■2012年3月号

今月の潮流
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今月のできごと


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バイオジャーナル

ニュース


●遺伝子組み換え作物
●耐病性ゴールデンライス開発

 フィリピン・イネ研究所が、新しいタイプのゴールデンライスの開発を進めている。このGMイネは、ベータカロチンを含み、ビタミンA欠乏症に対応するとされるいままでのゴールデンライスに、さらに熱帯ツングロ病と縞葉枯れ病の2つの病気に抵抗力を持たせた。栄養強化と耐病性を併せ持つことで、フィリピンでの栽培を目指している。 〔The Manila Bulletin 2012/1/17〕

●海水で育つGMタバコ

 イスラエルのバイテク企業「ロゼッタ・グリーン」は、海水で育つGMタバコを開発した。実験では、海水の3倍の塩分をもつ水の中でも成長が確認されたという。 〔The Canadian Jewish News 2012/1/17〕
●GM昆虫
●米大学がマラリア対策GM蚊を開発

 米メリーランド州ボルチモアにあるジョンズ・ホプキンズ大学マラリア研究所の研究者が、マラリア原虫を攻撃するGM蚊を開発した。この蚊は、通常よりも多くの免疫系タンパク質「Re12」を産生するように組み換えられている。このRe12はマラリア原虫のみを攻撃し、人間には感染させないようになっている、と説明している。 〔Voice of America 2012/1/3〕
●GM魚
●GMサケにウイルス病発生

 認可間近とされるGMサケの実験場で、新種の伝染性サケ貧血症が発生していたことが明らかになり、環境保護団体などは、進行中の米国食品医薬品局(FDA)に認可作業の中止を求めた。このウイルス性の病気は、世界各地の養殖場で深刻な被害が報告されており、GMサケを開発したアクアバウンティ・テクノロジーズ社の実験場でも2009年11月に確認されていた。GMサケは従来のサケよりも安全に養殖ができる、という同社の謳い文句に環境保護団体は疑問を投げかけており、GMサケの健康データの公表と認可の中止、そして、魚の病気の影響も含む完全な環境影響評価を実施するようFDAに求めている。 〔Center for Food Safety 2011/12/20〕
●GM汚染
●スイスで遺伝子汚染起きる

 2011年、スイスの研究機関周辺の数カ所で、汚染拡散防止のために設置されていたモニタリング・システムによってGM作物(シロイヌナズナ、ナタネ)の生育が確認された。見つかった作物はすぐに抜き取られたので問題ない、と連邦環境局は述べた。スイスでは2005年よりGM作物の栽培を禁止している。 〔Swiss Info 2011/12/16〕

●中国産未承認GM米相次ぎ見つかる

 欧州委員会によると、これまでEUの港に届いた中国産米に、未承認のGM米4品種の混入が相次いで見つかった。2008年に初めて中国産の米にGM米(Bt63)が見つかって以来、欧州委員会は輸入米の検査を厳しくしている。2012年1月に発効するEC規則でも、未承認GM米の流入を阻止するための新たな対策が講じられている。  〔GM Freeze 2011/12/19〕
●GMOフリー
●ラトビアがまもなくGMOフリー国家に

 ラトビア共和国の110ある自治体のうち、101の自治体が2012年末までに「GMOフリー」となる。これらの自治体では区域内でのGM作物栽培が禁止となる。さらに、近いうちに国家全体としても「GMOフリー」になる可能性がある、という専門家もいる。 〔All About Feed 2012/1/6〕
●GM食品表示
●GM作物使用のナチュラル表示訴訟

 GM作物を使用しているスナック菓子を「allnatural」と表示して販売しているフリトレー社を、表示は詐欺的で違法な販売であるとする、消費者による集団訴訟が、米国カリフォルニア州で起こされた。GM作物で作られた油(トウモロコシ油、大豆油、ナタネ油)が使用され、場合によってはGMトウモロコシが原料に含まれている可能性があるにもかかわらず、「allnatural」表示している。昨年も、GM作物を使用したコナグラ社の食用油の「ナチュラル」表示に対して裁判が起きている〔本誌2011年11月号〕。 〔Natural News 2012/1/5〕