、自衛隊のイラク派兵をめぐって、イスラム原理主義組織から東京都内での報復テロの可能性が示唆されている。このきな臭い状況がさら深刻化し、『アラブ人の恩返し』の話が不気味な真実味を伴って復活するような事態に陥らないことを祈るばかりである。

 この噂は世情を反映してか、比較的最近になって何度か流行している。中には不安が生み出した噂がさらなる不安を煽って発生したらしい株価の下落などもあった。





 死刑執行→無罪放免?

■情報提供:質問君さん

都市伝説のような話を聞きましたので投稿いたします。
その話とは、
『一度死刑が執行されても、何らかの事情で死刑囚が死ななかった場合、すでに一度死刑は執行されているので罪の償いを終えた扱いになり、その後は刑務所に収監され続けることも無く釈放される』
と言うものです。
確かに死に直面して人生観が変わったと言う人の話は良く聞きますが、仮にも一度死刑宣告をされた凶悪犯ならば、そんな事情でシャバに戻ってはこないような。。。

※質問君さん、情報提供ありがとうございました

■類話(情報提供:つきしさん)

私が話を聞いたのは警察学校の教師になりそうになり、見学までしたのだがやっぱり普通の教師に戻ったという経歴を持つ高校時代の担任です。
その話だと絞首用のロープが切れた場合、意識の戻る前に警察官がすぐに柔道の絞め技で絞め殺してしまうというものでした。

※つきしさん、情報提供ありがとうございました


 さほどメジャーな話ではないが、時折語られる内容のようだ。

 高度に専門的な話であるため、うかつな私見などは書けないが、どうも「死刑執行」後に死刑囚にまだ息があることが確認された場合(というより蘇生した場合か)、放置して受刑者の死を待つのではなく救命措置が行われるらしい。状況にもよるのだろう。ただし、それで無罪放免となる事は無く、改めて死刑執行という流れになるそうだが…。

 なお、今とは法律から国の体制まで大きく事情が異なる時期(もちろん近代である)には、執行後に蘇生した死刑囚を釈放した事もあった。諸々ひっくるめ、詳細は『コラム』参照のこと。
 





 ベッドの下に

 ある日、一人暮らしをしている若い女性の家に友達がやってきた。夜遅くまでおしゃべりをしていて、さあ寝ようということになった時、その友達が喉が渇いたと言い出した。そして、今からジュースを買いに行きたいのでついて来てほしいという。女性は「ジュースなら冷蔵庫にあるから」などと応じたのだが、友達はその日に限って「どうしても飲みたいジュースがあるから買いに行きたい」と主張して譲らない。友達が頑固なくらいにそう主張するので、ついにはその女性も折れて、しぶしぶながらついていく事にした。
 部屋を出て少し歩くと、その友達が血相を変えてこう言った。
「ベッドの下に包丁を持った男がいたの。今あの部屋に戻っては駄目。早く警察に行きましょう。」


■参考(情報提供:麻木さん)

「ベッドの下に男が潜んでいた」、という話を何度かきいたことがありますが私が初めて知ったのはとある雑誌の投稿ページでした。
五年程前の話で、その雑誌も今手元に無いためうろ覚えですが投稿者本人の体験談だったような記憶があります。(本人ではなく「友人の話」だったかもしれませんが…)
内容は一般的なものとほぼ同じで、投稿者の友人が夜中に「ジュースを飲みたい」と言い出し渋々ついていくと自販機を通り過ぎて交番に行った、というものでした。ベッドの下以前に「押入れに男が半年いた」というのもあったということで文が締めくくられていました。
その時は「怖い話だなぁ」と思ってましたが有名な話なんですね…。

※麻木さん、情報提供ありがとうございました。

 犯罪がらみの都市伝説の中ではもっとも有名な話の一つと言って良いだろう。この話自体にはさほどのバリエーションは無さそうだが、「自分の家に家主でさえ知らないうちに何者かが入り込んでいる」というもっと大まかなモチーフのうちの1パターンが、ベッドの下の男の話であると言った方が正確なのかも知れない。

 なお、この話も例の如く日本独自のものではなく、海外によく似た話が存在している。
 





 秘密結社あれこれ

1、
 日本の政権は鎌倉時代以来、源氏と平氏が交互に握っている。それは江戸時代までの話と思うなかれ、古くから歴史の陰で源氏系と平氏系の秘密結社が自勢力下の人物に政権を握らせるよう画策しているのだという。
 それは近年の内閣にも言える事だが、自分がそうやって首相の座に着いたことを知らない政治家も少なくない。

2、
 ロータリー・クラブはフリーメーソン系の団体。

 1について。「源平交代思想」は武家政権時代に発生した考え方で、時の政権は源氏と平氏が交互に握ると言うもの。武士階級の俗信・迷信に近い。最初の武家政権は平清盛、それを源頼朝が倒し、源氏将軍が三代で途絶えた後は執権北条氏(平氏系)が実権を握り、代わって室町幕府を起こした足利氏は源氏系、足利幕府を滅ぼした織田信長は自称平氏、徳川家康は新田氏(源氏系)の後裔を自称していた。信長家康あたりまでくると、まず源平交代思想ありきで出自を詐称するようになる。そういった発想を現代にまで持ち込むのは面白いのだが…。

 2に関しては、それなりに根拠らしきものもある。規模が大きく名前も知られた組織である割に活動内容が知られていないこと、国境を積極的に否定する姿勢がユダヤ的、そして経理状態が不明な点である。それでもやはり、胡散臭さが付きまとうのだが。

 いずれにしても「秘密結社」という怪しい響きは、都市伝説を醸成する格好の材料となるようだ。
 





 共通点

『両親と息子の三人家族がいます。あるとき父親が死に、母親は葬儀の参列者の一人に一目ぼれしてしまいました。数日後、母親は自分の息子を殺しました。それは一体なぜ?』
 こういう問いの心理テストがある。普通の人は「再婚するのに息子が邪魔になったから」と答える。しかし、犯罪性向が極度に強い人間は、「息子の葬式で想い人にもう一度会えるから」と答える。
 宮崎勤、麻原彰晃、酒鬼薔薇聖斗は後者の回答を選んだという。

 「八百屋お七」のような話である。現実問題として、このような心理テストを犯罪者に行う必要性が見出せない。それ以前に心理テストとして機能するかどうかが非常に怪しい設問のような気がする。

 特別に広く知られている都市伝説とはいえない。それだけにかえって長らく命脈を保つタイプの話かもしれない。ノミネートされる凶悪犯罪者の顔ぶれは、その時々によって変化していくのだろう。
 





 白木屋ズロース伝説

■情報提供:因幡さん

白木屋ズロース伝説ってご存知でしょうか?
時期はちょっと失念してしまいましたが、昭和の初期だと思います。
白木屋という百貨店で大きな火事がありました。そのとき多くの女性が亡くなったそうです。理由は、「当時の女性はパンツをはく習慣がなかったために野次馬達の面前で局部が晒されることを恐れ、そのため避難用ロープを使う時に着物のすそを抑えようとして転落死した。あるいは恥辱よりも死を選ぶといってそもそもロープを使わなかった」というものです。
この事件の直後から日本女性にズロース(パンツの原型?みたいな下着です)を着用する習慣が広がったとか。
どこまで本当か分かりませんけど。

※因幡さん、情報提供ありがとうございました。

 白木屋火災は1932年(昭和7年)に発生した。この火災で亡くなった女性は八人で、いずれも白木屋の店員。当時の新聞記事によると全員が転落死だったが、転落に至った原因は羞恥心に起因するものではなく、火災現場ではごくありふれたものだったようだ。

 女性店員の転落死と『ノーパン』の間に因果関係を想定したのは、白木屋の幹部が最初だったようだ。また、それを受けてか当時の新聞は女性のズロース着用を促す論調の記事を書いている。しかし、白木屋火災の後に目立ってズロースを着用する女性が増えたということもなさそうである。
 





 16連射の男

■情報提供:ペインキラーさん

都市伝説といえるかどうか微妙なのですが、20年近く前のファミコン全盛期にこんなお話がまことしやかに噂されていました。

●有名ゲームメーカー某H社の名物社員、「T名人」が逮捕された。
T名人は「16連打」と呼ばれる高速ボタン連打で一世を風靡していたが、某社と商標権利を主張しあった際にこれの真偽を検証。実のところそんなに高速連打はできず、嘘を指摘され追求されたT名人はその場にいた某おもちゃメーカー社員(話によって弁護士やヤ○ザの場合もある)を突き飛ばしてしまった。
その社員は大した怪我を負わなかったもののT名人は即警察に通報され、傷害容疑で逮捕されたとの事。
この事件以来H社は連打を必要とするゲームを開発しなくなり、T名人の存在も次第にフェードアウトしていったという。

・・・当時私は小学生だったのですが、大人の間にまで流れていた噂だったようで強く記憶に残っています。
なおこの事件は週刊誌でも取り上げられ真偽を検証、T名人本人が「1日署長をやった事はあるが、逮捕された経験は無い」と全面的に否定していたそうです。

※ペインキラーさん、情報提供ありがとうございました。

 高橋名人(ペインキラーさんの書き込みではT名人となっているが)が逮捕された、という噂は当時の小学生に大きなショックを与えた。逮捕容疑は、不正によって16連射を実現していたという「詐欺罪」とされることも多かった。不正の方法は、指やコントローラにばねを仕込んでいただとか、電流や薬物によって腕を痙攣させていた、などといったものがある。仮にこの内容が事実であったとしても、16連射は啖呵売とかガマの油売りの口上などと同じく、商売上のテクニックと言った性質のものである。逮捕はないだろう。ちなみに、不正に頼らずとも16連射は可能だったようである。

 なお、この噂は当時の朝日新聞も取り上げたと言う。それだけ話題性のある噂だったのだろう。
 





 昭和はなかった

 大正天皇の崩御で「大正」が終わったとき、新しい時代の元号は「光文」となるはずだった。しかし、現実に大正の後を引き継いだのは、ご存知「昭和」である。
 なぜこのようなことが起こったのか。実は当時の東京日日新聞が、公式発表の前に新元号をリークしてしまったため、宮内庁は慌てて昭和と言う新しい元号を決め、東京日日の記事を誤報とする形で処理したのだった。

 「東京日日新聞」は、現在の毎日新聞。

 昭和も前半頃まではわりと当たり前のように語られていたエピソードのようだが、今では話自体知る人が少なくなってきているだろう。そういう意味では前世代の都市伝説といったところだろうか。

 当時を知る人はすでに他界してしまっているため、今となっては真偽の確かめようもない。真相は「藪の中」だが、スクープ記事のためにふいになった元号の話は、疑えば充分疑える話である。
 






 お風呂と大使館

1、
 昔、「大使館」という名前のトルコ風呂が存在していた。そのため、電話帳には「トルコ(風呂)・大使館」と本物の「トルコ大使館」が二つ並んで掲載される事になった。問題はその後だ。トルコ共和国の出先機関である本物のトルコ大使館に、本来トルコ風呂・「大使館」につながるべき間違い電話が大量にかかってくるようになったのである。
 この事態に腹を立てた本物のトルコ大使館は、外務大臣に対して特殊浴場の通称を変えさせるように要請したと言う。

2、
 あるとき、新任のトルコ大使館員の身の上に起こった話。彼が空港から大使館に向かおうとした時、一台のタクシーを捕まえた。行き先を聞かれた彼は「トルコ大使館」と答えたのだが、車が着いたのは、「大使館」という名前の特殊浴場だった。
 自国の名前がいかがわしい店の通称として用いられている事を知った彼は激怒し、然るべき筋にこの件で抗議した。トルコ風呂改称の影では、このような出来事が起こっていたのである。

 一般的に「トルコ風呂」改称の経緯については、「当時のトルコ人留学生が改称運動を起こし、マスコミでこれが報道されるに至って業界団体が動き、ついに改称が成った」と説明される。上記のようなエピソードは、信頼の置けそうな資料の中ではまずお目にかかることが出来ない。どちらかと言うと雑談のネタや話半分の読み物の中に生きるエピソードのような気がする。とは言え、出鱈目であると断言できるだけの根拠はない。もちろん、事実である証明もないのだが。
 






 血が足りない

■情報提供:稲葉白兎さん

昭和天皇にまつわる話を聞いたことがあります。

昭和63年の末頃から昭和天皇が入院していた時、昭和天皇と同じ血液型ABの血が不足したため若い自衛隊員の中から志願者を募って血を集めたというもの。
他には20代の若者を集め、隔離しつつ豪華な食事を与えて必要分の血を採血したというものもあるみたいです。

最終的には3万ccほどの血液が昭和天皇に輸血されたらしく、関東一円でストックされていた血液のほとんどが消えて無くなったという事実があるそうです。

※稲葉白兎さん、情報提供ありがとうございました。


 現代日本の分かりやすい「聖域」、皇室にまつわる噂の一つ。今となっては過去の噂だが、当時は一部の新聞(朝日新聞 1988年11月11日付)で報じられる程度には広まっていた話。

 大量の輸血が必要になったために輸血用血液の不足という事態が起こっていたのは事実だが、噂はあくまで噂だった。「献血する側が輸血する相手を指定することもできないし、輸血される側が特定の誰かの血液を選別することもできない」というのが、この件を報じた新聞記事中に見られる医療関係者の言。
 





 O-157の発生源は?

■情報提供:るるるさん

今から10年程前になると思いますが、大阪府で病原性大腸菌O-157の感染事件がありました。その時に「発生源はかいわれ大根」というような話がありましたが、それに付随して「本当の発生源はかいわれ生産農家の近くにあった牛の屠殺場なのだが、政治的判断により隠匿され、かいわれ農家がスケープゴートにされた」というようなうわさがあったのだそうです。

※るるるさん、情報提供ありがとうございました


 かなりデリケートな問題を含んだ噂なので突っ込んだコメントは非常にしづらい面もあるが、社会心理学の見地からすれば興味深い噂とも言える。

 最終的にはカイワレ農家発生説も否定されて原因追求がうやむやになってしまった情報飢餓の中で生まれた無責任な噂なのだろう。内容は話者たちのバックボーンを端的に表現しているような気がする。
 





 晒される死体

 画期的な技術を用いて人体標本を常温・空気中で保存することが可能になったために実現した「人体の不思議展」。同展で展示されている人体標本は中国の工場で製造されたものなのだが、その素材となった遺体は、拷問にも等しい過酷な取調べで命を落とした法輪功のメンバーや、その他中国国内の政治犯のものである。

 ネットにおいてしばしば見かける話である。

 日本国内での開催も回数を重ね、今やかなりたくさんの人が会場に足を運んだ経験を持つと思われる「人体の不思議展」だが、その多分にショー的な展示内容には早くから批判の声があった。建前上は学術展示と言う形になっているものの、良くも悪くも人間の生や死を感じさせない展示方法に違和感を覚える人も多いようだ。その考え方を発展させると、かつては普通に暮らしていた人間の遺体が、同展では晒しものにされ、辱めを受けているという感覚につながる。

 同展で展示される人体標本が中国で製造されたものであると言う点は、主催者側も公表している。ただし、素材となった遺体は故人の生前の意志に基づいて提供されたもの、すなはち献体であるともされている。それが法輪功メンバーのものであると言う情報の出所は、法輪功にも近しいメディア「大紀元」であったと言われる。中国共産党に批判的な記事を発信することで知られるが、報道内容は「まず体制批判ありき」とも言えるほど極度に偏っているため、ニュースソースとしての信憑性は日本の一部スポーツ紙と同等程度という評が一般的だ。

 にもかかわらず上掲の内容が比較的に広く受け入れられているのは、中国共産党の体質と迫害される法輪功のイメージ、そして見世物的な「人体の不思議展」の実態が結びつくと、同展を中国の反体制派に対する懲罰と捕らえるのに違和感がなくなるためだろう。
 





 あるブログの炎上

 2009年3月、お笑い芸人スマイリーキクチ氏のブログに誹謗中傷を書き込んだ6人が書類送検された。
 彼らは1988年に発生した女子高生コンクリート詰め殺人事件にキクチ氏が関与していると言ううわさを信じ込み、名誉毀損や脅迫に当たる書き込みを繰り返したため、このような処分を受けるに至ったのだった。

 書類送検された6人は特に悪質な書き込みをしていた面々だったようだが、女子高生コンクリート詰め殺人事件とスマイリーキクチ氏の関与を臭わすうわさは氏の名前が売れ出した頃から存在していたようだ。潜在的にはかなり多くの人が耳にしていたと思われ、程度の多寡はあるにせよ、信じていた人も少なくは無いと思われる。

 なぜそのようなうわさが発生し、そして出所は一体どこだったのか。大方のうわさがそうであるように、このうわさも発端に関してはっきりしない部分が多いのだが、比較的真相に近いと思われる分析として、メジャーで売れ始めた頃のキクチ氏が「元ヤン」を売りにしていたのに加えて、氏の地元がコンクリート事件の現場に近く、さらには同事件には潜在的にかなり多数の不良が関与していたという風聞が下地になってまことしやかなうわさが形成され、氏のアンチによって喧伝されていったのではないか、というものがある。

 ちなみに、故飯島愛氏の出身地も事件現場に近かったため、彼女もコンクリート事件に関わりがあったのではないかとするうわさもまた、存在している。これももちろん、状況証拠と呼ぶのもおぼつかない程度の根拠を元にした話である。